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ガンになった私が、言われて嬉しかった言葉

私は40代後半。数年前に乳がんに罹患し、現在は女性ホルモン阻害剤を飲みつつ、たまの定期検診に通う者です。

ガンなどの病を患う人に、言葉を掛けるのって難しいですよね。
特に若ければ若いほどに、罹患している人の割合も低いですから、言葉に迷います。

相手のキャラクターや病状にもよるのでしょうが、ガン経験者の私自身でも、果たして病気の相手にうまい言葉を掛けられるのか、自信はありません。

そもそも「絶対に相手を傷つけない、正しい言葉」なんて、存在しないのかもしれませんよね。
結局、言葉なんてものは、同じフレーズでも「誰から言われたか」で受け手の気持ちが変わったりするものですし、まったく同じフレーズを言われて「励まされる人」と「傷つく人」がいたりします。「励まされること自体がみじめになる」なんて方もいらっしゃるかもしれませんしね……

なので、これからご紹介する「嬉しかった言葉」は、あくまでも私個人のものですが、乳がん闘病中に人から言われた言葉で「印象に残っている嬉しかった言葉」をいくつかご紹介したいと思います。

ちなみに私が、友人に乳がんであることを打ち明けたのは、手術後、数日経った病院内でのこと。数人にメールをしました。
術後に、一年間の抗がん剤治療が予定されていたので、「しばらく会えません」という通知代わりにも、伝えておこうと思ったわけです。

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【私が嬉しかった言葉・励まされた言葉】

◆友人からのメール
「アサ(私)の、頑張ろうとしている気持ちを、応援しているね」

これは、私が「これから抗がん剤が始まるから、なんとか頑張るわ」というようなメールに対しての返信です。

この友人は、「頑張ってね」ではなく「頑張ろうとしている私を、応援している」という言葉を送ってくれました。これは、誰かを励ましたり、応援したりする際の「プレッシャーにならない励まし方」なんだそうですね。

教科書通りの言葉だと分かっても尚、まず彼女がそのことを知っていたこと、そして私に配慮してくれたその心遣いが嬉しかった。
「治療、頑張ってね」と言われても傷つきはしなかったでしょうが、より嬉しく印象に残ったのがこのフレーズでした。

◆友人からのメール「今日は、抗がん剤の日だったよね」
抗がん剤が週一だと決まっていて、その曜日を覚えていてくれた友人。抗がん剤の日の朝、ブルーな気分で病院に向かい、待合室で待っていたタイミングにきたこのメール。
覚えていてくれたことがありがたく、また着信のタイミングもベスト。気遣いを感じ、とても嬉しかった。すぐに返信しました。


◆友人のメール「すげー頑張ってる!!」

これはお正月の挨拶メールで、少し遅れて乳がんのことを知らせた友人からもらったメールです。新年の挨拶とともに、私の状況をお知らせし、手術や抗がん剤治療のことを伝えると、とてつもない長いメールを返してくれました。
その中の一文です。
手術や治療、頑張ったんだね。いや、今も続いているわけだから、現在進行形で、すげー頑張ってる!!」
「頑張ってね」じゃなくて「頑張ってる!!」って言われた。「そうか、私、頑張れてるんだ」と思えて、嬉しかったです。
そして「すげー」というフランクな言葉にも、私は心遣いを感じました。

友人からのメール
「抗がん剤が終わって落ち着いたら絶対会おう。有給とってでも会いに行くから連絡ちょうだい」

仕事を休んででも会おうと言ってくれた友人。そんな一言が嬉しく、ありがたかったです。コロナでズレズレにはなってしまいましたが、その後、この友人とも再会しました。

◆夫の言葉「泣きたいときは、泣いたらいいんだ」
乳がん発覚当時、毎日私が泣いている中で、掛けてくれた言葉。「泣いてばかりでごめんね」という私に、夫が言ってくれた言葉です。「泣いてもいいんだ」とすごく慰められましたし、悲しみを存分に吐き出させてもらえたことが、私の心の回復を早めたと思います。
夫さん、大変だっただろうなぁ……今でも、時々思い出しては「あの時、ありがとう」と言います。(時々忘れて、大喧嘩するけど(笑))

◆夫の言葉「もしものことがあったら、一緒に死ぬから大丈夫」
同じく夫からの言葉。「死ぬのが怖い」と言って泣いていた私に言ってくれた言葉です。「この歳まで生きられたから、俺も人生が終わっても構わない。もしものことがあったら、苦しまずに逝ける方法を考えるから」と言いました。
この人は、本当にそうするんだろうなと思えたから、余計に泣けました。
そんな風に思ってくれたことだけで有難かった、一生忘れません。

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ガンになると、一人の患者につき、1000人の誰かにお世話になっているんだと、どこかで聞いたことがあります。病院内で、直接私に関わっている人だけじゃなく、もっと間接的に関わっている人も含めると、1000人もの人数になるのだそうです。
もしかしたら、これを読んでいるあなたが、私に対し、間接的になんらかのお世話をしてくれた人かもしれません。ありがとう。

さて、「言われて嬉しかった言葉」をいくつか書いてみましたが、「言われてモヤモヤした言葉」「腹が立った言葉」も、もちろんあるんだよなーーー(笑)

筆が進みそう(笑)


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