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旅びとの回想・ポルトガル旅🇵🇹

最近、読書による旅をしているせいか、ぼーっとしていたら、『そういえばあの時、、、!』という、ふとした瞬間に当時を回想をするようになってきた。

そのひとつが、想い出のポルトガル。

ポルトガルで食べた、『バスティスディナッタ』というお菓子、、そんな名前だったと思うが、その美味しさが今でも忘れられない。

たしか、日本人が建てたか支援したとかいう、4月29日橋、、だったかな?日にちは違ったかも? その橋の近くか、モニュメントの近くの有名なカフェでそれを食べた。コーヒーと。

あまりに美味しくて、ひとつでは物足りず、追加しようとしたがその店は大人気店で行列が続いていた。テイクアウトも確かできたような?

それで諦めたが、その美味しいお菓子の味が忘れられず、翌日もそのカフェまで出向いた記憶がある。

のちに、日本ではエッグタルト、がそれにあたるとかいう触れ込みで売っているのを知ったが、食べてみたら全然違った。
本場は名前も香りももちろん味も格段に上だった。

そのお菓子だけでなく、歴史上で名前の聞いたことのある有名な哲学者たちが、リスボンのカフェに集っていたとか。
例えば、『カフェ ブラジレイラ』
思わず行ってしまった。
此処で哲学者たちが、、、!

しみじみ感じ入ってしまった。

当時なぜ自分がポルトガルにいきたかったか。

理由は複数あった。

まず、大学でポルトガル語を第二言語として学んでいたこと。
また、ポルトガルの石畳や坂を上がっていく市電を見たかった。
そして何より自分を旅へと動かしたのは、その時も、そう、本との出会いだった。

『ここに地終わり、海始まる』

宮本輝の小説だ。

この小説を読んだことから、自分はポルトガルへ行こうと決め、チケットを取るに至ったのだった。

ロカ岬、大西洋。
哲学者の言葉、、。

小説の内容からロカ岬への興味が自分を動かした。

そしてリスボンのとあるカフェでお菓子を学んでいる日本人女性にお会いしたり、東大大学院からの留学生の韓国人女性に出逢ったり、伊藤忠商事に当時お勤めだった女性のひとり旅と遭遇したり。。考えてみたら女性ばかりだが、現地のポルトガル人の上品なおばあさんにも徒歩であちこち案内して貰った。
ポルトガル人の親切心、そして控えめで謙虚で優しい姿はなんとも言えないステキな空気を漂わせていた。

ポルトガル語などほとんど話せぬ自分に、控えめながら困ったらいつでも助けようという雰囲気が、通りすがりのあちこちの人たちから感じられた。
彼らから声をかけてくることはなかったが、こちらから声をかけると一気に10人くらいの人が集まってきて、必死で目的地への行き方をポルトガル語とゼスチャーで教えようとしてくれた。
或いは、こいつ、大丈夫か?といった感じでストーカーのように途中までついてくる人も、、。それには思わず笑ってしまった。

そんなリスボンの旅。

言葉がわからないながらも、人の優しさが身に沁みて伝わってくる。
今でも、あのたびを思い出すと、勇気を出してひとりで旅をしてよかったな、と最後には思う。

そしてやはり、、できるものならもう一度、安心できる世の中に戻ったら、あのカフェで、パスティスディナッタをコーヒーと一緒に食べたい、と思うのだ。

そして追記。

ポルトガルという国は、世界でも稀に見る差別の少ない国だとか。
例えば刑務所に服役していた人が出所したあとの人々の対応であったり、外国人に対する対応であったり、様々な場面で、どんなところの出自でどんな経緯があっても、たいていは優しい視線で共に暮らしていける国だとか。

そんな国、なかなかないよなあ、、でもあの国の人たちならきっとそうなんだろうな、とあの旅のことを思い出すたび、大きくうなづいて納得出来るな、と感じ入るのである。

宮本輝の本に当時ハマったおかげで、旅の範囲が広がり、勇気を持って海外へ飛べたことも併せて記しておこう。




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