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誘導なんてできねぇ

 ネット上の投稿記事を読んでいると、ときどき、文章の最後に「スキ&フォローしてくれたら嬉しいです」と書いてあるのを見かける。
 あの言葉は、「コール・トゥ・アクション《Call To Action[CTA]:行動喚起》」と呼ばれる、Web マーケティングの手法のひとつだそうで、投稿者が読者に期待している行動を具体的な言葉にして呼びかけることで、読者がその通りに行動することを促しているのだそうだ。

 上の例で言えば、投稿者が読者に期待しているのは、スキボタンをクリックしてもらったり、フォロワーになってもらったりすることになるが、「スキ&フォローして・・・」の言葉があることで、読者が思わずクリックしてしまうことがあるのだそうだ。
 商品の販売サイトなどでも、「資料請求はコチラ」「残り○日:購入する」など、消費者の購買心理を分析して導き出された様々な法則にもとづいて、商品購入までの操作が滞って離脱されないよう、CTAでクリック位置の視認性を高めていると言う。

 なるほどねぇ~。でも、オイラはCTAを使えないのよねぇ~。だって、前回の記事で、あれほど承認欲求をデトックスすると息巻いちゃったからねぇ。その舌の根も乾かぬうちから、「よろしければ、スキしてくだせぇ」とか、「フォローしてくれたら、ボクちゃん、うれちぃ!」なんて、恥ずかしすぎて、できるわけがない。
 それに、スキボタンをクリックしようかどうか迷っている読者を誘導している感じが、どうもスッキリしない。テクニックで誘導した数字じゃ、作品の評価として数えられないだろう。こちとら江戸っ子だぜぃ。
 「きっぱりスキと言えねぇのなら、他所《よそ》の奴んとこへ、行ってしまいやがれってんでぇ(落涙)」
 誰かドライヤー持ってきて~。舌の根、乾かすから~。

 また、これもCTAを使えない大きな理由だが、購買心理学のテクニックを知っている人には、「ああ、アレね」と、こちらの作戦がバレてしまうというのは問題だ。バレていてなお、「スキ&フォロー&拡散、大歓迎!!!」などという、投稿者側の赤裸々な願望(オイラの願望ではない! オイラのは「渇望」だ!)を、あからさまに表現するだけの強いメンタルがオイラには、ぬぁーい。

 そんなんこんなんで、今後もCTAを、自分の作品には入れないつもりだ。Web マーケティング的に見れば、CTAを入れないのは誤った考えだろうが、改心する気はない。だって、オイラの作品が市場(「いちば」 ではなく「しじょう」ね)に受け入れられるなんて、思ってないもーん (^^)/ 
 けどCTAって、発音が「PTA」に似てて覚えやすいし、具体的な作り方も覚えておいて損はないだろうから、一度くらいは「練習として載せてみようか」と、思わないでもない。って、ホントはけっこう本気で、数字を取りにいこうとしてたりして? 

 やだ。
 ド・ン・ピ・チャッ。


 と言うわけで、本作の終わりに、最初で最後のコール・トゥ・アクション、載せちゃおうか。載せて、最後まで記事を読んでくれた優しい読者のみなさんに、粋な誘導、しちゃおうか。こちとら江戸っ子だ、いっちょ、やってみっか。
 
 では・・・。



 おめぇさん、今日も最後まで読んでくれて、ありがとな。
 できたら、右の口角を上げて、「ふふっ」と笑っとくれよ。そうしてくれりゃあ、オレぁ嬉しいよ。

 ちなみに、このCTA。「A」は「AFFECTION《アフェクション:愛着》」の「A」なんだぜぃ。いつもオイラの作品を可愛がってくれて、ほんとに、ありがとな。 
 そいじゃ、アフェクトついでに、もう5ミリほど口角を斜め上に引き上げてみようか。

 そしたら、ほら。
 「桑田真澄の顔マネをするあばれる君」の、顔だ。

 あばよっ!




Ⓒ2022  Namio Kotori


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