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プライオメトリックトレーニング

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プライオメトリックトレーニングについて生理学的、解剖学的に記事にしています。
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プライオメトリクス系まとめ:Plyometrics Series

プライオメトリクス系まとめ:Plyometrics Series

Twitterにて投稿しているプライオメトリクスのまとめを作成しました。

皆様のトレーニングの一助になれば幸いです。

ストレッチ-ショートニングサイクル(伸張-短縮)のメカニズムと強化方法(経済的なスプリント走(SSCの効率的な利用)では、力学的エネルギー全体のおよそ60%を回復することができる)

ストレッチ-ショートニングサイクル(伸張-短縮)のメカニズムと強化方法(経済的なスプリント走(SSCの効率的な利用)では、力学的エネルギー全体のおよそ60%を回復することができる)

ストレッチショートニングサイク(SSC)の効率的なメカニズムストレッチショートニングサイク(SSC)の効率的なメカニズムは、エネルギーを節約し、推進力を増大させます。

よく知られていることですが、反動動作(予備伸張)を行なった垂直跳びでは、(反動動作を伴わない)スクワットジャンプよりも鉛直方向の変位(跳躍高)が大きくなります。

研究結果からその変位の違いは18~20%から20~30%の範囲であ

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子供が疲労に対して示す反応(ハムストリングスの筋活動のタイミングと速度が変化すると、脛骨の安定性が低下、それにより脛骨の前方移動が増大するため、ACLが受ける機械適応力が増大する)

子供が疲労に対して示す反応(ハムストリングスの筋活動のタイミングと速度が変化すると、脛骨の安定性が低下、それにより脛骨の前方移動が増大するため、ACLが受ける機械適応力が増大する)

子供が疲労に対して示す反応 年齢、成熟度によって異なることが、近年の研究により明らかにされています。

欧州サッカー連盟(UEFA)に提出された報告書では、思春期前、思春期、思春期後の女子において、短時間の模擬的サッカーを用いた疲労プロトコルを実施後、下肢スティフネス、電気力学的遅延、および機能的な大腿四頭筋とハムストリングスの筋力比に違いは見られないとのデータを示しています。

これら

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子どものジャンプパフォーマンス(思春期前の子どもは、反動作中にかがみ込む深さに違いがみられること、離地の際に(重心線に対して)より後方に傾いた姿勢をとることに、このような違いは、かがむ際に可動域(ROM)が制限されている)

子どものジャンプパフォーマンス(思春期前の子どもは、反動作中にかがみ込む深さに違いがみられること、離地の際に(重心線に対して)より後方に傾いた姿勢をとることに、このような違いは、かがむ際に可動域(ROM)が制限されている)

予備伸張の増強作用によるパフォーマンスの向上これまでの研究にて言及された予備伸張の増強作用によるパフォーマンスの向上は、主に成人を対象とした調査から得られています。

青少年、とくに思春期と思春期前の若者は、筋/腱の反射の発達に関してまだ十分な成熟レベルに達していないため、同レベルの増強作用は見込めないとされています。

子どもと大人のジャンプパフォーマンスの比較を試みた研究は多数あり、Wangら

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年齢と腱の柔軟性(幼い子どもの腱構造は最も柔軟性が高く、成人はスティフネスが大きく、年少の少年の腱における伸張は特に高く、筋の横断面積当たり0.35MPa以上で、他の2群より著しく高くなる)

年齢と腱の柔軟性(幼い子どもの腱構造は最も柔軟性が高く、成人はスティフネスが大きく、年少の少年の腱における伸張は特に高く、筋の横断面積当たり0.35MPa以上で、他の2群より著しく高くなる)

異なる年齢集団における腱の柔軟性Kuboらは、3つの異なる年齢集団における腱の柔軟性を調べました。

その結果、幼年者と年長の少年、そして成人男性の間で筋の柔軟性に有意差があることが認められました。

報告によると、幼い子どもの腱構造は最も柔軟性が高く、成人はスティフネスが大きく、年少の少年の腱における伸張は特に高く、筋の横断面積当たり0.35MPa以上で、他の2群より著しく高くなりました。

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アスリートの垂直跳びの高さを増大させる伸張性局面の時間(伸張性局面における力発揮の時間が長いことが、CMJにおけるVJの高さの最大の要因であるとされる)

アスリートの垂直跳びの高さを増大させる伸張性局面の時間(伸張性局面における力発揮の時間が長いことが、CMJにおけるVJの高さの最大の要因であるとされる)

垂直跳びにおける生理学的反応垂直跳び(VJ)の高さは、短縮性筋活動の前に反動動作(CM、カウンタームーブメント)を加えることにより増大できます。

このCMは、伸張-短縮サイクル(SSC、ストレッチショートニングサイクル)といわれる重要な筋活動の一部になります。

SSCはさらに2種類の活動として定義できます。

ひとつは、長いSSCで、骨格関節の大きな角変位を伴いCMが250ミリ秒を超えます。

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伸張-短縮サイクル:SSC(伸張反射による短縮性筋活動が生む収縮力が増強され、この反射は運動神経の興奮レベルと動作の振幅の小ささに影響する)

伸張-短縮サイクル:SSC(伸張反射による短縮性筋活動が生む収縮力が増強され、この反射は運動神経の興奮レベルと動作の振幅の小ささに影響する)

伸張-短縮サイクルパフォーマンスのための伸張性トレーニング
筋が抵抗に打ち勝つことを求められる際(短縮性筋活動によって収縮することを求められるとき)、それを実行する能力は、短縮性筋活動の前に伸張性活動が行われているかどうかにより決まるとされています。

短縮性筋活動だけによる発揮筋力は、先行的に伸張性筋活動を伴う短縮性筋活動よりも低いことが研究によって示されています。

SSC(STRETCH S

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