あの頃の私よ、息をしろ

大革命のような恋愛の終わりを見つけて、
仕事は上手くいかなくて、

なんの価値もないと思いながら酒に飲まれていたあの頃の私よ。

息をしろ。
飯を食え。

酒を飲め。

好きなことをしろ。
好きなことが、
したいことが分からないなら、何もしなくていい。

何もしない、をしろ。

そして泣け。

どんな辛いことも嫌なことも
時間の流れに任せていれば、棘を失って丸く優しい形になる。

そうなれば私の中に貯蓄出来る。

嫌なことも悲しいことも、いつか丸く優しい私に変わる。

周りから見れば何も変わらない私に見えるけれど、
そう思われるかもしれないけれど、

確実に私は変わっていく。

あの頃の私と今の私は全然違う。
私がそう思えるから、そうなんだと言い切れる。

恋に敗れたどこかのあなたへ、
仕事に悩むどこかのあなたへ、

両方に苦しんだどこかのあなたへ、
そしてあの頃の私へ。

息をしろ。
深く、この世界の空気を自分に溶かしていくように。

あなたを世界に溶け込ませるように。

頑張らなくていい
ただ深く吸って、ゆっくり吐いて。

それだけで十分すぎる。