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偏愛BAR第3回「本、コミック」の記録

あなたの偏愛を語る、「偏愛BAR」第3回の開催レポートです。
今回のお題は「書店に買いに行ってほしい本、コミック」。
集った本好きたちのトークはアツく、大変盛り上がりました!

 

偏愛BARって?

僕、椎名トキが店主を務めるzoomで開いているオンラインコンセプトBARです。
来店する参加者は大まかに「語り手」「聞き手」に分かれていて。語り手はそれぞれ「偏愛しているもの」を持ち寄って、参加者にその偏愛を思い切り語ります。
このBARは偏愛を愛する者のみが来店することが出来るので、語られた偏愛は否定されません。なので語り手は安心して自分のアツい思いの丈を語ることが出来る。
それが僕の愛する「偏愛BAR」です。

 

来店してくださったお客様




ふみーさん「人を振り向かせるプロデュースの力 クリエイター集団アゲハスプリングスの社外秘マニュアル」

今回も開店待ちしてくれたふみーさんからプレゼンスタート!
著者の玉井健二さんは音楽プロデューサー。
ふみーさんが愛してやまない推しのAimer(エメ)の所属事務所がアゲハスプリングスだったことがきっかけで購入したそう。
推しの掘り下げ、良いですね。好きなことや人からさらに好きの枝葉を広げるって最高です。いいぞふみーさん。
音楽を中心に「どう楽曲を届けるか」を紐解いた本で、過去の実績(所属アーティスト)のことも書かれているのでそういうところも面白そう。
著者は元々アーティストだからか、言葉選びが上手い。心に刺さる文章。
プロジェクトマネージャーの要素や、楽曲を一瞬でバズらせるためのキャッチ―さについて書かれていて、コンテンツをどう広げていくかという考え方はnoteを書いていて、もっと読まれたいなと思う人にも共通点があるからおすすめとのこと。
ふみーさんはこの本を読んで、長く愛されるアーティストは飽きさせないコンテンツを届け続けていると感じた。一番印象に残ったのは「飽きさせないコンテンツはじわじわ広がっていく」という部分。時間がかかってもじわじわ浸透させて、愛されるものをつくっていこうという姿勢に共感した。焦らず継続して続けていく姿勢。「飽きられないようにどうしたらいいのか」を考えることが大切。
しかし書店には取り寄せないとないかもしれない。(気になった方はぜひ取り寄せてみよう)
読書感想文予定?とのこと。読んでみたい!

 

 

椎名「昭和元禄落語心中」

ちょうど読み返していた雲田はるこ先生の「昭和元禄落語心中」を紹介させていただきました。たけのこさん、ニツカさんはご存じだったようで良かったです。
ニツカさん「情緒が引きちぎれる」
情緒が爆発する作品。持ち帰りの仕事そっちのけで前日にpptを用意してしまいました。
落語心中大好きなので、紹介出来て嬉しかったー!
学生時代に落語研究会だったマリナさんやすーさんも存じてらした!
ドラマ、アニメも放送された作品ですがやっぱりコミックスが最高。
僕も好きだった朝ドラ「ちりとてちん」の話題にも、落語繋がりで発展して楽しかった。好きなもの紹介して盛り上がるのって本当に嬉しい。
今回ははじめから自分も語り手として参加予定だったので、語り手やって良かった。落語見たいなぁ~!スマホに桂吉弥さんの音源を聞いてはいるので、ちゃんと見に行きたいなぁ~

 

 

マリナさん「おかえりなさい!サナギさん」


サナギさん1~6の続編

シンプルな画風にシュールな作風のギャグマンガ!
2003年頃、大学の落語研究会の同期の家に同作者のデビュー作があったことでこの作者に出会った。
思わずくすっとしてしまうシュールさがちょっと落語っぽい作品。
読書家のイメージのあるマリナさん、変化球とおっしゃってましたが結構僕はマリナさんっぽいなと思いました!
いいテンションで続いていくので結構癒し系とのこと。渡米の際のお供にもなっているそうです。
「バーナード嬢曰く」もオススメとのこと。

読書家の女の子が主人公の書評マンガ。
以前マリナさんからニツカさんに誕生日プレゼントとして贈った作品でもあるそうです。誕生日におススメの本をプレゼントするのっていいですね。
素敵だなぁ~!僕もやってみよう。

 

マリナさん「7SEEDS」

続けてもう一作紹介してくれました!

同作者の「バサラ」が好きでこの作者を好きになり、読み始めた。
主人公が目が覚めたら暗闇の中にいた。そこは海上のど真ん中だった!という衝撃的な展開から物語はスタート。漂着した無人島で同じく海に放り出された見知らぬ人々とサバイバル。巨大な計画に巻き込まれていく。
35巻+外伝。なかなかの長編ですが、SFっぽさが気になる。読んでみたい。

因みにBASARA/田村由美はこちら。

堕落論  坂口 安吾

※話題に上がった本もちょこちょこ載せていきます。



ニツカさん「シャーリー」

ニツカさん「メイドさんが好きなんです。ヴィクトリア調のタイプの。」

そんなニツカさんのオススメが「シャーリー」。まだ2巻しか出ていないので、集めるなら今が買い時!!!

正当派メイドの日常を描いた漫画作品。主人公は13歳の少女、シャーリー。
女主人ベネットのメイド募集に、彼女が応募することから物語が始まる。
作者森薫のフェチを感じるシーンにキュンとする!主人公が初めてメイド服を身にまとったシャーリーの喜び、クルっと回るところなどの描写が素晴らしい。
普段の仕事のシーンがセリフも無く淡々としているのに、しっかりと仕事をしている日常の風景から、彼女の物語が進行していることが伝わってくるのが好きなポイント。
カフェで女主人が紅茶を淹れるシーンに憧れる。
靴を見開きいっぱいに並べたシーンでは、ヒールの前傾のラインが美しい。とにかく造形美!!そんな中で主人公はまだ13歳なので、ぺたんこ靴を履いているところとのギャップにもときめく。
ニツカさんがめちゃくちゃ楽しそうにメイドを語ってくれるのが、すごく聞いていてこっちまで楽しい!メイドは奥深いなぁ~

同じ作者の「エマ」もオススメ。日常感の強い「シャーリー」に対し、「エマ」はドラマチックな印象のストーリーだそうです。


「英国メイドの日常」も愛読。使用人の種類の一覧や賃金などまで読むことが出来る。
こちらは旦那様からの贈り物だそう!

資料的な意味合いが強そうですが、見ているだけでも楽しそうです。
メイドがメインの話ではなくても、王道のメイドが登場する作品を観る際にもこういう本で知っていると理解が深められそう!

 

 

こんちゃん「絵本」

マンガ、「ダイヤのエース」の主人公はアンパンマンたいそうの歌詞を思い出しながら投げている。
「みなさん、絵本読みますか?」
それぞれ好きな絵本や、絵本を買うシチュエーションを答えていきます。
僕はと言うと絵本は可愛いなと思うものの、絵本は持っていないなぁ。
そんなある意味絵本初心者として聞いていきます。
こんちゃんが絵本を好きになったきっかけはアンパンマン。
今回は特にオススメという絵本作家の「ヨシタケシンスケ」さんにスポットを当てて紹介してくれました!絵が可愛くて、他の方の表紙なんかも書かれているので、絵を見たことがある人は多いのでは?
暑かったらあつかったら ぬげばいい  ヨシタケ シンスケ


意外と大人向けなのでは?というくらい、ちょっと考えさせる内容。これに書かれていて実践していること「大人で居るのに疲れたら、地面から足を離せばいい。」いいなぁ。大人で居るの、たまに疲れちゃうのありますよねぇ。
エッセイ「思わず考えちゃう」

ヨシタケさんは地味な内容、ごく普通の日常にありそうなことを描いている。その描写や物事をたとえ話というか、抽象化するようなたとえ話がとても上手で好きなポイントだそう。

日常のはなしから、死について、他者との違いを受け入れること、様々なテーマで書かれている、子どもも大人も楽しめる作品を書かれている。子供の頃にした妄想を絵にしてくれている感覚。

 

「それしかないわけないでしょう」

「“それしかない”わけなんてないんだよねぇ」としみじみ呟くこんちゃん。
絵本はあまり触れて来なかったのですが、興味が出てきました。
書店に行く際には絵本コーナーも見て見ようと思います!

 

ぐるんぱのようちえん 西内 ミナミ 、 堀内 誠一

ニツカさん:ながいながいねこのおかあさん キューライス 、 ヒグチユウコ

椎名:うるうのもり

みんな結構絵本読むんだなぁ。僕も紹介させてもらいましたが、これは児童書の括りかな。

 

 

シモカタさん「金子一馬グラフィックス万魔殿―悪魔編」

「ちょっと毛色が違うのですが……」
とシモカタさんが取り出したのがこの一冊。

金子一馬さんの描く絵が好きすぎるそうです。たっぷり愛を語ってくれる予感!

昔から神話が好だったそうで、実際に世界中で語り継がれてきた神話に登場する悪魔や神様たちを、実際の姿の正解なんてないのに「それっぽい」姿に落とし込めるところがとにかくすごい。
「悪魔絵師」と呼ばれている方で、女神転生などの人外が登場するゲームのキャラクターデザインも手掛けている方。※女神転生では人外=悪魔で、神様も含まれる
この画集上巻、下巻、キャラクター編と3部各1冊の構成になっています。
各地の神話に登場する神々などを絵に落とし込むセンスが凄い。
固定されがちな天使のイメージも、翼を背中ではなく腕にしてしまうセンスにも着目。
当時のゲームはドット絵だったので、ち密なデザインをもとにドットに起こしていたらしい。(なので表現しきれない部分もかなりある。現代で報われてよかったとシモカタさんは語る)
ひとつだけ残念なのは、悪魔と人間の絵のクォリティのギャップ。人間にあまり興味がなかったのか……というところもひっくるめて偏愛されていました。
神話が好きな人にオススメ!

すーさん(鈴木鮎さん)がお持ちのこの画集も気になる……

 

ふみーさん:蔦屋 谷津矢車


 

 

ニツカさん「あげくの果てのカノン」全5巻 米代恭

旦那さんに「ニツカさんはストーカーだから共感できると思うよ」と言われたことがあるちょっと気質のあるらしいニツカさん。(現在は家庭内で旦那さんをストーキングしてらっしゃるそう※合法の範囲内の話です)
そんなニツカさんが紹介するコミック。

タイトルだけ知ってる作品!ちょっと気になってました笑
主人公の女の子が憧れの先輩のストーキングをする話。
先輩がよく訪れるカフェにバイトで入り、先輩が使ったストローなどを集めたり……しかし先輩はなんと世界を救うヒーロー!なので推しの供給も過多で先輩を忘れることが出来ない!
不倫×SF。
先輩の奥さんとの対決含む4角関係。
5巻完結なので集めやすい作品。
同作者の「往生際の意味を知れ」も元カノへの想いを断ち切れない男性が主人公のストーキングの話。こちらもオススメ。

明言はしませんがシモカタさんの「元カノのオムライス」話はカジュアルで文学でめちゃくちゃ好きでした。みんなストーカーの話好きだよね。(語弊がありますが悪意は全くありません)

僕のおすすめはミドリカワ書房の「誰よりもあなたを」です。

全バンドマン(特にギタリスト)は震えて眠れ!なストーカーソングです。オススメ。

 

 

ポップな本

シモカタさん:妄想国語辞典  野澤 幸司

クリエイティブディレクターのシモカタさんが女性の友達に誕生日にもらった本。言葉の意味を書いた本。
クリエイティブディレクター:怪しい職業の総称。例文「私が娘の結婚相手に求める第一条件は、クリエイティブディレクターではないことだ。」
と書かれているそうです。以上です。

 

こんちゃん:「ない仕事」の作り方 みうら じゅん

注目したいページは「アウトドア般若心経」。街中にある漢字を写真に収めて、般若心経にする。
シモカタさん「街に是って漢字ある?」
こんちゃん「街には般若心経の考えがあふれている。「空あり」。」

 

ニツカさん:岸辺のヤービ  梨木 香歩

日本のムーミンと言いたくなる、繊細で可愛いタッチの作品。

 

椎名:もう一度読みたい宮沢賢治

宮沢賢治が好きです。(特に「銀河鉄道の夜」と「ふたごの星」)


こんちゃん:ランチのアッコちゃん  柚木 麻子

ご飯系の小説、本がお好き。

  

 

印刷が凝っている名著


電子書籍で買うと後悔する。内容もさることながら、ページごとに紙が変わっていたり、印刷物としての遊び心がふんだんに盛り込まれている一冊!
これはぜひ紙の本で手に取ってほしい!

ニツカさん:はてしない物語 ミヒャエル・エンデ

文庫もあるけれどオススメはハードカバー!
表紙は布張り。ページによってインクが茶色だったり緑だったりする。
すーさん曰く紙質もいいとのこと。(持っているのかすごい……!)
文庫には反映されていないので、ぜひハードカバーで。

 

 

私だけじゃなかった!本の匂いラバーズ

ここで紙と印刷の話に。世界堂で紙コーナー行っちゃうタイプの方がチラホラ。
椎名の印刷フェチが爆発しかけたところで、
ニツカさんから「本の匂い好きですか?」と、この日最大の盛り上がりのきっかけが投げかけられました。
洋書はインクなのか酸っぱい匂いがするとのこと。特に写真が使われるページはインクの量が多いせいか匂いが強い。
あ~確かに、とみんな一斉に思い思いに手元の本を嗅ぎ始める!笑
くんかくんか……
絵本はケミカルな匂い。自費出版(同人誌)はちょっとスーッとする匂い。
くんかくんか……

シモカタさん宅の本で一番いい匂いのする本

モノクロ印刷だから……?
古いスミ一版の匂いがするらしい。(嗅ぎたい)

ニツカさん宅のいい匂いの本

 

映画のパンフレットもみんな嗅いだことがあることまで判明。

本は、読む、書く、嗅ぐもの。

アラジンのアニメ版、実写、劇団四季のパンフレットを嗅ぎ比べる僕。
初作が古本だから判別不明。

ふみーさん宅の月刊京都も良い匂い。

シモカタさんがいい本の嗅ぎ方を発見。鼻の前に本を立てて、浅めにパラパラとすると効率よく匂いが嗅げる。

こんちゃん曰くギターもメーカーによって匂いが違う。木とラッカーの匂いで香りが異なる。
偏愛してる人、その対象の匂い嗅いでる説。

※オフレコですが芸能人遭遇話がいろいろとすごかった。
みんな意外と遭遇してるw(音楽俳優芸人)
ここもかなりの盛り上がりポイントではありましたが場所の話とかもあるので伏せます。

 

 

感想と今後のこと

なんで人の偏愛ってこんなに聞いてて楽しいんでしょうね!!
みんな偏愛を語っている時の表情がきらきらしているし、好きなのが伝わってくるんですよね。
「あ~好きなんだな」って思ってにやにや聞くのが好きすぎます。結構僕得。
今後も開催していきたいと思います!
まだテーマは決まってませんが、またコンテンツ系か、オールジャンル、ご飯系なんかもいいなと思ってます。
インタビューって話もありますが、いかんせん僕にインタビューの技術がミリも無いのであくまで検討中です。

次回開催の折には偏愛をお持ちの方、偏愛を聞くのが好きな方はもちろんですが、「椎名と絡んだことないけど面白そうだな」って方(いるのか?)や、「noteやってる人と交流してみたいな~」って方もぜひ遊びに来てください!

 

 

その他オススメで挙がった作品

 

 

 

 

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