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猫と私の、

ねぇ聞いてよ

友達を無理やり連れて言ったスナックとガールズバー、金だけ失ってまた一人何となく家路についていた。

でもね、でもねきいてよ

私初めてさ自分の周りに猫が集まってきたんだよ
家の駐車場なんだけどさ

茶トラの猫が1匹私を見て逃げていったんだよ

猫も食わんよな、酔っぱらいなんて。
と思ってたんだよ。

そしたらその奥の駐車場から黒猫と茶トラっぽい猫が2匹来たんだよ

嬉しくてさ
やっすいパンと水しか思い浮かばなくて持ってきたんだよ

パンならいけるかなって。

首輪を着けた黒猫と
焦げ茶色の猫と
茶トラの猫と

3匹と私しかいないこの世界の中で。

私は犬しか飼ったことがないから猫の触り方なんて知らない。

しっぽの動きも見たことあるのは元気に左右に動く犬のしっぽだけ。

猫ってしっぽがピンとしてるのは喜んでるのか!?

どうすればいいんだおれは……。
と思っていたけれど

私の周りに来てくれたこの3匹がすごく可愛くて、嬉しかったんだよ。


寄ってきてくれた3匹の触り方がやっぱり分からないから唯一知ってたしっぽの付け根を優しく叩く…をしてみたけれど意外と心地よかったみたい。

しっぽがぴーんとたって、体を擦り寄せて来て、あ、気持ちいいんだな?思って俺もすごく嬉しかった。(なんかキモいな?)

1匹さ、茶トラの猫がいてさ、3匹の中で1番下っ端って感じで、
パンも水も最後に貰いに来てて、
俺のところに来るのも黒猫の許可もらって……みたいな感じの子がいてさ。

ずっと俺の周りをうろつく黒猫とその外側をゆっくり回る茶トラと、

俺の横をキープする焦げ茶の猫とがいてさ。

初めての体験だったよ。
すごく楽しかったンだよ。

月すら知らない、
遠く輝く星すら見えていないかもしれないけれど
私はただ嬉しかった。

何故かすごくしあわせだった。

猫の触り方も知らない男と3匹の猫が踊る下手くそなパレード。

夜が開ける前の
誰も知らない猫と私の

パレード。

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