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中妻穣太:武研門
2024年2月10日 20:37
中国北派武術をグルグルと周回し続け、現在華拳がマイブーム。食わず嫌いだったなこれ…。長拳系の中では一番いい。いわば「基本地獄」。😅これがちゃんとできるなら、弱いわけがない。華拳の源流は、また中国武術の例に漏れずよくわからない。いくらなんでも、唐代にまでルーツを遡れるとは思えないのだが…。類似する型・技術を持つ査拳と、どこかで分かれたと考えるのが自然であろうと思われる。(査拳
2024年1月24日 09:30
王宗岳『太極拳論』で語られる「双重の病」は非常に重要である。「偏が沈なれば即ち随し、双が重なれば即ち滞る。数年も純功あれど運化不能たる者を毎々に見るのは、概ね皆自ら人に制され、未だに双重の病を悟らぬためである」これは太極拳に限った話ではなく、凡そ「双重の病」にかかると、動くことができない。自分が「双重の病」にかかってないかどうか、常に眼を光らせておく。これも非常に重要な稽古だ。伝
2022年12月17日 18:48
12/13、井上尚弥がポール・バトラーを制し、バンタム級でアジア人初の4団体制覇を成し遂げた。脱帽という他ない。単に4団体制覇したのみならず、それぞれの王者全員をKOしているのである。今回のバトラー戦においては、ノーガードで顔面を晒したり、さらには両手を後ろに組んだりと、余裕綽々とも見える試合運びだった。まさに「怪物」である。ただ、井上尚弥の強さを「怪物だ、すごい」で終わらせてしま
2022年10月4日 19:22
おすすめ本紹介。楊進『太極拳経解釈 至虚への道』太極拳をやる上での最重要伝書と言うべき王宗岳の「太極拳経(論)」の注釈本。正直言うと、注釈自体は表現がちょっと現代的すぎて、誤解を生じるおそれが無きにしも非ず。私の知る限り、「太極拳経」を学ぶための日本語最良の著作は、銭育才の『太極拳理論の要諦』だ。 太極拳理論の要諦―王宗岳と武禹襄の
2022年9月7日 18:06
パンサー尾形がメインキャストの、NHK「笑わない数学」。どう見ても数学が得意なわけがない尾形が「ポアンカレ予想」とか「フェルマーの最終定理」とかを解説するものだから、つい「大丈夫か尾形!?」とハラハラ感で見ているうちに、いつの間にか数学に親しめる…という、前代未聞の戦略の教育番組。小2の次男がこの「笑わない数学」にハマり、なんと「虚数」に関心を持った。 虚数の本がほしいというから、ジ
2022年7月14日 04:54
光岡英稔・名越康文共著 #感情の向こうがわ 読了。 せっかくこの“稀書”を読んだのだから何か書いておきたい…と思ったが、初手から困った。 「政治家アカウント」で書こうか「武術家アカウント」で書こうか困った、のだ。 武術家などと名乗っても、私では到底光岡英稔先生を論評などできはしない。逆に言うと、光岡英稔先生からある程度学び続けた者からすれば、ここに書かれていることは「いつもの光岡先生
2021年9月13日 18:50
たまたま「カルノタウルスに羽毛はなかった」という記事を見かけた。カルノタウルスの前足は特徴的で、ティラノサウルスよりもさらに退化(あるいは「洗練」)し、肘もなくなりほとんど残滓だけになっていて、何の役割も果たしてないと思われる。二足歩行のひとつの方向性と考えられる。上野の国立科学博物館には「しゃがんだティラノサウルス」という、世界的にも珍しいポーズの復元骨格があるのでぜひ見ていただきたい
2021年7月9日 03:26
「普段から何を意識して練習しているかが重要なのだ。どんな小さなことでもいい。その意識しているものが、やがて自分の長所になる。逆に漠然と毎日のジムワークをこなすだけでは、意識している人との差はどんどん広がっていく。そこに上達はない。そのうち自分のできることしかできなくなる」(井上尚弥「勝ちスイッチ」)やはり、さすがの人物はさすがの見識を持っている。井上尚弥も、相当に試行錯誤を積み重ねて現在に至
2021年6月26日 14:36
注目の井上尚弥・ダスマリナス戦は、井上が3RでTKO勝利。大方の見込み通り、圧倒的な強さを見せつけた。深遠なる左ボディブロー特に、かすっただけで悶絶する恐るべき左ボディブローに注目が集まった。私としても、ボクシングで最も妙味が深いパンチは左ボディブローだと思っている。実際にサンドバッグなどに打ち込んでみればわかる。身体の集注観がズレていると、こっちの身体のほうが「ズキッ」と来てしまう
2021年1月23日 19:45
アンダース・エリクソン著『超一流になるのは才能か努力か?』を読了した。いわゆる超一流と言われる人々…モーツァルト、ピカソ、タイガー・ウッズ、パガニーニといった人々も、「生まれつきの才能」で超一流になったというエビデンスはない。超一流になる方法は「適切な方法で練習を重ねる」以外にない、ということを30年間の研究をもとに論ずる本で、大変参考になった。興味を持たれた方はぜひ本書をお読みいただけ
2021年1月6日 02:00
年末年始、銭育才「太極拳理論の要諦」を読み進めている。何度も行きつ戻りつ、実際に身体を動かしながら読んでいる。疑問点があれば、他の書籍を見たり、ネットで検索したり、YouTubeを見たりしている。まるで套路を学ぶように書を読むという読書体験。私の目下最大の関心事は、「『事が起こる』とはどういうことか」だ。太極拳で言えば、なぜ直立の姿勢から左脚が上がるのか。王宗岳の言葉で言えば、「無
2020年9月5日 03:55
以前、神田神保町の叢文閣書店で「武術(うーしゅう)」のバックナンバーがたくさんあるのを見つけ、これはと思うものを購入しておいた。「武術」は2005年に休刊になってしまった中国武術専門誌。当然ながら現地取材しないと成り立たないコンセプトなので、貴重な記事がたくさんあり、現在でもその価値は高い。その「武術」の心意六合拳の記事をまとめたムック「心意六合拳SPECIAL」に、「心意六合拳の十失」とい
2020年4月27日 17:49
入門初日の稽古「馬歩」について、改めて考える。(原作・松田隆智 作画・藤原芳秀『拳児』)『拳児』では、姿勢や套路が非常に正確に描かれていると思う。しかし、それでも「見ただけ」ではわからない。師の形を見て、師がやった通りにしようと思っても、その通りにならない。「見た目だけのチェック」では「核」にたどり着かない。自らの「内的経験」というものが存在することをまず知らねならない。正しい