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『罪の声』(講談社文庫)塩田武士

 こんにちは☀️七海です!
 今回は塩田武士さんの『罪の声』の読書感想文です。
この小説は2020年に小栗旬さんと星野源さんのW主演で映画化されたので、知っている方も多いかと思います。

 公開された2020年10月末当時はコロナの関係で映画館に行くことに不安を抱いていたこともあり、映画はまだ観ていません。

 機会があれば、ぜひ何らかの形で観たいと思っているのですが、映画を観る前に原作を読もうかなと思い、購入しました。 



🍪あらすじ(amazonより引用)🍪


「これは、自分の声だ」 
京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それはかつて、日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め--。 
圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。 



🍘『罪の声』の題材となった「グリコ森永事件」🍘

 
グリコ森永事件ついて、知らないよーという方は以下の記事をご覧ください。


 私は現在、22歳なのでグリコ森永事件のことは、『罪の声』の映画が始まるまで知りませんでした。
 怪我人や死者は出ていないとのことですが…
 やはり、子どもの声を犯行に利用するところに犯人グループの残忍さを感じます。
犯行に至るまでには何か事情があったのかもしれませんが、子どもを犯罪に巻き込むのは絶対に許されないことだと思います。犯人が捕まってないことを残念に思います。



🍬感想🍬
 この小説は「グリコ森永事件」をモチーフにしたフィクションです。あくまでもフィクションなのですが、音声テープや脅迫状、挑戦状の内容や事件の内容、警察の動きなどはほぼ、現実の事件と同じになっています。

 現実では犯人の足取りは掴めず…ですが、作中では、新聞記者である阿久津と音声テープの声の主である曽根が協力し、犯人や犯行動機を突き止めます。 

 実際の犯人が分かったわけではないけど、読み進めていくうちに犯人の姿が明らかになっていくので、本当にワクワクしながら読めました。  


 また、この作品を読んで、フィクションだから表現できることってあるなーと思いました。


フィクションである『罪の声』には、自分の声が事件に利用された曽根の葛藤や、犯人グループの一味である男の家族が事件後に歩んだ壮絶な人生についても丁寧に描かれています。
あくまで想像ではあるけれど、直接、犯行に関わっていないにも関わらず、事件に巻き込まれ、苦しい思いをした人がいるのかもしれないと考えると、なんとも居た堪れない気持ちになりました。

声を利用された人の辛さ、犯人の家族の人生…これは、フィクションだからこそ描けるものです。


 フィクションなんてただの作り物だってバカにする人もいるけど、私はやっぱり、人の気持ちや人生を想像し、より深く表現することのできるフィクションが大好きです。





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