#6「マネキンは動いてナンボ?アンドロイドで未来のディスプレイ」~ゲームとお店~
お店:アパレルショップ
ゲーム:デトロイトビカムヒューマン
提供サービス:服飾品の販売
未来のアパレルショップは、マネキンが自在にポーズを取るかもしれない。
洋服を魅力的に見せるには、ただ立っている人形に着せるよりも、着て動いて見せる方が効果的だろう。
アンドロイドが新しいデザインの服を着用して、ショーウィンドウでポージング。
だがそれは果たして、陳列什器と呼んでよいものだろうか?
『デトロイト ビカム ヒューマン』は、3人のアンドロイドのストーリーを追っていくアドベンチャーゲームだ。
2038年の未来を舞台にした本作は、高度に発達したAIにより、人と見分けがつかないほどに精巧なアンドロイドが人々の生活を支えている。
序盤、主人公の一人マーカスが雇い主の用事を済ませているシーンで、この世界の町を少し探索できる。
その中に、アパレルショップらしき店舗がある。
ショップのショーウィンドウを見ると、中にカジュアルな服装を着た人いるではないか。
ときどきポーズを変えるその人は、通りを行く人に向かって立っている。
傍らのデジタルサイネージには、服の価格らしきものも表示されているようだ。
どうやら、アンドロイドが商品を着て、マネキンの代わりをしているらしい。
VP(ビジュアルプレゼンテーション)という言葉がある。
アパレルなどの小売店で、商品の特性、品質、デザインなどを顧客の視覚に訴える演出技法のことである。
季節品や主力品はコーディネートをして、マネキンや大きな什器を使って大々的にアピールしたり、処分品は平台やワゴンに集約して手に取りやすくしたり、といった感じだ。
中でもショーウィンドウに展示された商品は、顧客の目に魅力的に映るのだ。
本作のお店では、その役割をマネキンではなく、人のように動くアンドロイドが担っている。
実際に服を着て動いてもらえれば、顧客は着用したあとの雰囲気をイメージしやすい。
ただし、未来の世界とはいえ、アンドロイドはそんなに安いものでもないだろう。
単なる陳列什器として利用するのは(倫理的な善し悪しは置いといて)費用対効果が悪そうだ。
これは勝手な想像だが、マネキン役のアンドロイドは交代制で、別のタイミングで店内作業もしているのではないだろうか?
本作のアンドロイドは非常に優秀で、販売員や掃除、ベビーシッターなどもやれる。きっと、モデル兼店舗作業員として雇っているのだろう。
果たしてそんな未来は来るのだろうか?
本作をプレイすると、純粋に楽しみだともいえない複雑な気分ではある。
まとめ:未来は、マネキンが動いたり、レジを売ったり、発注や補充をしたりするかもしれない!
≪前回のゲームとお店≫
参考資料:『販売士ハンドブック<発展編>』日本商工会議所・全国商工会連合会 編
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