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    抽選で当たった森田芳光監督作品Blu-rayボックスを観て感想を書いていくシリーズ。

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ニコニコ雑記:デ・パルマのユーモアに思いを馳せる「悪魔のシスター」

そんなに思い入れの強い作品では無かったが、最も好きで影響を受けた映画監督の1人がブライアン・デ・パルマなので、やっぱり劇場で観ておいた方が良いなと思い、「悪魔のシスター」のリバイバル上映を観に行った。 TV番組での共演をきっかけに一夜を共にしたフィリップとダニエル。女には嫉妬深く精神的に不安定な双子の妹ドミニクがいるらしく、朝から「てめえ男連れ込みやがって!」と怒鳴られウンザリ。今日は2人の誕生日だというのに!そこで気を利かせたのがナイスガイなフィリップ。ダニエルに頼

    • ニコニコ雑記:ダメ人間(しかも殺人鬼)の生活記「ドリラー・キラー」

      首都圏やら大都市の方では同じアベル・フェラーラの未DVD化作品「天使の復讐」が劇場で上映されているみたいですが、まあ地方民には縁のない話(「バッド・ルーテナント」リバイバルはあるので、行こうと思ってるけど)、ということで、去年買った「ドリラー・キラー」のBlu-rayを観ました。こどもの日の夜中に! フェラーラ自身が演じる主人公リノは売れない画家。「俺は傑作を描いてるってのに、金は無え!女はうるせえ!隣の部屋のバンド演奏もうるせえ!画商は偉そう!全員死ね!!」と悶々鬱屈

      • ニコニコ雑記:「ラヴィット!」雑感①無害(?)なおじさんたちがじゃれ合うだけで楽しい「ビビる大木のレトロ放浪記」

        5月という人々のやる気が最も削がれる時期に青天の霹靂のように突如始まった、シリーズ“ニコニコ雑記”。せっかくnoteダウンロードしたんだし、あんまり意気込まずに定期的に短めの記事を書いていければ良いかなって……。 唐突ですが、TBSの朝の情報番組「ラヴィット!」が大好きなんですよ。観られる朝は必ず観てます。なので、次第に推しコーナーとか推しロケも決まってきたり、それぞれのロケの特色の違いを楽しめるようになってきたり……。映画のことしか書いてなかったnoteですが、そろそ

        • 2023年映画私的事情&ベストテン

          早いもんですね。 という昨年のベストテン記事と同じ書き出しから始めてみましたが、本当にあっという間です。昨年の日々が昨日のことのようです。嘘です。 2023年は60本もの新作映画を劇場で鑑賞しました。昨年からその気はありましたが、もう一つの趣味である読書への熱が今年はほとんど冷めてしまったため、趣味にお金を使うのも映画館代かソフト代という感じになっており、本格的に映画狂の獣道を進んでいる気がします。なんか、本読んでる方が偉い感じがするから、本読みたいけどまるでやる気起き

        ニコニコ雑記:デ・パルマのユーモアに思いを馳せる「悪魔のシスター」

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        • 森田芳光全映画フルマラソン
          10本

        記事

          2023/2月活動報告(「仕掛人・藤枝梅安」「別れる決心」「レジェンド&バタフライ」「終末の探偵」「イニシェリン島の精霊」「バビロン(2022)」「ブリーダー(1999)」「はたらかないで、たらふく食べたい」今月のワースト「Sin Clock」)

          映画以外に話すことはまあ本とかお笑いの事とか……しょうがないですね。 2月は我ながらよく映画を観ました。観たい作品が重なっていたのもあるし、アカデミー賞も近づいてきてビッグネームの監督作が続々と(3月も)公開されていったというのもあり、セコセコと劇場へ足を運んでいたわけです。 個人的な話をすると、筆者はいわゆる"引きこもり”と呼ばれるような人間で、ただいま福祉の世話になりながら社会人になるための訓練を受けつつ通信制大学の単位を取る、それ以外は日がなダラダラしてる暮らしを

          2023/2月活動報告(「仕掛人・藤枝梅安」「別れる決心」「レジェンド&バタフライ」「終末の探偵」「イニシェリン島の精霊」「バビロン(2022)」「ブリーダー(1999)」「はたらかないで、たらふく食べたい」今月のワースト「Sin Clock」)

          2023/1月報告書(「やまぶき」、「バビロン(1980)」、「マッドゴッド」、「ノースマン」/ヤクザ映画小祭り、「サバービコン」「XYZマーダーズ」、「レポマン」「ヴェンジェンス 最後の復讐」)

          森田芳光監督作を全作レビューしていくnoteを今までやってきたわけですが、現在完全に座礁しています。せっかくインストールしたこのアプリが勿体ない!ということで、手軽にできるブログ的なものをやることにしてみました。果たして来月まで続けられるのか!?という早すぎる不安と無さすぎる自信はさておき、2023年1月に観た映画を振り返って行きたいと思います。 新作編 今年に入ってからは映画館で4本の作品を観ました。「ノースマン」以外は昨年公開作で、「バビロン」に至っては1980年の作

          2023/1月報告書(「やまぶき」、「バビロン(1980)」、「マッドゴッド」、「ノースマン」/ヤクザ映画小祭り、「サバービコン」「XYZマーダーズ」、「レポマン」「ヴェンジェンス 最後の復讐」)

          2022年私的映画事情&ベスト10

          早いもんですね。 今年観た映画のベスト10や劇場で観た新作映画の個人的まとめ、良かった旧作などを書きます。 2021年は劇場で57本観て、いい作品にも色々出会ったんですが、ベスト10を考える上で軸になるような衝撃作がなかったこともあり(2~10位の作品が数本という印象)、あえてベスト10は作りませんでしたね。映画を好きになって毎年ベストテンを考え楽しんでいた身としては少し悲しかった昨年ですが、「ベスト10は軸=“譲れねぇ俺のNo.1”が大事」 という学びは得られた、

          2022年私的映画事情&ベスト10

          森田芳光全映画フルマラソン⑪「愛と平成の色男」──グルーヴィー!パロディー!バブリー!!

          "石田純一が"、"プレイボーイの役を演じる"、"1989年の映画"というだけで、その時代の浮かれ具合を感じずにはいられないのが本作、「愛と平成の色男」。実際はバブル崩壊直前、石田純一も不倫文化野郎のレッテルが貼られる前に作られた作品だが(石田に対し真面目な印象を抱いていた森田芳光が、あえて逆の役を演じてもらおうではないかとキャスティングしたのだそう。今ではただのタイプキャスト。)、バブル未経験,Z世代ど真ん中の自分からすると、当時のバブル風俗・時代の空気を感じられる映画だっ

          森田芳光全映画フルマラソン⑪「愛と平成の色男」──グルーヴィー!パロディー!バブリー!!

          森田芳光全映画フルマラソン⑩「悲しい色やねん」──シュールでほろ苦い、異色のヤクザ映画

          「悲しい色やねん」は、森田芳光のフィルモグラフィー唯一のヤクザ映画である。この頃(本作は1988年公開)のヤクザ映画を調べれば、「鬼龍院花子の生涯」や「極道の妻たち」など女性の情念を激しい濡れ場や乱闘シーンで表現した五社英雄が活躍した時代であることが分かる。五社とは正反対の作家性の森田は、そんな中でどのようなヤクザ映画を手掛けたのか? あらすじ(「森田芳光全映画」より引用) 夕張トオル(仲村トオル)は大阪のヤクザ・夕張組組長の一人息子だが、家業を継がず銀行員として働い

          森田芳光全映画フルマラソン⑩「悲しい色やねん」──シュールでほろ苦い、異色のヤクザ映画

          森田芳光映画フルマラソン⑨:「そろばんずく」──やってやって、やりまくりの広告業界コメデ ィ

          まず始めに──「そろばんずく」は"幻の作品"? 「森田芳光全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray box」に(の・ようなもの)と入っているのは、今回取り上げる「そろばんずく」が収録されていないからである。書籍「森田芳光全映画」共著者の宇多丸のラジオでの発言や書籍収録のスチール写真などから分析するに、どうも本作の主演、とんねるずの二人及びヒロインの安田成美側からの版権許諾がおりなかったらしい。 ならば本作は、たとえば井筒和幸監督作「ガキ帝国 悪たれ戦争」

          森田芳光映画フルマラソン⑨:「そろばんずく」──やってやって、やりまくりの広告業界コメデ ィ

          森田芳光全映画フルマラソン⑧:「それから」──森田芳光の新境地と映画史の"それから"

          「家族ゲーム」で意気投合し、それぞれ高い評価を得た森田芳光と松田優作。「家族ゲーム」から2年後、再びタッグを組んだ二人が挑んだのが、兼ねてから森田芳光が映画化を望んでいた、文豪夏目漱石の「それから」。本作で再びキネマ旬報ベスト・テン第一位を獲得、その他映画賞も総なめした森田芳光は、名実共に「若き巨匠」(当時35歳)へとステップアップを果たした。 あらすじ 高等遊民を自認する長井代助(松田優作)は、青年期からの親友平岡(小林薫)と現在は彼の妻である三千代(藤谷美和子)と

          森田芳光全映画フルマラソン⑧:「それから」──森田芳光の新境地と映画史の"それから"

          森田芳光全映画フルマラソン⑦:「メイン・テーマ」──技術と遊び心のマジックボックス

          「家族ゲーム」、「ときめきに死す」とダークな色の強い作品が続いた中で、森田芳光が次に撮ったのは、80年代日本映画を代表するプロデューサー角川春樹製作、人気アイドル薬師丸ひろ子主演の「メイン・テーマ」。予算もこれまでの森田作品と比べ格段に上がり、浜松、大阪、神戸、沖縄と一大ロケを敢行、併映の「愛情物語」と共に大ヒットを記録した。 あらすじ 幼稚園の先生だった小笠原しぶき(薬師丸ひろ子)は、些細なことで仕事をやめざるを得なくなった。4WDで全国をマジック修行している大東島健

          森田芳光全映画フルマラソン⑦:「メイン・テーマ」──技術と遊び心のマジックボックス

          森田芳光全映画フルマラソン⑥:「ときめきに死す」──涼やかな緑の地獄

          それまでのコミカルでスタイリッシュな手法で描かれた青春劇から様相を変え、全編に厭な緊張感が張り詰めたブラックコメディの傑作「家族ゲーム」は、1983年の日本映画界を席巻し、名実共に森田芳光の代表作となった。その「家族ゲーム」完成直後、沢田研二主演の企画として監督の元へやって来た本作「ときめきに死す」は、公開時こそあまり高い評価を得ることは出来なかったものの、岩井俊二、細田守、菊地成孔、そして「森田芳光全映画」共著者のライムスター宇多丸など、多数の著名人も含む一部の観客に熱狂

          森田芳光全映画フルマラソン⑥:「ときめきに死す」──涼やかな緑の地獄

          森田芳光全映画フルマラソン⑤:「家族ゲーム」──過渡期についての観察劇、そして松田優作。

          ロマンポルノ二作を監督し、カメラの動かし方、セットの使い方など職業監督としての技術を習得した森田芳光。その次に控えていた本間洋平による同名小説の映画化「家族ゲーム」は、「の・ようなもの」から続いていた明るく牧歌的な青春映画路線とは異なる、時代の変容を独特のタッチで表現した気味の悪いホームドラマを完成させ、80年代を代表する日本映画の名作となった。 あらすじ 中学3年生の沼田茂之(宮川一朗太)は高校受験を控えているが、受験勉強への熱意はなく、何人も家庭教師が辞めてきた

          森田芳光全映画フルマラソン⑤:「家族ゲーム」──過渡期についての観察劇、そして松田優作。

          カウボーイたちの最後──「イエローストーン」シーズン1

          西部劇は強い。 それはアメリカの伝統的なジャンルでありながら、時代を越えて、今語るべき物語を様々な作家が見出だし常に進化を続けてきた、時代の写し鏡のようなジャンルでもある。また、神話的な要素を持つこのジャンルは他ジャンルにも強い影響を与えている。なので、例え西部開拓時代のアメリカを舞台にした作品でなくても、そこから西部劇を感じとることも出来る。 2018年からスタートし、今年ようやく日本上陸を果たした「イエローストーン」は、現代西部劇作家の雄テイラー・シェリダンが制

          カウボーイたちの最後──「イエローストーン」シーズン1

          森田芳光全映画フルマラソン③④:「(本)噂のストリッパー」「ピンクカット 太く愛して深く愛して」──森田流ロマンポルノ2本立て

          シブがき隊主演「ボーイズ&ガールズ」撮影後、間髪入れずに撮られたのが映画史に一時代を築いたにっかつロマンポルノとして制作された「(本)噂のストリッパー」。本作がにっかつ重役からも好評をはくし、続けざまに制作された「ピンクカット 太く愛して深く愛して」。 ロマンポルノというと、数本しか観たことがないけれど、"うらぶれた男女がやるせなく情事を重ね……"というような、泥臭さや場末感が独特の味になっているジャンル、というイメージが個人的には強い。都会的で洗練されているという真逆の

          森田芳光全映画フルマラソン③④:「(本)噂のストリッパー」「ピンクカット 太く愛して深く愛して」──森田流ロマンポルノ2本立て