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恋日記

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愛から、恋にならない恋まで
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#まいにち日記部

半分このわたしたち。

半分このわたしたち。

朝、わたしのアラームで、彼のほうが先に目を覚ました。朝と夢の間をさまようわたしをよそに、少し暑かったのか、彼が窓を開ける。梅雨特有の冷たくて湿った空気が部屋に流れこんでくると、彼は再び眠りについた。そうか、彼は今日休みと言っていたなあと、ぼんやりした意識のなか思う。

だんだん少し寒くなって、寝ている彼の腕の中に潜り込んだ。わたしは寒がりで、彼は暑がり。そんな彼の腕の中は案の定、ほかほかに暖かくて

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今度は一緒に行こうね

今度は一緒に行こうね

今日は彼が晩ご飯にネパール料理を食べに行っていた。写真だけ送られてきて、わたしはインドやネパールの料理が大好きだからいいなあ、なんて思ってて。

彼はわたしをからかうことが生きがいのひとつなので、おいしいお店を見つけて誘っても、なかなか一緒に行こうとは言ってくれない。わたしが一緒に行きたいと言って拗ねているのを見るのが楽しいみたい。

わたしも、「じゃあいいもん」と言えたらいいのだけど、馬鹿正直に

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14歳の教室。

14歳の教室。

すれ違った瞬間が、永遠に感じられるような恋だった。

もしも、恋を選ぶことができるのなら。好きになる人を選べるというのなら、わたしは決して彼を好きにはならなかっただろう。

彼はわたしの親友であるMに、恋をしていたのだから。

叶わないことなんてわかっていたのに、崖の上から滑り落ちるように、気づいたらその恋の淵に立っていた。
彼は毎日まいにち、Mと話すために教室に通っていた。側から見れば、彼がMの

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旅する日本語コンテスト、優秀賞を頂きました。

旅する日本語コンテスト、優秀賞を頂きました。

去年の夏ごろnoteで募集があった、私の旅する日本語2018 コンテスト。

先日note運営事務局の方から連絡があり、わたしのエッセイ「逃げこんだ先に出会った人」が優秀賞を受賞したと連絡を頂きました!

▼受賞したnoteはこちら

▼受賞発表された記事はこちら

(note運営事務局の方からは優秀賞と連絡を頂きましたが、こちらでは片岡鶴太郎賞になっています)

1月中に「旅する日本語展20

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良かったね、わたし。

良かったね、わたし。

今日は彼と月島にデートに行きました。
ふたりとも写真が好きだから、写真を撮りながら散歩していたんだけど。

風景を撮ることが多い彼が、今日は珍しくわたしの写真をたくさん撮ってくれた。
そして彼が撮るわたしが、どれもとっても楽しそうな笑顔で写っていて。それをみたわたしまで嬉しくなってしまうくらい。

わたしはとにかく写真映りが悪くて、いつも中途半端な顔か、ぎこちない笑顔しか作ることができない。あと、

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逃げこんだ先に出会った人

逃げこんだ先に出会った人

『好きかどうか、もうわからない』

あの夏、わたしの心が、わたしに告げたこと。
一緒にいると安らぐし、笑っていてほしいし、こんなに愛してくれる人、きっと他にいないのに。でも、それでも。

わたしは逃げるように、一人イタリアへ旅立った。

たくさんの人に出会った。
涙が溢れる景色にも、おいしくて感激したジェラートにも。

そしてなによりわたしは、あの夏のイタリアで、日本に残してきたはずのあなたに会っ

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友だち未満。

友だち未満。

今日はとても珍しい夢をみた。

昔付き合っていた彼と、再会した夢。

わたしは友だちだか知り合いだかのアパートにきていて、2階にある部屋の玄関の前でずっとその人を待っていた。
するとアパートの下の道路に、自転車がひとつ止まって。
視線を感じて下をみると、自転車に乗っていたのはその彼だった。

話を聞くと、どうやらその彼はわたしの友だちの部屋の、隣の隣に住んでいるらしい。
アパートの廊下で、どこから

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大切なあなたにケーキを

大切なあなたにケーキを

友だちと会った帰り道。
たしかこの辺りには、おいしいケーキ屋さんがあったはず。まだやってるかな?と検索して、営業時間ギリギリなことに気づいて慌てて走り出した。
今日は家で彼が待っている。おいしいケーキを彼と一緒に食べて、笑顔になりたい。喜んで、くれるかな。

かつてわたしが付き合った人たちはみんな、特別な日でもないのにケーキやアイスを買ってきてくれた。

わたしはそれがとても嬉しかった。日常の小さ

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27歳、夏の初恋?

27歳、夏の初恋?

最近は夏だというのに、図書館やカフェにこもって勉強をしている。
花火とか、海とか、もっと色とりどりのイベントがあるけれど、今のわたしにはそれと同じくらい、勉強が楽しいからそれでいいんだ。

午後からは彼も合流して、図書館で勉強。

デートとか待ち合わせをするときって、彼氏・彼女がどんな服装でくるか、わくわくする人は多いと思う。
でもわたしの彼はあまりおしゃれに関心がない人で、わたしは彼のワードロー

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