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ボクは太陽の子。

いつもこんなに悲しいのに、どうしてボクは『明るい』んだろう……。

いつも、いつも、どうしてなんだろう……。


今日もイヤなことがあったよ。

友達の雲くんはたくさんの友達を呼んで、ボクの前をさえぎるんだ。

毎日ボクのことを待っているノボルくんに、今日も会えなかったよ……。

その日の夜、ノボルくんの友達の人形くんが、ボクに会いに来たんだ。

ノボル君がキミに会いたいから「明日こそちゃんと会いに来て」って。

ボクだってノボルくんに会いたかったのに、ボクの気持ちも知らないんだもんな……。



今日はノボルくんに会えそうだったのに、やっぱり会えなかったよ……。

雨雲さんがボクの前でお仕事を始めたんだ。

雨雲さんはみんなのためにお仕事しているから「ちょっとどいてよ」とは言えなくて、けっきょく今日も夜になっちゃったよ……。

今日も会えなくて、ノボルくんは怒っているのかな……。

明日こそちゃんと会いに行くからね。



今日はノボルくんのところに行けそうだったよ。

でも、けっきょくノボルくんには会えなかった。

ノボルくんの家まで行ったんだけど、ノボルくんはなぜか家から出てこなかったんだ。

いつもいつもノボルくんとの約束をやぶっちゃったから、ボクは嫌われちゃったのかな……。

なんだか、悲しい気持ちになっちゃったよ……。

でも、その日の夜に人形くんがボクに会いに来たんだ。

ノボルくんはキミに会いたがっていたんだけど、ノボルのママがキミとは「会っちゃいけない」って言われたらしいんだ……。


どうしてだろう?


ボクはノボルくんのママに嫌われているのかな?

だからボクは、人形くんにたずねたんだ。「どうして?」って。

人形君はこう答えたんだ。

ノボルくんのママはキミのことは嫌いじゃないって、むしろキミのことは好きなんだって。

ノボルくんのママに嫌われていないだってわかったら、ホッとしたよ。


それなら、どうしてだろう? 


人形くんは続けてこう言ったんだ。

「ノボルくんがキミに会うと病気になるからキミに会えないんだ」って。


???


ボクに会うとノボルくんは病気になるの? どうして?

その日の夜、ボクはいつもにまして悲しかった……。

昨日のこともあって、今日のボクはいつもより元気がなかった。

だから、ノボルくんの周りの人たちは、寒くて寒くて、厚着をしていたよ。

その厚着をしている中にノボルくんを見つけたんだ。

だけど、ノボルくんは頭も体も洋服に包まれて、肌の部分が全部隠れていたんだ。

ちょっと変で、ボクは笑っちゃった。

でも、ノボルくんがこんな服装をしているのは、ボクのせいなんだって、すぐにわかったよ。

ボクに会うと病気になっちゃうからなんだね……。

だから、その日はノボルくんに会う勇気がなくて、今日は遠くからノボルくんを見ていたんだ。



その日の夜、ボクが悩んでいたら、太陽のパパがボクのところに来たんだ。

パパはすごく大きくて、いつも真っ赤な顔して怒っているみたいだけど、ほんとうはとても優しいんだ。

パパはボクにこう教えてくれたんだ。

ボクは元気がありすぎるんだって。

でも、ボクが元気がありすぎるのと、ノボルくんの病気はどう関係するんだろう?

ますますボクは悩んじゃうよ……。



まえまえから思っていたんだけど、ボクにはイヤなことがあるんだ。

毎日、毎日、スプレーやエアコンなどからフロンくんが出てきて暴れているんだ。

フロンくんたちが暴れるから、ボクの友達のオゾンくんたちが、たくさんどこかに引越して行っちゃうし……。

オゾンくんたちは、フロンくんたちが苦手なんだね。

オゾンくんたちがたくさんいたことろは、みんな楽しく外で遊んでたのに、最近はあまり遊んでいないんだ。

さみしいな・・・。



日に日にオゾンくんたちはいなくなっていったよ。

そして、日に日に暑い日でも、頭や体も厚着をしている人が多くなったよ……。

ボクは変だと思った。

だって暑いのに、洋服を厚着をしているんだもん。

でも、そのときわかっちゃったんだ。

それがボクのせいだってことに……。

だって、ノボルくんがボクに会うと病気になるって、言われたときのノボルくんのかっこうと同じだから……。

ボクって悪い子なのかな……?

ボクはどうしたらいいのかな……?

もう、ボクはだれにも会いないのかな……?

その日の夜は、すごく悲しかったよ……。



さいきん、ボクはだれとも会っていないんだ……。

だけど、ノボルくんのことだけは毎日遠くから見ているよ。

ノボルくんはボクに会えなくなってから、木を植えたんだ。

そして、勉強を毎日毎日がんばってやってるみたいだよ。



花は何回も何回も枯れては咲き、枯れては咲きを繰り返してたよ。

植えた木は、もうノボルくんの家より大きくなっていたんだ。

それだけじゃないんだ。

ノボルくんはたくさんの友達を集めて、フロンくんたちをおとなしくする呼びかけをしてたんだ。

ボクはうれしかったよ。

だって、フロンくんたちがおとなしくなると、オゾンくんたちが戻ってきてくれるんだもん。

まるで、ノボルくんたちは魔法使いみたいだよね。



それからまもなくボクは、おじいちゃんになったノボルくんに会えたんだ。


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最後までお読み頂き、ありがとうございました💖

太陽の日差しを擬人化した童話を創作しました🌟

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