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翼ある者:俳句とは、賞とは

俳句賞の一つ「北斗賞」
既にご存知の方も多いかと思いますが
2020年は同じ結社・炎環の
西川火尖氏が受賞しました!
おめでとうございます!

先日、noteでご紹介した
箱森裕美氏に続く快挙☆
受賞作は12月発売の
『俳句界』1月号に掲載予定。
今から読むのが楽しみです!

その西川氏が結社の賞「炎環賞」に
本年挑戦し、受賞には至りませんでしたが
「みらい賞」を獲得しました。
以下URLに作品および
ご本人の所感が掲載されています。

『表皮』(2020年炎環賞応募作品)
https://note.com/kasen17/n/n68b708150f28

「表皮余談」
https://note.com/kasen17/n/n1f07c204dc4e

今回の北斗賞と炎環賞、
いずれの応募が先かは知りませんが、
構成をまとめるにあたり、
双方が影響しあっていることは
想像に難くありません。
その意味で、『表皮』を
ぜひ一読いただければと思います。

そして……彼の「表皮余談」を
今回読んで、
私自身のもう20年ほど昔の
炎環賞への挑戦を思い出しました。

今は普通に話すことができますが、
実はかつての私も今回の彼と
似た経験をしました。
最高得点にかかわらず
「この作品はまだ受賞作としては早い」と
いうような理由で炎環賞には至らず、
佳作の一つになったのです。

もっとも『表皮』と全然違うのが
私の作品は彼のそれのように面白く、
かつ高難度の出来栄えの作品では
なかった点(^^;
今だったら私も
「このレベルなら私だって炎環賞、出せねーなあ」
と、当時の選考委員の決断には
納得がいきます。

でも、当時はまだ俳句を始めて数年。
若かった。

悲しかった。
納得がいかず、ただ悲しかった。

その前から(以前ここのnoteでも書きましたが)
現俳新人賞も全然予選通過してなかったワタシ。
だから、もう一気にヤになりましたね、
賞への応募が。
てか、怖くなった。すごく。

「お前はいらない、
 お前は俳句に向いてない」

そういわれているような気がして。
もっとも、ただの被害妄想女子
だったんですけどね。
ああ、今思い出すと恥ずかしー(-_-;)

それから作るのも応募するのも
なーんか気が抜けちゃって……

それがいろいろあって
句集『柔き棘』のエッセイに少し書きましたが
フラメンコのレッスンを機に
再び賞応募をはじめ。

結果的に2012年に現代俳句新人賞
2014年に炎環賞を受賞できました。

受賞する喜びもできない悔しさも
賞に応募するたびに味わう。
それは挑戦して初めて味わえることで
その味は天国と地獄ほど違うけど、
時間が経つと必ず何かしらの栄養を
作品や表現に与えてくれています。

もちろん賞がすべてではない。
ただ「続ける」ことで、自分の想像以上に
いつしか飛べるようになっていることがある。
技術も表現も。
そう思うと、賞へのトライも
そんなに悪いものでは
ないかもしれない。

炎環賞に至らずとも、同じ年に
別の賞で見事に自分の表現を証明した西川氏。
彼もまたずっと挑戦し続け、
何度も天国と地獄を見てきたことと思います。

それでも。
今は高くは飛べないけど、
いつかあの高処を目指して。

翼ある者がまた一人、
ここに誕生したことを
嬉しく思います。

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