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俳句、短詩

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自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
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#俳句賞

【俳句20句】第27回豆の木賞 受賞作

【俳句20句】第27回豆の木賞 受賞作

「豆の木」とは超結社俳句会。
幽霊部員のように末席に名を連ねております。
春以降に新しい号が出る予定で
(というか、これから原稿を纏めねばならない(^^;)、
その号に第28回豆の木賞作品が掲載されます。

そこで、この機会に一年前の受賞作を
noteで公開します。
ご笑覧願えれば幸いです。

◆第27回(2021年)20句競作豆の木賞

調律師

柏柳明子

満月に盗られてしまふ鏡かな
帚木や音

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【俳句】第26回炎環賞の結果を読んで

【俳句】第26回炎環賞の結果を読んで

先日発行の俳句結社誌『炎環』11月号にて、
「第26回炎環賞」の選考結果が発表されました。
対象は未発表20句。応募は会員・同人を問わず。

主宰、全応募者ならびに選考委員の皆さま、お疲れ様でした。
昨年までは選考委員、過去には応募者の一人だった私。
どちらの立場でも全力のぶつかり合いであることを体験していることもあり、ずっと結果が気になっていました。

今回の結果は「該当作なし」。
ここ数年、毎

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第六回 円錐新鋭作品賞 発表

第六回 円錐新鋭作品賞 発表

俳句同人誌「円錐」が毎年実施の俳句賞。

20句対象で、誰もが自由に応募できます。
先日、2022年の結果が発表され、
私が所属する俳句結社「炎環」の同人2名が正賞と奨励賞を受賞しました。
おめでとうございます!

◆正賞
白泉賞(今泉康弘氏 推薦)
星野いのり氏「通信表」

感銘句
給食はみんながとおいしゃぼん玉

◆奨励賞(澤好摩氏 推薦)
内野義悠氏「さめぎは」

感銘句
さめぎはの淋しい鼻

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1年経って…「互選」が高めてくれる俳句力

1年経って…「互選」が高めてくれる俳句力

昨年、2020年豆の木賞の応募について
簡単な雑感をこのnoteに記事として書きました。https://note.com/nag1aky/n/nd9b71263a4bf

そして2021年。
初めて豆の木賞を受賞しました。

先日、「俳句賞の選考と挑戦」について
書いた矢先の受賞連絡でした。https://note.com/nag1aky/n/n0101e9b5ff3d

本当に驚いた。
しばらく

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俳句賞:選ばれること、選ぶこと

俳句賞:選ばれること、選ぶこと

本稿の「俳句賞」は複数の俳句作品で構成された作品群を意味します。
また、本稿はあくまでも著者個人の見解に基づくことを予めご承知おきください。

「どうしたら俳句賞をとれるのか」

受賞者にそのコツや方法を仮に尋ねても、
「わからない」という返答が返ってくるのが大半ではないだろうか。
なかには理由や原因について見当がつく人もいるかもしれないが、
そのことについて正直に話す人は先ずいないだろう。

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2020豆の木賞:ようやく自由になれた気がする

2020豆の木賞:ようやく自由になれた気がする

「豆の木」は、
私が所属している俳句同人誌。
超結社句会でもあります。

が、普段はほとんど幽霊部員の状態(^^;
年一回の同人誌での作品発表
と豆の木賞への参加が
私の場合はメイン。

さて、毎年一回、参加者の互選で
決まる豆の木賞。
応募作品は一人につき20句。
かなりのブランクの後に戻ってきた豆の木。
その後10年近く応募して…
残念なことにいまだに受賞ならず(^_^;)

ただ、今年は「一

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世界は“All or Nothing”でなくていい:第十回百年俳句賞

世界は“All or Nothing”でなくていい:第十回百年俳句賞

本年の最優秀賞は
「脱ぎ捨てて」箱森裕美氏

全応募作品は下記HPで閲覧できます(氏はNo.40)
https://www.marukobo.com/50ku/oubo.html

同じ結社・炎環の箱森氏。
おめでとう! なんだけど
それ以上に「埼玉文学賞」から間を置かず
2つめの受賞。す、すごすぎる(^^;
年末に見事な言葉の大花火☆

受賞作品から感銘句を中心に。

 既に百年の昼寝となりにけ

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翼ある者:俳句とは、賞とは

翼ある者:俳句とは、賞とは

俳句賞の一つ「北斗賞」
既にご存知の方も多いかと思いますが
2020年は同じ結社・炎環の
西川火尖氏が受賞しました!
おめでとうございます!

先日、noteでご紹介した
箱森裕美氏に続く快挙☆
受賞作は12月発売の
『俳句界』1月号に掲載予定。
今から読むのが楽しみです!

その西川氏が結社の賞「炎環賞」に
本年挑戦し、受賞には至りませんでしたが
「みらい賞」を獲得しました。
以下URLに作品お

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第51回埼玉文学賞・俳句部門準賞『傾ける』を読んで

第51回埼玉文学賞・俳句部門準賞『傾ける』を読んで

2020年11月、第51回埼玉文学賞・俳句部門準賞を
同じ俳句結社の仲間・箱森裕美氏が受賞されました。
受賞作は下記URLより閲覧できます。

本当におめでとうございます!
今回初めて作品を拝読し
改めて嬉しく思います。

タイトル「傾ける」というこの作品群は
箱森氏の良さが存分に出た表現と構成。傾けるというタイトルが、作家としての視線や観察力を暗に示していて、まず唸る。

以下、感銘句を挙げます

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「第4回新鋭俳句賞」受賞作を読んで

「第4回新鋭俳句賞」受賞作を読んで

10月も終わりの先日、「第4回新鋭俳句賞」が発表されました。
正賞ならびに準賞のお二方、おめでとうございます!
作品は下記URL内で公開されています。

l正賞は渡部有紀子さん「蟻眠る」

いや~…これは読むほどに沁み入る30句!
いろいろな俳句賞がありますが、
受賞作を読んで感動したのは久しぶりでした。

表題句
蟻塚の奥千萬の蟻眠る

静かな詠みぶりの中に思いがけない深淵。
その深さと静けさは

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俳句賞をとった時:結社の場合

俳句賞をとった時:結社の場合

夏~秋は俳句賞の発表や
〆切の多い季節ではないでしょうか。
今回、結社でですが実際にとった時を
少し書いてみました。

「ムリじゃ、ムリムリ。今回はやらん」2014年、所属する俳句結社の賞を受賞しました。

当初、下記の理由で私は応募するつもりはありませんでした。
1)仕事がとても忙しかった
2)だから気持ちも体もクタクタだった

応募句数は20句。これを1作品として構成するのは、時間とともに、そ

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「俳句賞」に出してみて:俳句四季新人賞の場合

「俳句賞」に出してみて:俳句四季新人賞の場合

前回、昨年の「第7回俳句四季新人賞」最終候補作品をご覧いただきました。
ここでは、「実際に出してみて」思ったことを書いてみたいと思います。

●複数の作品を構成する機会がほしかった本賞の応募動機。
それは上記の一語に尽きます。
そんなモードの時にちょうど募集〆切間近だったのが「第7回俳句四季新人賞」。
この新人賞は、当時の私にとって下記の理由でも条件的にフィットしていました。
・メールで応募可能(

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第7回(2019)俳句四季新人賞・最終候補作品

第7回(2019)俳句四季新人賞・最終候補作品

2020年夏、第8回俳句四季新人賞の受賞者が発表されました!

今年はお二人! 遅ればせながらおめでとうございます★

昨年、私も最初で最後の挑戦で、最終候補の一人に選出いただきました。

その時「どうして応募したか」「賞に挑戦することで思ったこと」を、一年経った今だから見えてきたことを交えて(次回)書いてみたいと思います。

その前に、今回はまず私自身の昨最終候補作品を掲載いたします。

ご笑覧

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