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考える、ジブリ。

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宮崎駿監督作品に関する豆知識のまとめ。
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#ジブリ

庵野秀明と、『風立ちぬ』。

庵野秀明と、『風立ちぬ』。

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、それでは前回の『崖の上のポニョ』に引き続きまして、ジブリの傑作『風立ちぬ』(2013)です。

 『風立ちぬ』とは、その題名から、もともと堀辰雄の小説をベースに作られた映画のように見えますが、内容は大きく異なっています。

 まず「風立ちぬ」という言葉はフランスの詩人、ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓場』の最後の1節からです。

「風立ちぬ、

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人類の破滅と、『崖の上のポニョ』。

人類の破滅と、『崖の上のポニョ』。

 さて、前回の『ハウルの動く城』につづきまして、『崖の上のポニョ』(2008)です。

 さて、崖の上のポニョと言えば、「ポーニョポーニョポニョ」という歌が一人歩きして、いったい何のアニメか分からないまま、興行収入155億円を叩き出した映画ですね。

 そう、だいたいの人が言うのは、「あれは何のアニメか分からない」って言うんです。

 このテーマも、「君たちはどう生きるか」に通じています。

 と

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恋と愛と、『ハウルの動く城』。

恋と愛と、『ハウルの動く城』。

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、前回『千と千尋の神隠し』に続いて、『ハウルの動く城』(2004)です。

 『ハウルの動く城』以降は、それまでの商業的成功もあってか、宮崎駿監督がやりたい事が溢れ出ている感じがあります。

 それでいて、決して直接表には出さない、強いメッセージが感じられるところが、また魅力でもあります。

 また彼は、常に作品を通して「君たちはどう生きるか」

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歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、前回の『紅の豚』から引き続き、いよいよ『もののけ姫』(1997)です。

 ジブリを食い潰すとまで言われた調査と研究と予算(21億円)を当て込み、構想16年、制作に3年をかけ、結果、圧倒的な興行収入(当時の日本映画史上、歴代4位193億円)を叩き出した、えげつない作品ですね。

 当時、中学の時、友人が「サンに惚れた」とか言って15回ぐらい見

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総合芸術としての、 『風の谷のナウシカ』。

総合芸術としての、 『風の谷のナウシカ』。

どこかでまとめておこうとずっと考えていました。

とりあえずは、SNSや仲間内のメーリングリストなどに、雑談がてら投げていたジブリ映画の小ネタ集。

このまま小さな範囲で置いておくのも勿体無いので、ここに載せておくことにしました。

もし映画を見るとき、ちょっとしたアテにしていただければ幸いです。

1. 「ナウシカ」と「シュナ」まずは、ジブリの初映画、1984年放映の『風の谷のナウシカ』です。

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