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金髪


駅のホーム、乗り換えのために一本見送り電車に乗る直前そのページを見た瞬間、時間が止まった。

私は目の前にあるソレしか見えなくなった。
全身の毛が逆立ち呼吸すらできない。
ROCK‘N ON JAPAN2020 3月号のあるページに髪を金色に染めた彼が写っていた。今まで黒髪マッシュが一番カッコいいと思っていたのに、概念を覆された。
急いで購入ページに移動して即買い。

届くまでの時間が待ち遠しすぎるし、今すぐこの手に入れたいのに出てこなくて、仕方ないのでネット注文する。
余韻に浸っている間も電車は、走り続ける。
どんどん変わっていく景色が走馬灯のように見えて、いつもなら駅のホームから東海道線を見送るのに私は見送られる側の電車にのっている。

上空には飛行機、ひらけた視界にランドマークタワーがしっかりと立っていた。
ぞわぞわとする肌をさすりながら、こうして人は沼にハマっていくのだと初めて実感した。
想像してるだけで濡れる。
この感情を歓喜の叫びとともに吐き出したい気分だ。

こんな感覚初めてだ。感受性のアンテナをアーティストに向けるということが今まで、フジファブリックの志村さんに出会ったときに少しだけ感じたが、ハッキリと向けることがこんなにも恐ろしいことだとは思わなかった。

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