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「時間泥棒」完結済み 全16話

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平和な僕らの町で、ある日、イエローバスが衝突するという事故が起こった。ライオン公園で撮った覚えのない五人の写真を見つけた千斗たちは、意味ありげに逃げる白猫を追いかけて商店街まで行…
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#商店街

「時間泥棒」第一話

「時間泥棒」第一話

第一章動かない猫

「いってきまーす!」
 スニーカーを履いて玄関から飛び出すと、四月の風が頬をなでる。通いなれた道を歩いて今年で六年目。満開まであと少しの桜と日差しが、気持ちいい。
 急にぽかぽかしてきた陽気のせいなのか、ベンチで眠りこけてるお年寄りや、バスが来てるのにぼーっと立ち尽くしているスーツ服のお姉さんなんかで目白押しだ。
 大人になると忙しすぎて、みんな疲れちゃうのかな。
 そんなこと

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「時間泥棒」第三話

「時間泥棒」第三話

第三章魚海町シーサイド商店街

 タイムカプセルらしき銀色の球を掘り出した場所から数十メートル先には、じっと座ったままの白猫が、まだこちらを見つめていた。
「不思議な猫だなー。ボクたち初めて見るのに、前にも見た気がするなんて」
 白猫を見ながらマルコがつぶやくと、ミチルが言った。
「わたしはなんだか、今日って日が始まったときから、ずっと不思議な気分がしてるわ」
 相変わらず逃げようとしない白猫を眺

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「時間泥棒」第十六話(最終話)

「時間泥棒」第十六話(最終話)

第十二章五人の写真

「さて、じゃああんたたち、一体どんな料理が作れるの?」
 紅葉がみんなの顔を眺め回す。ジョージはサラダ中心のヘルシーメニュー。僕は和え物中心のお年寄り受けメニュー。紅葉はおかずの概念を無視したご飯物オンリーのセット。マルコにいたっては、食べたい料理の名前をあげているだけ。
「いやぁ……ハッハッハ。予想はしてたけど、このDグループは絶望的だな⁉ いっそピザでも注文しようぜ」
 

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