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「スキする」は「キスする」とおんなじだよ、と言いたかったの回

 承認欲求とは厄介なものだ。note に作品を投稿していると、スキやフォローの通知が気になって、度々ログインしては、画面の右上に注目してしまう。何日かに1回しかないが、赤イイ通知マークが点いていたりすると、「うわぁ、点いた ♡」と年甲斐もなく喜んでしまう。スキ or フォローしてくれた読者さん(「読者のみなさん」を縮めさせてもらいました)には、こんなヘッポコ文章につき合ってくれて、ヘッポ子同士(← 読者をディスるな!)、傷をなめ合えるなんて、まったく嬉しいことこの先ない、と感謝申し上げたい。

 しかし、およそ3611字までの文章を最後まで読んでもらって、スキ or フォローしてもらうというのは、なかなかにハードルが高いものだ。だってほら、あなたも今まさに、このページから離脱しようとしてるでしょ? でも、ちょっと待って。ここはひとまず、堪《こら》えて読み進めてみておくんなまし。スキ or フォローするかどうかは読み終えてからでいいやん。ウチからは見えないけど、何もリアクションしない場合を除いて、そのスキ or フォローが、最後まで読まれずにクリックされたものかもしれないと思うと、けっこう辛イイ《つらイイ》。

 というのは、ウチもポン骨なりに作品を作ってきて、創作には、粘り強く作品を磨き続けるエネルギーや時間が「こんなに要るんか!」というくらい必要だってことを思い知ったのだ。だから、最後まで読まれなかったのかと思うと、一生懸命つくった労力と時間がまったく報われなかったと思って、とっても心が痛イイ。作品づくりをしている人間なら、きっと誰もがくちびるを噛んで、猫パンチ・ノートに、思いの竹を書き込んでしまうよ。

 最後まで読まれたのなら、スキ or フォローされるかどうかは問題ではない、と言うより、それは当然、読者のみなさんの自由だ。ただ、もしスキ or フォローしてもらえれば、そりゃ、嬉C。嬉CZ!とも思うし、作品が評価されたと安堵もする。だが、一方で心配なこともある。それは、評価の数字に気持ちが振りまわされてしまうということ。数字が伸びれば、作品が「評価された」と喜び、数字が伸びなければ、「評価されなかった」と落ち込むということである。そんなふうに、数字にブンまわされてしまうのは、心のどこかに実は、「大勢の人に認めてもらいたい」とか、「労力を費やした分は報われたい」と思う部分分分があるからだろう。

 でも、そんなことはとっくに諦めていたはずだ。どんなに人の心に響くような作品をつくろうとしても叶わなかったから、大勢の人に認められるものは書けないと思い知った。それならと、「売れるマーケテング」的発想で作品をつくろうともしたが、創作そのものがつまらなくなってしまったので、そのやり方はきれいさっぽろ、捨てたのだ。そして、今はただ個人的な楽しみと割り切って作品をつくっている。だから、本来は数字を気にする必要はないのである。

 そもそも、労力をかけた分が必ずしも評価に反映されないのが、表現の世界である。それこそ、「それでもA」と活動するのが表現者だとすれば、プロフィールにも書いたとおり、今は「ナミオ節の完成」という目標に向かって突っ走ることこそ、ウチに必要な姿勢だろう。
 とすれば、スキ or フォローの通知に一喜一憂している場合ではないし、ましてや、『人生が変わる1分間の深イイ話』の「深イイ」に、引っ張られている場合でもない。ただ一心腐乱 不乱に、おのれのブシ《節》に磨きをかけている場合なのだ。それが、ウチの別人格である古鳥ナミオというおいちゃんにとって、最大のプライオリ茶《ティー》なのである。そしていつか、完成した「ブシ」が、作品を最後まで楽しめるだけのものにしてくれたなら・・・。ウチが犬なら、迷わず「うれしょん」しちゃう ♡ ※

 と、雑文アーティスト(何じゃ、そりゃ?)っぽいことを言ってはみたものの、実際にはそんなふうに取り組めていないのが現実である。ヒマさえあれば通知の有無を確認してしまうし、通知マークが白イイのを確認しては落胆している。いったい、どうしてそんなに、ウチは通知が気になってしまうのだろう? どうして承認欲求を抑えられないのだろう?
 
 それはやはり、普段の生活のなかで褒められることが無さすぎるからだろう。引く手あまたのビジネスパーソソでもないし、業務独占的スキルをもっているわけでもないから、初対面の人に「ゴイスーですねー」なんて言われることもない。おまけに、可処分所得が低くて生活も大変ときている。自己高低感 !? が下に振れて、褒められたい気持ちとお金をもらいたい気持ちが膨張するのも当然だ。
 そんなウチが、ヘッポコな文章を書くことだけにおいては、今まで経験してきた仕事や遊びにはなかった充実感を覚えているのだ。そりゃあ、ここにお金をオンする(=合流させる)ことができたら「うれしぃぃeeeee!」に決まってる。

 ウチの承認欲求の大半は、こういう「商人欲求」でできているのだ(テヘッ)。そんな「商人欲求にびっちし漬かりきった脳みそ」を、節づくりに集中させるためには、一度 ボトックス デトックスして、解毒&解脱したほうがいい。なお、ここでの「解毒」は、商人欲求を希薄化することを・・・、「解脱」は、note の通知に振りまわされずに、粛々と「ブシ」を磨き続けることを、それぞれ想定している。
 そうしないと、スキ&フォローの数に盆踊らされて、ブシの開発に取り組むべき時間がどんどん奪われてしまう。ウチらの集中力は、低イイのだ。※

 まずは解毒の方法であるが、この先11年は商人を目指すのはやめよう。そのかわり、いつかおいちゃんに、「不遇のときも、NKらしさは失わなかったよね」と言ってあげられるよう、彼の「生き証人」を目指そう(『NK』は、小室哲哉の愛称『TK』からの新発想)。よ~し、「商人欲求」から「証人欲求」に DEPARTURES 《出発》するまし。※ 

 次に解脱の方法であるが、スキ&フォロー数の増減に、ウチの気持ちが振りまわされないようにするには、常に一定のスキ or フォローが来ることが望ましい。そうして、安定した気持ちで作品づくりに没頭することが、節づくりには最&適だと思うので、みなさん、これまで通り作品を最後まで読んで、「寒イイね!」って思ったときだけ、「本気のスキ℠」してね。やり方は、正座をして、床に置いたマウスをおでこでクリックするだけ(「本気のフォロー℠」も、おんなじ)。
 ちなみに、急なデートや急な修羅場が入って、読み終わる前に止むを得ずスキ or フォローしたいときでも、「本気のスキ℠」 or 「本気のフォロー℠」でクリックしてくれたら・・・
 ゆ・る・し・ちゃ・う ♡
 そのスキが全部ウソじゃ、ウチは悲しいんよ。そのフォローが全部まぼろしじゃ、ウチは切ないんよ。ひとかけ《一片》でいいから、ホントがあってほしい。だから大事なこと、言っとくね。

 「スキする」は「キスする」とおんなじだよ ―――。
 ( ↑ タイトル、来たー!)
  
 みんなだって出会い頭系で知り合った人と、「ちょっといいな」って思ったくらいでキスしないでしょ? 
 その人の病気を「手術してやる」くらいに思えなきゃ・・・、その人の棺桶を「創ってやる」くらいに思えなきゃ・・・、しないでしょ? 
 ウチは、それくらいの気持ちでスキしとるんよ 。ウチは、そういう時代の人間じゃけぇ・・・
 きしょイイじゃろ?




※ 人生が変わる1分間の深イイ話  :
日本テレビで2008年~2022年まで放送されていた番組

※ プライオリティ  :[priority]優先順位
※ うれしょん    :犬がうれしいときなどにする、おもらし

※ ボトックス  :
ボツリヌス毒素を使用した、シワの原因となる筋肉の過剰な収縮を抑える治療法

※ デトックス    :体内から毒素を排出する健康法


Ⓒ2022  Namio Kotori


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