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ゲームとことば#101「ただし○発しか無い 仕損じるんじゃないぞ!!」

プレイヤーの腕次第で、ラストの緊張感が変わるセリフ。

スーパーファミコンの『ウルトラマン』は、初代ウルトラマンを動かして怪獣・宇宙人と戦う夢を叶えさせてくれたゲームだ。
ソフビ人形を使ったウルトラマンごっこの豪華版。幼少期の私は本作にそのような印象を持っていた。
特に感動したのはグラフィックだった。
足元の草木がウルトラマンの手前に、ビル群は奥に表示されているのを見て「画面が立体的だ!」「本物(?)みたい!」と思ったのを、30年以上たった今でもよく覚えている。

そんなSFC版『ウルトラマン』のラスボス「ゼットン」戦は、原作通りウルトラマンのスペシウム光線が跳ね返されるという衝撃の展開を迎える。
正義のヒーロー、ウルトラマンがゆっくりと倒れる姿は、リアルタイム世代ではない私にも印象深い。
このままどうなってしうまうの?と不安になっていると、岩本博士が「ペンシル爆弾」を取り出す。意気揚々とドラえもんみたいに手に取って掲げる。
その時の博士のセリフが、表題のことばだ。

ペンシル爆弾とは博士が開発した兵器で、対ゼットン戦の切り札だ。
ウルトラマンが勝てなかった最強の怪獣を、たった1発命中させるだけで爆発させられるチート兵器。
ゲームでは、それまでの2D格闘から画面が切り替わり、フラフラと動き回るゼットンに、プレイヤーが一人称視点で狙いを定めて発射する。(この逃げ回るゼットンが滑稽。ドッジボールの生き残るやつみたい)
セリフの「○」の部分はウルトラマンの残機+1の数値が入るので、上手なプレイヤーは弾数が6発とか7発とかになるのだ。
私はというと、ブルトンやらジェロニモンやらに苦戦し、残機を減らしまくって結局2発程度しか残っていない、ということが多かった。
つまり、最後の切り札の数はゲームの腕次第なのであるが、こういう場面は緊張感が大事だ。
残段数がなく、チャンスが限られているとドラマチックになるから、ヘタクソな私はいつもこのシーンを迎えるたびにハラハラしていた。
それにしても、プレイの上手い下手で難易度が変わる仕様というのも、私にとってはこのゲームが初めてだったように思う。
原作通り1発のみにする案もあっただろうが、プレイヤーの頑張りひとつで状況が変わるというのもゲームの面白いところ。

ちなみにこのゲームの戦闘のセオリーは「ジャンプキック」だ。
上からチクチクと、貧乏くさいライダーキックを繰り返すのが必勝法。ウルトラマンのくせに。
そして、ワープでよけまくるブルトンに腹を立てるまでがお決まりだ。

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