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noteと神社は似ている ⇑くだらないエッセイ⇑

 noteにアクセスすることは、神社へ参拝することに似ている。

 「出版社や編集者の目に留まりたい」などの動機で文章をUPする人は、神様に「願いを聞いてもらいたい」「願いを叶えてほしい」という動機で参拝する人に似ている。
 「自分の想いを書いておきたい」「自分とはこういう者なんです」などの動機で文章をUPする人は、神様に「自分のことを喋りたい」「日々の感謝をしたい」「自分自身を懺悔したい」という動機で参拝する人に似ている。
 これらの人たちは、note神社におわします神様との対話のために、noteにアクセスしているんだと思う。

 「お得な情報を届けたい」「ノウハウを教えます」などの動機で文章をUPする人は、参拝者に何かを買ってもらおうとする屋台や出店の物売りに似ている。
 「誰かに読んでもらいたい」「こんなことやってます」「こんなことできます」などの動機で文章をUPする人は、参拝者の目に留まるように奇術や音曲を披露している曲芸師に似ている。
 これらの人たちは、note神社の参拝者との対話のために、noteにアクセスしているんだと思う。

 「note活用法教えます」的な動機で文章をUPする人は、この中間の人で、「note神社の神様はこんなに素晴らしい」という賛美とともに、「神様との対話の仕方、参拝者の目に留まる方法、どちらも教えます」というノウハウ売りの両方をやっているんだと思う。

 人の文章を読むためにアクセスする人は、縁日にふらっと神社の境内に遊びに来て、
「なにかおもしれえこと、あるかい?」
と、物見や冷やかしに来ているのと同じなんだと思う。

 厳格な戒律や、祈り方にルールがある礼拝堂や教会などとは違って、いろんな動機の人が神社を参拝する。そういう意味でnoteと神社は似ている。実に日本人らしい。

 神様に想いや願いを聞いてもらうために、絵馬というコンテンツがある。
 口に出して、あるいは、心の中で唱えたりするのではなく、「書く」という行為で届けようとする。
 問題は、八百万の絵馬の中から、どうやって自分の絵馬を神様に読んでもらうかなのだが、その方法については、これまた八百万の人が書いている「note活用法」的なコンテンツを読むと参考になる。ところが、八百万の「note活用法」の中で、どうやって自分に合う「note活用法」を見つけるかも大きな問題だ。
 この件に関しては、「note活用法」を発信する側も熾烈な競争にさらされている。八百万の「note活用法」の中から、どうやって自分の「note活用法」を参拝者に読んでもらうか。
「この方法でやれば、○○パーセントの確率で神様に願いが届きます」
という謳い文句を、いかに巧妙に書くかが勝負だ。納得感のある記事にするためには、神様の性格、神様の好み、神様の事情、神様の生態などに関してのリサーチが必要で、実際に神様と対話した時の体験談などを臨場感たっぷりに表現しなければならない。神様の後光はどのようにきらびやかなのかという情景描写、その後光によりどのような幸福感に包まれたのかという心理描写など、文章表現の修行として活用している人もいるという。

 神様に想いや願いを聞いてもらうために、代わりに祈祷してくれる祈祷師という仕事がある。実に便利なサービスだが、注意点がある。繋いではくれるのかもしれないが、叶えられるかどうかは分からない。そもそも、繋いでくれているのかも正直よく分からない。
「いくらか積めば神様にお繋ぎしますよ」
というあやしい祈禱師には騙されないように注意しなければならない。

 冗談はさておき、八百万の編集者と八百万の物書き、八百万の神様と八百万の参拝者、こんな八百万だらけの中で、お互いがマッチングするのは奇跡に近い。将来的に、noteも神社も、AIが勝手にマッチングしてくれるサービスをしてみたらどうだろうか?

 さて、私はどの部類かというと、このような『くだらないエッセイ』を書いていることからもお分かりの通り、「note活用法」「祈祷師」の類でないのは確かだが、ほかの類には全て当てはまるような気がする。その日の気分により類が変わる。とりあえずカメレオンユーザーと名付けておこう。
「なにかくだらねえこと、あるかい?」
「せっかく来たんだから、おみくじでもひいておこう」
「ばかばかしいのは合点承知の助、ちょいと願掛けでもしてみるか」
 私は、そんな風に気楽にnote神社に遊びに来ている。酒を飲みながら、ふらふらと千鳥足で。

 願掛けついでに、ばかばかしい謎掛けをひとつ。
「note創作大賞」と掛けまして「参拝作法」と解く。
その心は?
どちらも「手合わせ」いたします。


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