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真夜中の散歩と小さな幸せ

今日も私は真夜中の街を歩く。
この時間はやはり人も少なくて、

誰かの声も、視線もら街の喧騒も、
私の嫌な妄想もない。

ただ街灯と、雲に霞んだ淡い月と、
いつもより少し早い車と、

いつもより少しだけ遅い私の鼓動があるだけ。

今日は見たい景色があって、そこを目的地にしている。
片道で1時間くらいかかるだろう。

途中で煙草でも吸いながら、もう会うこともない人のことを考えながら歩いていこう。

そういえば自販機で飲み物も買わなくなったなぁと思ってさ、ぶどうジュースを買おうとしたんだけど、

ボタンを押し間違えてオレンジジュースが出てきてしまうこんな小さな失敗も

この世界の夜なら
何となく幸せにも思えてしまう。

幸せならこのくらいの小ささでちょうどいい。

なんてね。

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