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#ベンチャーキャピタル

AI関連スタートアップの売上高マルチプルはおおよそ25倍である、というレポート

AI関連スタートアップの売上高マルチプルはおおよそ25倍である、というレポート

2022年のOpenAIによるChat GPTのリリース以降、急速にその市場を拡大させつつあるAI関連スタートアップ。

AI関連スタートアップの資金調達の件数・調達額が共に拡大傾向にある現在、ポーランドのワルシャワにあるM&A助言会社であるAventis Advisorsが上述のレポートを公表している。

ChatGPTをはじめとする革新的な生成AIモデルの発表は世界に衝撃を与えた。生成AIの登

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Mistral AIがバリュエーション(pre-money) 60億米ドルで資金調達

Mistral AIがバリュエーション(pre-money) 60億米ドルで資金調達

MetaとGoogleのDeepMindの卒業生によって設立されたフランスの生成AIスタートアップ、Mistral AIが640百万米ドル(デット・エクイティ調達合計額)を企業価値60億米ドルで調達したとのこと。

シリーズBでこの大規模な調達額及び企業価値は業界の中央値と比べても完全に外れ値である。下記のAI関連スタートアップのバリュエーションがまとめられたレポートによれば、同分野におけるスター

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ベンチャーキャピタルの仕事は「外れ値」に投資をすること by マーク・アンドリーセン

ベンチャーキャピタルの仕事は「外れ値」に投資をすること by マーク・アンドリーセン

以上はシリコンバレーの大手ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの創業者であるマーク・アンドリーセンがその昔、スタンフォード大学で行った講演の一部抜粋である。

なぜ、「チェックボックスが全て埋まった企業は凡庸な企業」になるのか。おそらく、チェックリスト方式のスクリーニングは「損をしない」企業を探すためには有効だが、「10倍、20倍に成長する」企業を探すためにはあまり役に立たないからだ

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スタートアップアイデアの作り方・テストの仕方 How to get and test startup ideas by Mike Seibel

スタートアップアイデアの作り方・テストの仕方 How to get and test startup ideas by Mike Seibel

https://www.youtube.com/watch?v=vDXkpJw16os&t=235s

YコンビネータのCEOで元Justin TV(後にTwitchに名称変更しAmazonへ企業を売却)の共同創業者、Mike Seibel氏による6分くらいの動画です。スタートアッププロダクトをゼロから作り始める際の留意点・アドバイスが非常にコンパクトにまとまっていてわかりやすかったので以下、メモ

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韓国のAI半導体チップ開発スタートアップ、RebellionがシリーズBの資金調達を実施中

韓国のAI半導体チップ開発スタートアップ、RebellionがシリーズBの資金調達を実施中

韓国のAI用半導体チップを設計・開発するスタートアップ、Rebellionが2023年末にかけて総額100百万米ドルの資金を調達するとの記事を見つけた(上記リンクご参照)。シリーズBの資金調達で、Pre-Moneyの評価額は500百万米ドルに上るとのこと。

Rebellion概要

企業ウェブサイト:https://rebellions.ai/?ckattempt=1

本社所在地:韓国、ソウル

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2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

上記Crunchbaseの記事の題名の通り、2023年に最も投資件数を積み上げたのはアンドリーセン・ホロウィッツだった。ただし、これはシードラウンド以降の3百万米ドル以上の資金調達(つまり大まかにいうとシリーズA以降)におけるランキングである。2年前まではこのランキング上位を独占していたTiger GlobalやSequoia Capitalが消えてしまったことは特筆すべき事項だろう。

アンドリ

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セコイア・キャピタルのファンドパフォーマンスについて

セコイア・キャピタルのファンドパフォーマンスについて

1972年に設立され、これまでApple、Cisco Systems、PayPayl、YouTube等のシリコンバレーの企業の黎明期に投資を行いその成長を支えてきた超名門ベンチャーキャピタルの一つ、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)。

そのファンドパフォーマンスについて詳細が明かされることは少ないが、この度その一端が明かされた記事を発見した。それが冒頭のBusiness In

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防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

先週は奇しくも米国国防省と日本の防衛省で同じようなニュースが報道された。どちらも「防衛関連スタートアップに対するベンチャーマネーの投下が必要」という内容だった。

米国国防省(通称ペンタゴン)が認識している課題として記事で挙げられていたのが、米国の防衛産業は全くイノベーティブではなく最先端技術の導入が遅れていることである。そしてこの課題を解決するためにも、新たなベンチャーキャピタルによる同産業の発

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なぜハードウェアビジネスはハードか

なぜハードウェアビジネスはハードか

かなり前のMedium投稿だが、Hardware Founders: (When) Should You Try To Raise VC Money?という記事が、表題の問いを考える上で参考になったので内容の要旨を以下にシェア。なお、著者は元Pebble(スマートウォッチを製造、2017年Fitbitにより買収)の創業者で、現在Y Combinatorのパートナーを務めるEric Migicovs

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米国で拡大するVenture Debtについて概要をまとめてみた

米国で拡大するVenture Debtについて概要をまとめてみた

Bloombergの記事で、2022年に入ってから米国でベンチャーデットによるスタートアップの資金調達が増回傾向にあるとの記載があった。記事によれば、2022年上半期でベンチャーデット組成額は前年同期比で7.5%増の171億米ドルとのこと(ちなみに同期間でベンチャーキャピタルからのエクイティ調達額は8%減の1477億米ドル)。

エクイティ調達に比べればベンチャーデットの調達額はまだまだ規模は小さ

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a16zの運用パフォーマンス(投資倍率)がわかる記事を発見(但し2021年12月末時点)

a16zの運用パフォーマンス(投資倍率)がわかる記事を発見(但し2021年12月末時点)

少し前の記事だが、シリコンバレーの大手VC、Andreessen Horowitz(a16z)の過去組成ファンドの一部の運用リターンがわかる貴重な記事がWSJに掲載されていたので、備忘を兼ねて以下、ファンドリターンのグラフ概要を作成し添付しておきたい(リンク先の図を元に一部ファンド組成年度等を追記し作成)。

2021年12月時点でCrypt Fund Iの投資倍率(ネット)は10.6倍だったが、

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Opportunity Fundの投資機会が今は少なくなっているかも知れない件について

Opportunity Fundの投資機会が今は少なくなっているかも知れない件について

特にアーリーステージスタートアップへの投資を主とするVCは、その後投資先企業のうち、勝ち組企業がミドル〜レイターステージに差し掛かった頃にダブルダウン(倍賭け)する目的で、オポチュニティファンドまたはセレクトファンドという名称のファンドを組成することがある。代表的なファンドとしてはシリコンバレーで最も有名なアクセラレータで企業が立ち上がって間もない頃にシードマネーを投資しているY Combinat

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欧州のVCは年間平均851件の案件を受け付け、そのうち投資まで至る案件は6%

欧州のVCは年間平均851件の案件を受け付け、そのうち投資まで至る案件は6%

欧州VC市場の概観のわかる記事(上記リンクご参照)と、その大元となるレポートを見つけた(こちらのリンクご参照)ので、以下に概要を記載しておきたい。欧州VCにLP出資している・もしくはこれから出資しようとしている方々は、下記の数字を念頭におきながら検討を進めるのが良いかと思う。

なお、本レポートは、885の欧州のVCにアンケートを行い、集計した結果をまとめたものとのこと。

1.エグゼクティブサマ

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