Nautilus

しがないサラリーマンの独り言。 空想と現実の間で生まれる言葉を。 船が海底の奥深くに…

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しがないサラリーマンの独り言。 空想と現実の間で生まれる言葉を。 船が海底の奥深くに沈むまで。

最近の記事

こんな夜は元恋人の好きだった歌を聴く

霧雨の振る夜、元恋人の好きだった歌を聴いてる。 ただ思い立って10キロ先の映画館にレイトショーを見に行った。 指す傘も虚しく、優しい風に吹かれた霧雨は私の服と靴を濡らす。 行きで2時間、帰りも2時間。 ランダム再生の曲が忙しなく流れ続けている。 いつか付き合っていた相手の好きだった曲がふと流れ込む。 あの頃は純粋に、真っ直ぐに誰かを好きになって 愛することが出来ていた。 今の私はその気持ちを思い出すことしか出来ない。 あの頃の真っ直ぐな愛に会えない。 別れてから

    • こんにちは、自己嫌悪。

      自信喪失 自己嫌悪 そんな言葉が今の私にありえないくらい似合う。 悲劇のヒロイン そんなものを演じるつもりは無いけれど ただただ自分に失望する。 原因は分かってる。 酔って暴れる母が手に負えず警察を呼んだからだ。 その日から激しい頭痛と寝付けない日々が続いてる。 世界にはどうにもならないことが多い。 うん。 あれはどうしようもないね。 うん。 これはしょうがないね。 あー。 それは気付かないふりしていた方がいいね。 自己嫌悪の私には世界の全てはこの言葉た

      • 誰も知らない深夜3時頃

        温くはっきりとしない半端な世界を私は歩いている。 夜が終わりかけ、朝がもう少しで始まる時間。 白く、ぼんやりとした霧が世界をより曖昧なものに見せてくれる。 ぼんやりとはっきりしない世界では私という存在にさえ霞がかかっていくように感じる。 そんな世界の中に微かに私という存在が足音を鳴らして街を歩いている。 冷たい街灯に照らされた淡い桜の色は対照的な優しい色をしている。 イヤホンから流れる音の向こう側から虫の鳴く声が聞こえる。 なぜ君は泣いているんだろうか。 鳴いて

        • 芸術の必要性

          私は今日凄くいいことがあった。 言葉が体の奥底から湧き出るように溢れる。 私は絵の才能も、音楽の才能も無いからただ自分の知っている言葉で表現するしかこの感動や美しさを表現する術が無い。 だから私は今感じているこの美しさを言葉で綴る。 何かを美しいと思うこと。 そして表現すること。 自分なりの表現方法で。 それは私にとって、私がこの世界にいる、あるいはいた事を表現する術のひとつなのだと思う。 美しいものを観て、胸打たれる音楽を聴いた時のこの感情は私の持ちうる全ての言

        こんな夜は元恋人の好きだった歌を聴く

          職場に推しがいること Final

          半年間。 短い時間。 私は濃く忘れられない、忘れたくない時間を過ごした。 私はたった半年間の短い時間だった。 でも、濃い時間だった。 私の中で、夢が決まった時間だった。 決意が揺らぐどころか 強く定まる時間だった。 そう思えたのも私の職場が暖かく、穏やかだったと思えるからだ。 天のような職場でひとつ 心残り? いや、行き場を失った思いがある。 もう、推しに会えなくなるのだ。 推し。うん、推し。 すごく綺麗で、窓から差し込む斜陽がとても似合う。 いや?でも雨の日の

          職場に推しがいること Final

          茜、薄紫、時々グレー。その繰り返し。

          茜色の空が少しづつ薄紫色に変わっていく。 時々雨や曇りで色はグレーに変わる。 でもそんなことの繰り返し。 毎日毎日繰り返す。 ありふれたこんな毎日さえ、二度と巻き戻すことは出来ない。 明日、大好きな職場を、短い思い出と共に私は旅立つ。 夢を叶えるためにしたこの決断も、この職場に出会えたからだ。 この職場に出会ったあの時の茜色に、 不安で仕方なかった薄紫色に。 私は胸を張って言える。 あなたの歩んだ道は間違いでは無いと。 未来の私よ、負けずに頑張れ。

          茜、薄紫、時々グレー。その繰り返し。

          断るって体力消費エグくないか?

          私は断るのが大の苦手である。 頼まれた仕事は断れないし、微妙な友達の誘いも断れない。 恋人からのあれしたいこれしたい 全部全部オールオッケー なんでこんなに断れないんだろうと少し考えた。 仕事なら割と断りやすい。 自分の持ってるタスクと頼まれるタスクをよく考えて、、、今の自分のキャパじゃ抱えきれなくなるなら断ることができる…と思う。 タスクは目に見えるし相手に伝える根拠がちゃんとある。 でも仕事抜きのプライベートだったなら? 微妙な友達との飲み。 断れない。

          断るって体力消費エグくないか?

          仕事終わりのコーヒー

          仕事終わり、いつもの道、いつもの店のコーヒー 。 最近多い残業も、前までの仕事に比べれば楽しいと思えるほどだ。 疲れた体にスッと沁み入るアイスコーヒーと甘い煙草のなんと幸せなことか。 こんな私にも今は夢がある。 その夢は飛躍した遠い未来にある訳ではなく、こんな日常の重なった先にあるのだと最近思う。 小さな幸せを毎日少しずつ。 ティースプーン一杯分の幸せで きっと十分すぎる。 これを読んだあなたも、好きな飲み物を飲んで。 あなたに幸せのお裾分け。

          仕事終わりのコーヒー

          言い表せない感情

          映画を見てきた。 公開終了間近で人も数える程しかいないような映画だった。 映画が終わって外に出ると思いの外寒くて、喧騒も落ち着いて、静かだった。 空を見上げてゆっくり歩いた。 星が見たかった。 遠くにある星は確かに光っている。 街灯の明るさに小さな苛立ちを覚えた。 幸せなはずなのに何故か落ち着かなかった。 私はこの感情の名前を知らない。 私なりに言葉を掻き集めて見たけれど 上手く表現出来ない。 読み捨てられたいつかの雑誌も 誰かの足音も 手の平の小さな宇宙で

          言い表せない感情

          愛してると言ってくれ

          誰にも会わない休日を過ごした。 誰からも誘いの連絡は無いし、ただスマホの画面を眺めてた。 孤独と虚無に飲み込まれそうな私はついつい誰かに甘えたくなる。 愛してると言ってくれ。 憧れや夢など今は必要ない。 ただ愛してると言ってくれ。 悲しい嘘でも私はきっと救われてしまうだろう。 また会えるなら騙されたままの私でいたい 愛してると言ってくれ。

          愛してると言ってくれ

          吐息とコーヒー

          白い吐息とコーヒー。 茶色のコートに黄色のマフラー。 遠くの街灯と少しの幸福が混じった溜息。 雨上がりのアスファルトと濡れた街路樹。 寒い冬の中に確かに春を感じている。 耳に流れ込むピアノの音と足音。 人気のない公園と煙草の匂い。 私が美しいと思うものはいつも身近にある。 美しいものや芸術に心打たれるのはきっと 人生の中で傷を負った心が癒しを求めるからだと思う。 痛みや辛さを知らない人は心を強く打たれるような素晴らしさを深く味わえないかもしれない。 私の

          吐息とコーヒー

          私の物語に名前をつけるなら

          人生は物語に似ている。 いや、全ての物には物語がある。 私はそう思う。 私が踏みしめたこのコンクリートも、どこがで生まれてこの場所に来て、今私の歩みを確かにしてくれている。 そしてこれから先もきっと朽ちるまでその物語は続く。 いや、終わりをどこにするかによってその物語の結末は変わる。 そうだな。 花で例えよう。 始まりはきっと芽が出たあの日。 いや、種が撒かれたあの日か。 そして摘まれてしまうあの日まで。 いやはや枯れるまでか。 物語は曖昧で不確かな方がきっとい

          私の物語に名前をつけるなら

          無知であることのすすめ

          無知であること。 無知であることは罪である。 有名な言葉だ。 私もそう思っていた。 つい最近まで。 無知であるが故に他人を傷つけたり 恥をかくことがあるからだ。 でも最近は無知でいることは悪では無いと思えてきた。 ふと見上げた空にいくつもの層になっている雲が美しい風景を作り上げていたのを見つけた。 私は雲の高さがどのようにして決まるかを知らない。 ふと、知りたくなった。 この美しい風景を作り上げているそれがどう成り立っているのか。 私は無知である為に世界に色

          無知であることのすすめ

          孤独ってなんだ?

          熱がある時に見る夢はいつもより非現実的なのに妙な現実感を私に与えてくる。 悪夢に近しい窮屈な夢が後味の悪い目覚めを連れて来る。 目が覚めた深夜2時半頃。 時計の秒針にも過敏に反応する耳を深呼吸と冷たい水で落ち着けた。 暗い部屋で感じた強い孤独は、熱で揺らめく脳にとっては安堵感すら感じるものだった。 夢の中でさえ孤独であったことが幸いにも私には無かったからだ。 孤独を感じるのはいつも現実の自分だけ。 最近はむしろその孤独が私を私で居ていいと認めてくれているようにも思

          孤独ってなんだ?

          買っただけの本がまだある

          一週間弱文章を書く暇もなく時間が過ぎてしまった。 仕事を言い訳にしたくは無いけれど正月休み明けの世界は私には少々過酷で、体を慣らすのに少し人より時間がかかる。 いくら寝ても寝足りない。 あれもやらないとあぁこれも終わってない。 それが幾つか重なって私の心は少し澱んでいる。 映画を見たい。 本を読みたい。 どんな媒体でもどんなものでもいい。 現実から少し離れていたい。 優しい日差しの入る部屋で、少し寒い部屋に。 暖かい服を着て、暖かい紅茶かコーヒーを用意して。

          買っただけの本がまだある

          私は感動を知っている。

          私は感動を知っている。 心が大きく揺れ動く。 心地いい鳥肌が全身を覆う。 口角が上がる。 涙がでる。 私は感動を知っている。 世界中の全てをとっぱらって、 私の全てがそれに引き込まれる瞬間を知っている。 私は感動を知っている。 心が動くその瞬間を知っている。 心が息をする瞬間を知っている。 その感動は朝日のように私の活力となり、 月のように優しく私を見守る。 私がその感動を忘れてもふとしたきっかけで蘇る感動の味は何度噛んでも味のする魔法のようなガムだ。 思い

          私は感動を知っている。