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nanakinanashino
2020年9月30日 08:59
振り撒く言伝てに来よ見よと 虫が鳴くあれにこれにさざ波たつ心 不知火の言の葉声なき声眼なき涙還ろうや かの人のもとへと孵ろうや かの地から麓へと跳立つには早すぎて留まるには時もなしさわさわと虫は鳴くあの道を逝こうや 時 幽かに震えれども
2020年9月28日 20:20
しとしとと 雨は降り来る死と死とと 飴は降り来る足音を鳴らし影を落とし夏の終わり 秋風が運ぶ寒々しく粛々と帰らずの川 岸辺には船じくじくと 雨に熔けるじくじくと 飴は溶ける枯れた地を 炙るため渇れた喉を 潤すため黄金の光 向こう岸果て迄
2020年9月27日 19:59
花が咲くように 死は咲く掬い手のように摘む手のように花が裂くように 死は裂く救い手のように積む手のように見慣れた姿を眼の裏に見知らぬ顔を目の前に待つ手もあらば迎え手もあらば送ること去ること赦すこと揺られ子らよと 天からの導は続くみちては
2020年9月18日 15:02
ひっくり返したおもちゃ箱これは不安これは焦燥拾い上げては投げ棄てて感情の海に溺れてく傷む心痛む体抱えた爆弾持て余し右手にはライター左手には導火線いかりの子 本気のいたずら罰ゲームはもろともに三つ子の魂百まで罰ゲームは これから これから
2020年9月10日 19:11
消えてた顔が消えなくなって網膜の裏 金色にひかるこの感情に名前を付ければきっと私は死んでしまう手の震えは止まらないまま嘔吐く 脳内が侵略される死んでしまう 死んでしまう止まらない衝動と訳のわからない感情と黒く塗り潰された何かと死んでゆく死なないで
2020年9月2日 23:51
燦々と降り積もる この世の叡知光る粒暗がりから顕る津々と溢れ出る 空と大地を結ぶ糸爪弾く音となり波紋となる歓びよ 謳え無数の星ぼしから産まれる詩を雨のごとく降れ陽射しのごとく射せあられもない衝動よここに至るまでの積雪を溶かせ彼方からの声よ響け
2020年9月2日 20:10
ひとは ひとしずくせに なをかけるしづく ものいいなのることもなしひょうじょうに いずるかけるは こころにおいたち かわもながるるせにせを よるべつきあがる そらへ旅人は見た 今生の空浮世の通り路幻夢の道標足跡に花を散らし ひとよと すべる