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「ホテルエデン」連載中

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愛猫の「楓」を亡くし、泣き暮らす千里は暗闇のなか目覚めた。そこには黒髪の少女アケルと仮面の総支配人ケルビムがいた。そこはホテルエデンの東館。なぜそこにいるかもわからぬまま、ケルビ…
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#廊下

「ホテルエデン」第一話

「ホテルエデン」第一話

プロローグ
 白い光に目が眩む。この光は外からやってくるものなのか、内からやってくるものなのか……。破裂するほどの痛みに発する声は他人のものようにぼんやりと響く。
「まだですよ! まだいきまないで!」
 助産婦の手に汗が光り、私の顔を布のようなもので拭いている。
 そうだここは処置室……。白い処置室……。
 何度も訪れる無意識の狭間に、意識を失いかけるほどの激痛が私を呼び覚ます。
 今、ひとつの新

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「ホテルエデン」第二話

「ホテルエデン」第二話

第一章「美しい変化」

(1)

[一年前――]

 私は、長年ともに暮らした愛猫を失い、その傷が癒えぬままに毎日を過ごしていた。
 私と愛猫の「楓」は、まさに親子であり姉妹だった。
 夫、貴之との付き合いよりも遥かに長い――そんな愛する娘であり、妹でもある楓との生活も、限りある命の時間には勝てず、その輝かしく喜びに溢れた日々の思い出だけを残し、私たちはついに離れ離れになってしまった。
 半身を失

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「ホテルエデン」第五話

「ホテルエデン」第五話

美しい変化
(4)

「できたぁ!」
 アケルが仁王立ちで得意気にお面を両手で掲げる。
 出来上がったそのお面は、サイケデリックを通り越して、芸術家がなにかを爆発させた感じの出来映えだった。
「ん!」
 仕上がったばかりのお花畑全開のお面を差し出すと、仮面の男はそれを嬉しそうに受け取った。
「素晴らしい! さすがアケル様! わたくしのような者のために貴女の芸術の技を使って頂き、感謝の言葉もございま

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