#3「トルネコの大貢献!後継者問題に悩む中小小売業」~ゲームとお店~
お店:エンドール城下町の店
登場するゲーム:『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』
提供サービス:武器・防具・消費アイテムなどの販売
『ドラクエ4』の「トルネコの店」は、地域に買い物場所を提供するだけでなく、治安維持の効果もあるのだ。
トルネコは『ドラクエ4』に登場する、自分の店を持ちたがっているポッチャリ商人。
本作には、トルネコが地元の武器屋での下積みを経て、エンドール城下町の老人から空き店舗を買い取るというストーリーがある。
トルネコに店を売却した人物は、自身の高齢を理由に店を畳んだらしい。
老人の店には後継者がおらず、店を続けられなかったのだろう。
トルネコにしてみれば、大きな町に念願の店を構えることができたので、渡りに船だったのかもしれない。
その後、彼は勇者とともに世界を救う旅に出てしまうので、店は妻のネネが切り盛りしていくことになる。
現実でも、日本では高齢化による店舗の後継者不足が問題視されている。
中小企業庁が3年に1度行っている「商店街実態調査」では、商店街の抱える問題として「経営者の高齢化による後継者問題」が常に1位となっている。(参照:株式会社CCNグループ「令和3年度商店街実態調査 概要版」)
ただ、店を継いでくれる人がいないと聞いても、「そのお店の人や家族だけの問題じゃないの?」と思う人がいるかもしれない。
だが、実はそう単純な話でもない。
地域に店がなくなることで、交通手段がなく買い物に困る「買い物難民」が増えるという問題や、空き店舗の放置によって治安や景観が悪化するなどの問題が発生しているのである。
空き店舗の増加は、地域の経済と安全に影を落としている。
治安悪化に関してさらに具体的にいえば、空き店舗は、ごみの不法投棄や火事が発生したり、犯罪者の活動拠点に使われたりなど、「外部不経済」と呼ばれるデンジャラスな問題を引き起こす。(参照:国土交通省「空き地・空き家等外部不経済対策について」)
ずっと人の気配がなく、朽ちた建物というのは怖いものだ。
対策として、新たな店舗やサービスなどへの利活用が望まれている。
ドラクエ4の世界は、魔物が増えてきたことで不安を抱えている人が多い。
そんな状況下で、空き家・空き店舗を管理せずに放置しておくと、魔物が住み着いて周辺住民に危害を加えるかもしれない。
廃墟の2階で弓矢を構えるリリパットとか絶対怖い。
とにかく、町の中に人が住み、きちんと管理をして、「魔物につけ入るスキを与えない」ことが大事になってくるだろう。
魔物と戦う武器は、剣や呪文だけではないのである(せいぎのそろばん万歳!)。
空き店舗の利活用により、エンドールに繁盛店を作ったトルネコ夫妻。
彼らの店はきっと、城下町に賑わいと安全をもたらすことだろう。
結論:トルネコとネネは地域に貢献する優れた商人だ。
≪前回のゲームとお店≫
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