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思い出話

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個性の強い周りの人々との面白かった話や、悲しかった話や、日記みたいなもの。
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ちょっとした優しさに

私事ながら、最近右足首を捻り、松葉杖生活となった。案外酷い捻りようで、3週間以上たった今でも松葉杖生活を余儀なくされている。やはり松葉杖でいつも通りの学校生活を送れるはずもない。けれども、私は昔から人を頼ること、お願いする事が苦手で、おまけに自己肯定感が低いため、人に迷惑だと思われたくないという気持ちで溢れかえっていた。捻挫したその日の夜なんて、寝るにも寝れなかった。

そんな私が、3週間以上経っ

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先生と先生の小さな戦い

先生と先生の小さな戦い

これは私が中学一年生の時のお話。

社会の時間中、自習時間となり、社会科担任の先生が暇になり始めた時のこと。

担任が給食時間を書いているホワイトボードに落書きを始めた社会科担任の先生。絶妙に筆跡を似せて、絵も似せて書いていた。

ちなみに本当はその日の帰りの会で担任の先生が「…これ私書いたっけ?なんか覚えのない絵が…」と呟いたのを必死に私達生徒が「先生が書いたんですよ!書いてたじゃないですか~!

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結局のところ

私は昔から、誰かに認められたいと思って生きてきたところがある。考えてみれば、私が絵を描くようになったのも、「凄い凄い」と家族や友人、先生が認めてくれたからである。

十数年生きてるうちに、「認められたい」がだんだん複雑になってきた。「一人でいてもグループ内で浮かない存在だと認められたい」だの「ハキハキト明るく喋る存在だと認められたい」だの支離滅裂になってきた。元々自己肯定感が低いから、無条件に認め

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校長先生のシャレたダジャレ

学校で英検を受け終わった時のこと。クタクタに疲れてふらふらと職員室前を歩いていたら校長先生と出会いました。

本当にもう疲れてて「なるほど」としか出てこなかった。逆に感心して笑っていなかったら校長先生に「なんかごめんね…でも涼しくなったしょ」と言われた。確かに、その日の帰り道は涼しかったかも…
#コミックエッセイ大賞

過去に囚われて

ラーメンが食べたくて、一人でコンビニにラーメンを買いにやってきた。今日はコンビニのラーメンでいい。そんな気分だった。

ちゃんぽんラーメンか味噌ラーメンかで迷って、結局味噌ラーメンにした。レジに持って行って、自分の番をぼんやりと待つ。

なんか聞き覚えのある声。なんか見覚えのある雰囲気に姿。制服に貼られているネームプレートに、見覚えのある名前。

友達だ。いつの間にか会えなくなって、そのまま卒業し

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カレーは何味?

給食前に私たちのクラスのある3階から降りて1階で、友達とうろちょろしていた。暇さえあれば1階に行くのが私たちの最近のお決まりみたいなものだ。保健室前に貼りだされている絵を見ながら色々空想したり、今日の給食は何だっけかとか話してた。

「給食何だっけ?」

私がそう言うと、

「カレーだって!私が作ったって言ったじゃないっ!隠し味はりんごよ」

と、友達は茶番じみて言うから、私もしっかり夫?を演じて

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美劇部という肩書き

美劇部という肩書き

演劇部です。高校を機に演劇部に入りました。中学は美術部。美術部の友達とは高校に入ったら同じ部活に入ろうね!なんて言われていたけれど、結局裏切ってしまいました。
美術が嫌いになったとか、そんなことなくて、暇さえあれば絵は描くぐらい絵を描くことは生活の一部です。でも、演劇部に入りました。理由は一つ、演劇が好きで、やりたかったからです。ただそれだけ。
でも、私の肩書から美術部が無くなって、演劇が追加され

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忘れられない中学の先生ズ

忘れられない中学の先生ズ

中学生の頃、いろんな先生がいました。なんでかうまいことに、変わっていて面白い先生ばっかりでした。

幼少期、酔った父親にいなり寿司を投げつけられたが、全て素早くかわしたという国語の先生。

どういう武勇伝なんだ。

車で遠出していたら、河童の姿をした子供が、人間の姿の親らしき存在の前で踊っているのを目撃したこともあるらしい。

どういう武勇伝なんだ。

「好きな食べ物は、ビールで、好きなことは、ネ

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ニベアと歯磨き粉と、先生と

ニベアと歯磨き粉と、先生と

副担任が死んでしまった。

先生が赴任して3ヶ月。学祭を前にした、土砂降り雷雨の蒸し暑い夏の日だった。

臨時全校集会が開かれ、全校生徒が体育館に集まった。雨と人口密度のせいで館内が蒸し暑い。ザワザワが静まって、校長先生の口が開く。

そして聞かされる副担任の死。
館内が一瞬で冷えるのを感じた。
いや、立ち込めていた熱が、考えるのをやめたのを感じた。

わあっ、と後ろから泣き出す声。
崩れ落ちる

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ちょっと病弱なセブンティーン

ちょっと病弱なセブンティーン

気付かないうちに17歳になってしまいました。
ちょっと病弱なセブンティーンなんて、はるか遠い未来だと思っていた昔が懐かしい。ある意味、ちょっと病弱なセブンティーンになりました。
誕生日、特に何の変りもありません。普通に目が覚めて、普通に学校に行って、普通に過ごして、普通に帰るだけです。
なんとなく、目が覚めた時が、ちょっと気持ちがどきどきしてるくらいで、特に何もないのです。
それでも、その普通がな

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