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繋がりの深さと広さ、どっちを取る?


私は、コロンビアの教室で中学生に授業をしていた。
日本の、自宅の机に向かって。

日本時間23時。

始まりは、ある日届いた一人の先生からのメッセージ。

「コロンビアの生徒に、何か紹介してくれない?」

「いいよ」

私は二つ返事で答えた。提案を聞いてからここまでたったの5分。

・日本について、なんでもよし
・日本時間23時から


それだけ伝えられた。

実はゲストスピーカーとして海外の教室にお邪魔するのはベトナム、スペインに続いて3回目。

大枠となるプレゼン用のスライドはあるけど、もっと楽しくできないかな。

そして思いついたのが、画面シェアをしながらリアルタイムで生徒の名前を日本語で書くこと。

このアイデアが舞い降りてきたのはプレゼン開始の15分前。
少しだけスライドを付けたし、先生にも提案すると、のりのり。

「めちゃくちゃいいじゃん、ていうか僕の名前も書いてよ」

「ウィリアム」とメッセージに打ち込み送るとすごく喜んでくれた。


そんなこんなで授業の時間が開始。
生徒は全員自宅からオンラインで参加、総勢50名ほどが集まった。


「日本の国旗、知ってる?」

「国旗の色や形にどんな意味があるか知ってる?」

「コロンビアと日本、どっちが面積大きいと思う?」

スライドを見せながら質問をすると元気に答えてくれる。

生徒の名前を日本語で書く時間も、みんな喜んでくれた。
スクリーンショットをしてプレゼントしてあげたらよかったかな。


日本の食文化、富士山、東京の人込みなどについて「これって本当なの?」という答え合わせのような質問が多かった。

事前に調べて準備してくれていることに感動したと同時に、まだまだ日本はネットでいくら情報が手に入るとはいえ、彼らにとって「遠い国」なのだと感じた。


最後に、先生から逆に質問。
「日本人にとって、人生の成功や幸せってなに?」

私は一日本人として答えて良いのか迷ったが、正直に自分が感じたことを伝えた。

「友達、家族、知り合いとの繋がりの中で生きることが幸せなんじゃないかな」


終了時間が迫っていたこともあり、熟考する間もなく答えたが、ぱっと思いついたからこそこれが私の本音なのだろう。


繋がりとは、単なる人間の数じゃない。

1万人の、顔も声も知らない人と繋がっても私はきっと嬉しくない。
3人の、心から信頼し尊敬し合える人がいれば私は幸せだろう。

同時に、3人のような繋がりを1万人まで増やすことは可能なのだろうか。

一人と一人、どこまでいっても人として向き合いたい


海外のいろいろな先生とお話したり、繋がることが増えているこのごろ。
繋がった方がなんと学校の校長先生や創設者だった、なんて後から知ることもある。


私のほうが経験も知識もまだまだなのに、一人の人間として努力や行動を認めてくれ、対等に接してくださる方ばかりなのは本当に恵まれている。


校長先生だから、リーダーだから、なんて目でジャッジしなくて済むのは、相手の私に対する真摯な姿勢があるからだろう。


世界に友達を作り、友達を繋げる。

もっとその繋がりを深く、広く、平和に伸ばしていきたい。


自宅から世界中の国や地域の教室にお邪魔する、新しい楽しみができた。


↓宣言、してみた


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