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喫茶と散歩 『きっさんぽ』Vol.2 【北区十条 編】3時のおやつは何ですか?ノスタルジーは永遠に。


皆さんは3時のおやつ、何を食べますか?


こんにちは
インスタよりも街を面白く伝える、たつなりです。

3時のおやつ
チーズケーキ、パフェ、ティラミス etc…

スイーツなんてあげればきりがないですが
私の絶対王者はプリンです。
そう、おじゃる丸が大好きなあれです。


魅惑の黄色いお山型のプディングに
苦みを含んだ艶やかなカラメル
こんもり盛られた生クリームと
存在感抜群のさくらんぼ

あれらがセットで喫茶店のプリン
そんな気がします。(異論は認める)

書いてたら食べたくなってしまいました。
これを書いてる現在夜の11時。
自爆飯テロです。

とはいえ今からコンビニに行く元気はないので、とりえず友達からもらったスタバのインスタントコーヒーで自分をごまかします。

桜のマグとコーヒー

今回は喫茶店で食べた3時のおやつプリンと
その喫茶店がある北区十条を散歩したので
書いていきます。


1.十条のイメージ

遊びに行くのに十条というと

「え、北区十条?」

割とそういう反応をされます。

北区のイメージといえばどんなものを思い浮かべますか?

お酒好きなおじさん、おばさんがいる
アウトローな酒飲み達の街

飲み屋街のイメージ

そんなイメージを抱く方が多いてのではないでしょうか。

だが言いたい。

十条には上野や巣鴨に似た情緒あふれる魅力が隠れているのだ、

と。

少し前、巣鴨はおばあちゃんの街として脚光を浴びた後、今では若者が遊びに来ることも多くなっています。

商店街の賑わいはもう年配の方の温かさだけにとどまりません。

そんな十条を歩いてみるとやっぱり面白い。

今回の舞台は十条銀座商店街が広がる
駅の西側。

そういえばなんで地域の商店街には
日暮里の『谷中銀座商店街』や
戸越の『戸越銀座商店街』のように
『銀座』ってつくとこが多いんでしょうか。

2.活気あふれるレトロな商店街

商店街の様子

駅を降りるとすぐ目の前に商店街。
駅から1分もかからないので遊び歩くには最高です。

アーケード型の商店街は北に約400m程伸びており、焼き鳥屋さんや、カレー屋さん
喫茶店に、ドラッグストア、お花屋さんなどが
軒を連ねています。

おじいちゃんおばあちゃんから家族連れ
地元の学生まで沢山の人々で賑わう商店街。

友達と歩いていると、店先で焼かれる焼き鳥や
揚げたてのメンチカツのにニオイに何度も足を止めそうになり
「この後喫茶が待っているんだ」
と2人で戒めて通り過ぎていきました。

商店街は誘惑がいっぱい。

十条銀座商店街はアーケード型の2階建て。
商店街や街角の2階というのは結構穴場で、
休憩したい時、作業をしたい時、ちょっと時間を潰したい時、そんな時に利用しやすい喫茶やカフェが隠れています。

十条でおすすめの1つが『喫茶 梅ノ木』

店内からみた梅ノ木の看板、なんともレトロ
店内の様子

シャンデリア風の明かりが照らす店内は
大理石調のテーブルと緑がたくさんでいかにも昔ながらのレトロ喫茶という感じですが、WiFi完備で作業もしやすいという利便性。

作業カフェ×純喫茶

水と油のような2つの要素が見事に同居しています。パスタソースもマヨネーズも水と油が綺麗に混じって美味しい味になります。
喫茶店界のマヨネーズ(勝手に命名)

ここのおすすめは
『クレームブリュレ』

クレームブリュレ

「また、プリン系か」
という声も聞こえてきますが美味しいので
推させてください。

パリッと表面の甘いキャラメリゼされた部分と
トロっとした甘さ控えめカスタードが魅力的。ドリンクとセットでリーズナブルなので
オススメ。

後悔させません。

ここの商店街の特徴は
『看板』
歩いていてそう思いました。

商店街の看板

商店街を見上げると、2階に出店するお店たちは皆同じ正方形の看板。
ネオンが灯るその四角いキャンバスには
それぞれのお店の個性が詰まっていて
アートを見ているかのようなそんな感覚で
ワクワクします。

お店が密集する2階建て、店側に突き出した小さく四角い看板は歩行者に見えやすい工夫。
2階建て商店街ならではの光景です。

カラーコピー

こちらはカラーコピーの看板。店前色とりどりのペットボトルのキャップ。
確かにカラーコピーです。

楽しそうに音楽を聴くノリノリのお猿さん
狩りの前なのか、鋭い目線の招き猫

さらに奥を見ると招き猫や音楽を聴いているお猿さんも。

「情報量多っ」

友達と2人で笑い合いました。

商店街をぬけ住宅街。
こちらは一昔前の住宅街の雰囲気が残っています。

井戸

井戸があるのに内心嬉しくなったりました。

黒猫さん

ふと前をみると地域のパトロール中の
黒猫さんがいました。

人がいても悠々自適、ゆったり歩く様は

「私の庭よ」

という風格すらあります。

そんな感じで十条は古い時代の温かさとレトロな時間が残る街。

3.ジブリ感たっぷり喫茶深海

時刻は15時。待ちに待ったおやつ時間。

外観の様子

喫茶深海さんにやってきました。
大きな看板は『十條湯』の文字

そうここは銭湯の中に併設された喫茶店なのです。

入口の看板

『いらっしゃいませ』の看板のネオンが光る。

お席はキッチン側が4席
それぞれカウンターが5席の計9席。
キッチン側はTHE喫茶店のカウンター
窓側はドライフラワーや緑、可愛い小物であふれ、どこかジブリめいた雰囲気。
ちょうど季節のミモザがありました。

店内の様子
窓際

壁には大きな古時計、窓際のサイフォンを加工したインテリアが「小さな惑星みたいだなぁ」とうっとりしているとメイガニと目が合いました。やっぱりジブリ世界に迷い込んだようです。

サイフォンのインテリアとメイガニ

メイガニなんて幻でしょ、と言われたら
『嘘じゃないもん、メイガニいたもん!』
と言ってやります。

ちなみにメイガニとはどんぐり共和国でのみ
入手可能なちょっとレアなマスコット。
種類が幾つかあるようです。
ウキウキ顔で友達が教えてくれました。


いよいよ、海中模様のメニュー表を開き
いざ喫茶深海へダイブ。
よく見ると窓際の机はグレート青が混じったような色で水面のような模様、お店のこだわりが垣間見えます。

レトロポップなメニュー


お魚の代わりにおいしそうなおやつの写真や
レトロポップなイラストが沢山。
オジナリティにあふれるメニュー表も喫茶店の魅力の一つ。
あれこれ言いながら友達と選ぶ時間も楽しいです。

メニュー選び、優柔不断で待たせて迷惑掛けてしまうことが過去多かったので、
メニュー選びで絶対後悔しないあるルールを作りました。

それは

『一番最初にときめいたものを頼む』

です。

そうして絶対王者プリンの相棒に選ばれたのは

「コーヒー牛乳」

カフェオレではなく「コーヒー牛乳」というのがポイントです。

注文は入口の券売機で発券してから注文するスタイル。銭湯の入浴券も同じです。

冷蔵庫

注文すると
「入口の冷蔵庫から瓶牛乳をとってお待ちください」
と店員さん。たくさん喫茶を巡ってきましたがこれは初めてのパターン。

ワクワク!

瓶牛乳と言えば2024年の3月末をもって森永乳業が瓶製品の販売を終了。95年の歴史に幕が下ります。

もうお風呂上りにあの瓶牛乳をグイっと煽れないと思うと少し寂しい気持ち。

推しは推せるときに推せ。


到着を待っていると、続々と地元のおじさんや子供連れ、おじいちゃんおばあちゃんたちが銭湯にやってきます。ここが愛されているんだなぁと実感。喫茶も16時くらいには満席になったので開店直後がおすすめかもしれません。


4.それぞれの3時のおやつ

コーヒー牛乳
プリンとゼリー

そうこうしているとやって来ましたおやつ達。

私はコーヒー牛乳とプリン、友達はアイスティーとゼリーを注文。
コーヒー牛乳はグラスに細かな氷が沢山。
どうやらここに瓶牛乳を注いでいくようです。

プリンはTHE喫茶のプリン。
さくらんぼの直立具合が面白いです。

友達が頼んだゼリーは喫茶深海の代名詞ともいえる、サファイアのような煌めく青いゼリー。
午後の日差しが反射してキラキラ
2人揃ってつい、うっとりしました。

手早く写真を撮って、いざ実食。

先ほどのグラスに牛乳を注ぎ、
不思議な形のスプーン(?)で混ぜたら
まずは一口。ミルク感たっぷりです。

プリンはかり固めクラシックタイプ。
鮮やかなカスタード色のプリンにかかったカラメルと、たっぷりの生クリームを一緒にすくって頬張れば、至福。
嫌なことは綺麗さっぱりバイバイキンです。

友達とあれこれしゃべりながらコーヒー牛乳を飲んで気づきました。
「薄まってない、むしろちょうどいいぞ」
と。

コーヒー色に染まる牛乳

先ほどの細かい氷の正体、珈琲を固めたものだったのです。
友達と楽しく話していても最後までおいしく、むしろ最後がよりおいしく飲める
素敵なコーヒー牛乳なのです。

5.喫茶時間、ノスタルジーは永遠に

大きな振り子時計

美味しいおやつを食べながら、友達とあれこれ話して喫茶時間を満喫。
気づけば1時間以上も経っていました。
喫茶店にいるといつも時間を忘れます。

そんなレトロな喫茶深海。
私は昔からある地元に根付いた場所、そう思っていたのですが、実は3年前、銭湯をリニューアルした際に休憩スペースを改装して作った
実は新しい喫茶なのです。

名前の由来は女湯の壁のタイルが、海中で魚が泳いでいる壁画(よく富士の絵を思い浮かべるあの壁です)であることから深海と命名したとのこと。

新しい場所なのにどうしてこんなにも
ノルタルジックな気持ちになるのでしょうか。


喫茶店の魅力は老若男女、誰でも来やすい雰囲気とこだわりの詰まった店内。

ある時私の行きつけの喫茶店のマスターも
「カウンターでお客さんとおしゃべりできる
そんなお店を目指している」
と言っていたのを思い出します。


ここ喫茶深海もおじいちゃんおばあちゃん、
カップル、おひとり様までそれぞれが思い思いの時間を過ごしに来ていました。


ノスタルジー(nostalgy)とは英語で、
過去や思い出、時間に思いを馳せ、懐かしむ
という意味。


ずっと通う地元の常連さんと店員さんによる
暖かな雰囲気や、マスターのこだわりや思いが反映された個性的な内装などが、普段と違う雰囲気をつくり、時間を忘れさせ、誰でも気兼ねなくゆっくり過ごせるのだと思います。


AIや技術が発達し流れが早い忙しい日常と対極にある、昔のゆったりした時間と、現代に生きる中で忘れてしまった、あるいは知ることが出来ない感性が喫茶にはある、そう確信します。

下足板のメッセージ

店内が混んで来た頃、そろそろお店を後にしようと下駄箱から靴を取り出す時、ふと下足板の裏を見ると

『貴方に幸あれ   YOKKO』

の文字が。
こういう仕掛けも心をくすぐります。

こちらはクラウドファンディングのリターンで
出資者が名前と自由に言葉を掘ったもの。
ここにも、喫茶深海が作られた時間が刻まれています。

お店に刻まれた時間がお客さんの心を暖める。

これぞまさにノスタルジー。

それではまた次回

十条駅のホームにて


喫茶深海/十條湯のインスタグラム

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