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短い小説達📖✨️

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長嶺涼花が気の向くままに書いた読み切り小説を纏めております。読むのに5分もかかりませんので、ぜひお立ち寄りください~🫶
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2022年7月の記事一覧

彼女の恋愛❷

彼女の恋愛❷

先に投稿した彼女の恋愛の続きです。

「明日、空いてる?」
「あ、うん。空いてるよ」
「それならどこか出掛けようか」
「うん。行こ」
恋人と別れてから数ヶ月。
私には新たな恋人がいる。
朝8時から夕方5時まで、同じ時間働いて一日のうちの同じ時間が休み。
つまりは、生活リズムが同じ相手という事。
「美亜ちゃん、どこに行きたい?」
「うーん…最近映画観てないから、映画観たいかな」
「映画かぁ…あ、それ

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彼女の恋愛❶

彼女の恋愛❶

こんばんは、長嶺涼花と申します。
私の投稿した作品を、開いていただきありがとうございます。
さて記念すべき一本目の創作物の投稿ですが、私の中でも印象深い小説を選びました。
見ていただける方に、私の表現を気に入ってくださる方が居たら幸いです。

恋人と別れた次の日、オシャレをする理由も見つからず、畳まれた洗濯物の上2つを適当に取った。
ちぐはぐな組み合わせならまだ笑えるのに、平凡で減点も加点もないよ

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寝落ち電話●

寝落ち電話●

深海魚、というタイトルで歌詞を書いてみた時にその世界を想像して書いたショートストーリーです。
実際曲を作ったわけではないのですが…。

無気力とか、別にそんなんじゃない。
『じゃあ君は何をして楽しいって顔する?』
だからその質問に答えられない私は、
私からすれば私じゃないわけで。
信じられないくらい眩しい微笑みに、
涙を堪えるなんて私じゃないんだってば。
『その顔も、やっと見れたって感じする』

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何気ない会話●

何気ない会話●

『』と「」の間には、これぐらいの思いが挟まれてるかもしれない。
貴方や私の一言が誰かの救いになれるなら、何気ない愛も伝えていくべきだと思うのです。
優しさで溢れた言葉がたくさん飛び交う世界になりますように。

たまにふと、辛くなる。

理由も浮かばなければ、頬に涙が伝ってるわけでもない。でも、辛い。
一人でいる=孤独ではない。それは…うん。理解している。それでも辛いという言葉が頭から離れなくて身動

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もう一度会いたい●

もう一度会いたい●

ゆっくりと目を開けると、そこは知らない家の中だった。

全く状況を理解できていないのに、なぜかこれは「おじいちゃんの家だ」と不思議と思った。

「おお、これを見てみなさい」

記憶の中のおじいちゃんの声が聞こえて、それに応えるようにわぁっと遠くの方で親戚らしき人たちが盛り上がっている。

これもまた不思議な感覚で、盛り上がっているはずの人たちは一切見えない。実体のないモヤッとした輪郭があるような気

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