なごみ

日常の呟きを

なごみ

日常の呟きを

最近の記事

呪い

ななみが死んだ。 3/8に呼吸が荒くなって夜間救急へ駆け込み「覚悟してください」と医師の言葉に涙を必死で堪える。再発した乳癌が肺に転移していて気管支炎を起こしているのではと。隣にいたダックスを連れておばさまに火葬場の情報を聞いたりして、酸素テントレンタルをして自宅へ戻る。夫は仕事終わりだったが協力してくれて、次の日も見てくれた。 11日にななみと一緒に2年暮らした元カレが家にきて嫌ないじり方をしてきたけどななみに会わせてあげたかったから許す。夫とWBCを見て仲良くなって帰

    • 書道教室

      写経を始めた。 字を書いている間はハネはらいとか筆の先を見つめて他のことを忘れる。幼い頃に近所のおばちゃん先生の書道教室に行ってて良かったと思う。 眠くて寝てしまっても寝かせてくれて近所の面倒見のいいおばちゃんみたいな感じで、母が弟にもそういう趣味を持っていた方がいいと続けさせてくれていることはよかったのかもしれない。 和尚さんが「道とつくもの、書道、武道、茶道、などはただ大会に目指して優勝を目的として切磋琢磨し賞をとったら終わりではなく続けていくことでその深みを見出し新た

      • 平穏

        ここ数ヶ月ばかり、穏やかな日が続いている。 オーバワークによる不眠症からの体調不良で転職やら引っ越しやら慌ただしい日が過ぎてから生活がいっぺんして安定しだした。 干渉されずに自分で環境を変えられる、家で休めるということが有難い。 誕生日に死にたいと思うことも無くなったし、家に帰れなくて知らない人の家を渡り歩いたり公園で始発待ちの野宿をした10代を思い出しては今こうして穏やかな日々を送れていることに泣きそうになる。一緒にいるパートナーが穏やかな人で、感情的にならないのもすごく大

        • 迷子

          苦しい苦しい苦しい。 距離を取ってから仕事も生活も順調だったから、程々の距離感で他人事のように聞き流してたことを少し距離を近づけて助けようとしたら自分の古傷を抉ってしまった。 最近父の認知症が始まった祖父に対する暴力や、実家を出た当初から気にかけていた弟たちのこと、母のこと、全部含めて頼られることも必要なことも見捨てられないことも自分の中にあって、聞くたびにトラウマが、幼少期に父親や兄に白豚瀬蟲女と呼ばれていたこと苦しかったこと、スローモーションで近づいて来る怖い顔の父親

          なみだ鼻水

          朝礼中に涙が出てきてコントロールできなかった。そろそろ良くない状態かもしれない。 昔から泣くことが多かったから、人前で涙が出てしまうことはよくあって、しかも泣きしゃっくりが発作的に止まらなくなるせいで、1、2時間は平気で泣いていた。 その度に周りを困らせたりするのが嫌で中学になると涙を鼻に落とす癖がついた。 感情が昂ったり、きつくなってもある程度の涙なら鼻に落とし込むことで一旦はじわぁと目元に滲んでも、鼻から垂れてくる。 「鼻が調子悪くて…」といえば、大抵の人は「花粉症かな

          なみだ鼻水

          体表のイヴォ

          歩いた。今日はたくさん歩いた。 営業先のよっさんが「山ちゃんは結婚できるでしょー大丈夫だよすぐできるよ」とかいう。 人をよく集めるような明るい人だ。 そこにマッサンが「なんの話?」と聞いてくる。 よっさんとマッサンは夫婦で仲がいいようだ。子供がいないっていう同じ境遇もある。 「よっさん呼ぶと嫁ちゃんとか2人ならいいけど、いっぱい連れてくるから困るんだよね。でもやっぱりみんなで呑むの好きだからさ。たまに来て欲しいんだけど、最近こないから」 「ええ、なんだ言ってよマッサン。こ

          体表のイヴォ

          大人の女性

          昔、テレビや外で見る若いお姉さんの肌が、陶器のように白くつるつるとした肌をしていて、なんであんなつるつるになるんだろうと、よく思っていた。 大人になるとみんなああなるのかな。 でもお母さんやおばあちゃんはつるつるじゃないのに。ちゃんとシワもあって。 お人形みたいだな、すごいな。綺麗だな。 そう思ってた。 実際は肌色のファンデーションを塗って、粉をはたいて綺麗にお化粧をしているんだと知った時は衝撃だった。その最下層にある肌は、実際シミもあるし毛穴もある。 ファンデーションや

          大人の女性

          おなじじゃない

          暗闇の中でささくれを剥いた。 明らかにヌルッとした感触が、指先に伝わって匂いを嗅ぐと鉄くさかった。 なんで人って共通点があると好感度上がるんだろう。 考えたけど、K氏が言ってた「前提としてみんな違う人間だから価値観や生き方、モノの見方が違って当たり前。価値観の擦り合わせをいっぱいしよう」を思い出して素敵な考え方だなって思った。 自分の物差しで人を測ると、それしか見えないから本質が見えてこない。 きっと物差しを取っ払って多方面から見ることで、見えるものが沢山ある。 おなじ

          おなじじゃない

          海藻

          夏は無性にネバネバしたものが食べたくなる。オクラや、とろろ、なめこ、納豆、ワカメ、めかぶ、もずく、昆布etc… 特に“もずくスープフリーズドライ”にはお世話になっている。春夏秋冬、一年を通しても楽しめる逸材だ。袋から取り出せばほのかに香る昆布だしに唾液がじんわりと口の中を湿らせ、マグカップに移す際、袋の中に少し残った粉を指先につけて舐めてしまう。お湯を沸かし沸騰する前に火を止めてコップに注げば出来上がる手軽さも有り難い。口に含むと柚子の香りが鼻を抜けるのもまたいい。 昔か

          生命

          寝ぼけ眼でアラームを止める。 4:30くらいから二度寝をして起きたところ。 気を抜けばまた眠りに落ちてしまって体を動かせなくなりそうだから一気に起きて、湯を沸かす。お弁当を詰めてる間に余ったおかずを食べ、粉スープを湯に溶いて飲んだ。それから桃のパピコを食べると、あったかいのと冷たいのが混ざってお腹がギュルギュルと鳴いた。 横になると愛犬が右の脇腹にピッタリと寄り添ってちょうど脇に収まった。ふっくらとしたお腹を撫でると掌に熱が伝わる。思った以上に体温が高い。とても強く逞しくそ

          好きなバンドの

          好きなバンドのライブ映像を見てて思った。 特に何年もバンド続けてる人、ボーカルの人が青年から髭を生やして良い味を持った三十路に突入していたり、声も少し変わっていたり表情が渋くなったり、今目の前で舞台に立っているこの人を形成したのは、それまでに出会った人や物、場所、社会、環境、見た景色、文学、芸術、すぐそこに横たわる現実、全てが今の彼、彼女を形成していると思うと鳥肌が立つ。 これほど多くのものが、これほどまでに成長させたのか、自身でどう受け取ってきたのかそれを飲み込んできたの

          好きなバンドの

          餅の中に内包された 人の本質的なもの (毒)を丸ごと味わってみたい。 どんな味がするだろう 酸っぱい、苦い、辛い、甘い? どんな味でも ちゃんと飲み込むよ なめらかに さぞ美味しそうに頬張って ふふって 顔を綻ばせながら そして私が侵されるのを そっと見ていてよ まだら色になる私を ずっと見ていてよ 涙を流して 唾液を垂らしながら 顔を歪め 狂っていく私を ずっとずっとずっと眺めて 光悦な表情を浮かべて そこから見下ろしてよ そして私の毒を含んで 優しくキスをして 抱

          あの頃の世界

          秒速5センチメートルをみた。 まだケータイも普及していない、手紙でやり取りをする少年少女。 13歳、親の都合について行くしかない無力な自分達。 それでも世界は輝いていたし、舞い散る桜は雪のように降って、世界には自分と彼女でしかなくて、初めて乗る電車はあまりに一分一秒が恐ろしく長く遠く感じる。 大人になってお金も時間も自由も手に入れてしまえば東京と鹿児島だって飛行機で数時間足らずだ。会おうと思えば会える距離で、飛行機から眺める景色をぼうっとみて思いふけてもすぐに着く。 なんな

          あの頃の世界

          金髪

          駅のホーム、乗り換えのために一本見送り電車に乗る直前そのページを見た瞬間、時間が止まった。 私は目の前にあるソレしか見えなくなった。 全身の毛が逆立ち呼吸すらできない。 ROCK‘N ON JAPAN2020 3月号のあるページに髪を金色に染めた彼が写っていた。今まで黒髪マッシュが一番カッコいいと思っていたのに、概念を覆された。 急いで購入ページに移動して即買い。 届くまでの時間が待ち遠しすぎるし、今すぐこの手に入れたいのに出てこなくて、仕方ないのでネット注文する。 余韻

          おばあちゃん

          通称、猫のおばあちゃん。 亀有に住んでいる母方の祖母。 2月に亡くなった。 年末に尾骶骨を骨折し、只でさえ軽い認知で外に出たがらなかったのに、もっと動けなくなってしまった。 心配で、たまに仕事がてら会いに行った。 その時ばかりは融通の効く営業の仕事をしていて良かったと思った。 おばあちゃんが食べれそうなお弁当を駅ビルで買って大好きなモンブランケーキを買って行ってあげようか迷って、そんなに食欲もないだろうとやめた。 タクシーでマンションの階下まで行き、インタホンを押すと、

          おばあちゃん

          カマキリ

          この間郵便ポストに小さいカマキリがおって、草っ原に逃がそうと背中を掴んだらぐるりんと上体捻りをしてカマをこちらに向けてきて思わず手を離してしまった。大して痛くないのについ離してしまう。 大人になって虫が苦手になるのは、何故だろう。昔は触れたのに。 少し悲しくなったりする。 カマキリとか、トンボとか、バッタとか。 調べてみたら、情報不足とあった。 昔仲良かった人と連絡全然取らなくて、少しずつ疎遠になって久しぶりにSNSで見かけたけど、もうそんな親しいわけでもなくて、昔と違っ

          カマキリ