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何気ない会話●

『』と「」の間には、これぐらいの思いが挟まれてるかもしれない。
貴方や私の一言が誰かの救いになれるなら、何気ない愛も伝えていくべきだと思うのです。
優しさで溢れた言葉がたくさん飛び交う世界になりますように。


たまにふと、辛くなる。

理由も浮かばなければ、頬に涙が伝ってるわけでもない。でも、辛い。
一人でいる=孤独ではない。それは…うん。理解している。それでも辛いという言葉が頭から離れなくて身動きが取れなくなる。

このまま沈んで戻って来れないんじゃないか。誰もいない世界で孤独になるんじゃないか。そんな不安のようで、安堵でもあるような感情でいっぱいなる。

「いっそ居なくなれば、楽か」

なんて諦めの言葉を呟いた時、決まって君の声が浮かぶんだ。


『また来ようね!!!!』


記憶の中の方がよっぽど風景が鮮明だ。その綺麗さに悔しいぐらい簡単に泣き崩れてしまう。

君はいつでも鮮やかで、僕だけ漂白剤に漬けたかのように真っ白で…それでもそこに確かに居たんだと、君の声が教えてくれる。

こんなありふれた記憶が、僕の命を長く引き止めていることを君はきっと知らない。

それでも僕は君の声を大事に抱えて、今日も酸素を吸う。君の満点の笑顔を向ける相手を君から奪わないために。

大袈裟だと、そんなのどこにでもある話だと、もし誰かが言ったとしても僕の答えは変わらない。


「うん、また来ようね」


君の笑顔を見るために、僕はまた明日に手を伸ばす。

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