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こんな夜は元恋人の好きだった歌を聴く

霧雨の振る夜、元恋人の好きだった歌を聴いてる。

ただ思い立って10キロ先の映画館にレイトショーを見に行った。

指す傘も虚しく、優しい風に吹かれた霧雨は私の服と靴を濡らす。

行きで2時間、帰りも2時間。
ランダム再生の曲が忙しなく流れ続けている。

いつか付き合っていた相手の好きだった曲がふと流れ込む。

あの頃は純粋に、真っ直ぐに誰かを好きになって
愛することが出来ていた。

今の私はその気持ちを思い出すことしか出来ない。
あの頃の真っ直ぐな愛に会えない。

別れてからは聴けなかったこの曲も
今ではその時の私を思い出させるきっかけにしかならない。

今日見た映画の中でこんなセリフがあった。

「愛を終わらせない方法って知ってる?」

そんなもの無い、はっきり思った。

でもあの頃の自分なら?

あるよ。今日できた愛はまた2人で明日、
違う形の愛にすればいい。
それを続けていけばいい。

そんなことを言いそうな気がする。

私は変わったんだなぁと。
変わってしまったんだなぁと、

ただ思う。

変化は何故か虚しくて
変わらないでいることは少し難しくて。

何もかも変わっていく世界に、私に、
未来の私は何を思う?

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