#2「サトミタダシの店内BGMに効果は?」~ゲームとお店~
お店:サトミタダシ
登場するゲーム:『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2罪・罰』
提供サービス:回復アイテムを中心とした商品の販売、買取
ペルソナ1~2に登場するドラッグストアチェーン。
本作でシナリオを手掛けた里見直氏の名前を、マツモトキヨシ風にもじったお店である。
「♪ヒットポイント回復するなら~」の店内BGMがとても洗脳的印象的だ。
初代ペルソナが発売された1996年ごろから、日本の大手ドラッグストアは、調剤だけでなく食品や日用雑貨も扱い始めた。
スーパーから客を奪う店を目指したのだ。
そして思惑通り「生活必需品が1か所でそろう」という利便性が奏功。
市場はどんどん大きくなり、現在日本のドラッグストア業界は7兆円規模にまで成長している。
さて、この「サトミタダシ」。
冒頭で店内BGMが印象的だと述べたが、効果はあるのだろうか?
現実世界の店内BGMとしては、ヨドバシカメラなど家電量販店の歌を、私はまず思い浮かべる。
ただ、サトミタダシのように歌詞の中に商品を取り上げているものなら、マックスバリュの方が近いだろうか。
「♪おはようハミガキ 洗いたてのタオル
こんがり焼きたて手作りパンに フライパン」
という歌詞から、同社の品ぞろえの豊富さがうかがえる。
しかし、サトミタダシはもう一歩上を行く。
ここでもう一度歌詞を確認してみよう。
・ヒットポイント回復するなら→傷薬と宝玉で
・瀕死大変仲間を助ける→地返しの玉と反魂香
見事だ。
使用シーン(ヒットポイント回復)と対象商品(傷薬と宝玉)が明確で、顧客の購買行動を促している。
さらに、BGMが顧客に商品のことを教えてくれるので、簡単な問い合わせなど接客時間の短縮につながり、従業員の生産性も高まる。
つまり、販促と接客を兼ねそろえた素晴らしいBGMなのだ。
もちろん「うるさい」という声もあるはず。
ひたすら鳴り続けるので、長時間店内で聞いているとキツイかもしれない。
実際、作中でも「おかしくなりそう」という声があり、必ずしも好意的にとらえられてはいない。
例えば、米ウォルマートは朝の時間帯で試験的にBGMやめた。
(参照:米ウォルマートが店内BGMを毎朝消す理由 | The Wall Street Journal発 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp))
同社は主に感覚過敏の顧客への配慮として、店内BGMや派手な電子公告などを控えている。
店内に流れ続けるBGMに賛否があるのは間違いないだろう。
しかし、店内BGMにしては具体的すぎる歌詞の、その効果は大きいはずだ。
うるさいぐらい流れ、嫌でも覚えてしまうというのは恐ろしい。
結論:サトミタダシの洗脳ソングは、どういうときに何を買えばよいかが顧客にインプットされるので、販促&接客手段としての効果がある!
≪前回のゲームとお店≫
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?