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子どものジャンプパフォーマンス(思春期前の子どもは、反動作中にかがみ込む深さに違いがみられること、離地の際に(重心線に対して)より後方に傾いた姿勢をとることに、このような違いは、かがむ際に可動域(ROM)が制限されている)

予備伸張の増強作用によるパフォーマンスの向上

これまでの研究にて言及された予備伸張の増強作用によるパフォーマンスの向上は、主に成人を対象とした調査から得られています。

青少年、とくに思春期と思春期前の若者は、筋/腱の反射の発達に関してまだ十分な成熟レベルに達していないため、同レベルの増強作用は見込めないとされています。

子どもと大人のジャンプパフォーマンスの比較を試みた研究は多数あり、Wangらは思春期前の子ども(6±0.41歳)のCMJパフォーマンスを成人(18±0.50歳)のパフォーマンスと比較し、著者はジャンプ動作の範囲に有意な違いがあること、特に、思春期前の子どもは、反動作中にかがみ込む深さに違いがみられること、また、離地の際に(重心線に対して)より後方に傾いた姿勢をとることに気づき、このような違いは、かがむ際に可動域(ROM)が制限されていることを指摘しました。

これは、離地前の膝の関節機能の未熟さが原因とされています。

離地では、子どもの足関節と膝関節のROMに制限があることが関節され、ジャンプ能力の低さを示していますが、それはジャンプ経験の不足による可能性、あるいは(可能性はより低いが)身体的な限界とされています。

成人と子供

未熟な関節機能は、成人とは異なる発火パターンを意味し、かがみ込んだ姿勢に身体を下ろすために、子どもは主に関節屈曲筋群の短縮性筋活動を用いますが、これは関節屈曲筋群の短縮性筋活動と関節伸展筋群の伸張性筋活動の両方を用いる大人とは異なります。

このような違いは、経験不足と未熟な関節機能によりジャンプの効率的なフォームが身についていないことが原因と考えられます。

また、コーディネーションの欠如は、現時点の成熟段階において、運動系がSSCを十分活用できないことを示唆している可能性もあります。

異なる年齢集団における腱の柔軟性
Kuboらは、3つの異なる年齢集団における腱の柔軟性を調べました。

その結果、幼年者と年長の少年、そして成人男性の間で筋の柔軟性に有意差があることが認められました。

報告によると、幼い子どもの腱構造は最も柔軟性が高く、成人はスティフネスが大きく、年少の少年の腱における伸張は特に高く、筋の横断面積当たり0.35MPa以上で、他の2群より著しく高くなりました。

年長の少年と成人の比較では、腱の伸張性に有意差は認められませんでした。

この研究では、スティフネスとはレッグエクステンション中の上げる動作段階における推定筋力と腱伸張との関係になります。

青少年の筋/腱の柔軟性に関する観察結果は、他の研究でも裏付けられています。

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