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「メンデルくん」

最近こんな夢を見た。

私はどこかの観光地らしき場所にある展望台にいた。
上からの眺めは素晴らしく、天気も良くて澄んだ青空。
私はその展望台から色んな場所を見ては
隅々まで楽しんでいるようだった。

きゃっきゃと喜び、夫に話しかける。
そう。隣には夫がいる。
でもにこにこしているだけで一言も発しない。
私はそれを不思議に思いながらもその時はまだ
これが夢だということに気づいていないようだった。

一人ではしゃいでいると、妙に気になる場所を見つけた。
そこはどうやらお店のようで、駐車場には車がそれなりに止まっていた。
すごく気になったのだが、ここからでは遠過ぎて
あまりよく見えない。
そこで、展望台などによくある望遠鏡を使って
そのお店をじっくり見ることにした。

おぉ、今度はよく見える。
お店には「メンデル」と書いてあった。
なんだ、メンデルって?

するとそのお店のすぐ横に、キャラクターらしきものが描かれた
看板があるのが見えた。
じっと見てみると、そのキャラクターは
とても目立つ色のオーバーオールを着ている。
首にはタオルを巻き、そしてその顔というのが
見たことのある形でできている。

あれ…どこかで見たことが…

恐らく彼は「ピーマン」だと思われる。
顔がピーマン独特のあの形に似ており、もちろん色は緑色。
完全にピーマンである。

その彼は、黄色っぽいオレンジ色の
オーバーオールを着ていた。
そして手には何かを持っている。
よく見るとそれは袋いっぱいに入った
「ジャガイモ」だった。
なんだこの組み合わせは?
さらに周りをもう少し観察してみると、どうやらこのお店は
「北海道産のジャガイモを売るお店」
ということがわかった。

さっきの彼がいらっしゃい的な事を言っているように見えた。
小さなお店なので、他に従業員がいるのかはわからない。
私は「あのお店に行きたい!」と思い、駆け出したところで
なんと夢から醒めてしまった。
大事なところでなんてこったい!
うーん、あと少しだったのに惜しかったなぁ…。

その後起きてしばらくは、彼のことを考えながら
ぼーっとしていた。
一体あれは何だったのだろうか…?
すぐさま夫にこの夢の話を聞いてもらった。

私は昔からよく変な夢を見るのだが
そういう時はいつも夫に夢の話を聞いてもらっている。
普通ならばこんな話、誰も聞いてはくれないだろう。
夫には感謝している。
夢の話をひとしきり聞いてもらった後、夫にこう言われた。

「なんだそりゃ。まぁそれイラストに描いてみれば?」

なるほど。
だったら忘れないうちにやらなきゃ。
言われるがままに描いてみる。

たしか目は大きくてクリクリとしていた。可愛らしい感じだ。
あとは首にはタオルと、服はオーバーオール。
手には袋いっぱいのジャガイモを持っていたっけ。

なんとか思い出しながら描いた「彼」がこちら。

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そう。たしかこんな感じだった。

そういえばさっきは言っていなかったが
オーバーオールとお揃いの色の帽子も被っていた。

なぜあんな夢を見たのか。
この彼を見て思い出したのは
前日の晩ご飯にピーマンを使った、という記憶だけ。
(ちなみに私はピーマンは苦手です)
そしてジャガイモに関して言えば
ただ単に私の大好物ってことくらいなもので…。

しかしなぜ、ピーマンがジャガイモを持っていたのか?
自分でも、自分の頭の中のことはよくわからない。

明るい笑顔で接客をしていた
あの彼のことが忘れられない。

ちなみに彼の名前だが、なぜか
「メンデルくん」という名前だということは
目覚めた時からわかっていた。
たしかにお店の名前はメンデルとあったが
別に彼が「メンデルくん」であるという情報は何もなかったはずだ。
けれど夢の中の彼はいつの間にか
「メンデルくん」という名前になっていた。

しかし、看板に描かれたキャラクターが
実際に店から出てきた時は本当に驚いた。
あぁそれにしてもメンデルくんが売っていたジあのジャガイモ
食べてみたかったなぁ…。

よし。今日はジャガイモを食べよう。

決めた。

そしてもしまた夢で会えたら、彼のジャガイモを買いたいと思う。
味だって、彼の売っているジャガイモなら信用できそうだ。
その時は袋いっぱいに買おう。

うん、決めた。

そう思って眠ったら、彼はちゃんと
迎えに来てくれるだろうか?

彼のことを考えながら

隣にいる夫におやすみを言った。

「メンデルくん、おやすみ。」

「いや、俺、メンデルじゃないし。」

はい、そうでした。ごめんなさ~い。


ではまた。




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