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【映画感想】

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#気持ち

【ひみつのなっちゃん。】

いつだって私達は、自分の為のショーをし続けている。

【あらすじ】
ある夏の夜、なっちゃんが死んだ。
つまらない冗談を言っては「笑いなさいよ!」と一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、新宿二丁目で食事処を営むママ。その店で働くモリリンはドラァグクイーン仲間のバージンとズブ子を呼び出す。
彼らがまず考えたのはなっちゃんが家族にオネエであることをカミングアウトしていなかったこと。
証拠を隠すためなっ

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【ファミリア】

遠くで、母の子守唄が聞こえる、そんな映画でした。

【あらすじ】
陶器職人の神谷誠治は妻を早くに亡くし、山里で独り暮らし。アルジェリアに赴任中の一人息子の学が、難民出身のナディアと結婚し、彼女を連れて一時帰国した。結婚を機に会社を辞め、焼き物を継ぐと宣言した学に反対する誠治。
一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人青年のマルコスは半グレに追われたときに助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕

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【左様なら】

Amazonプライムのおすすめに、ふとでてきたサムネイルが、とても綺麗だった。
なんの前情報もなく見始めたけれど、苦しくて、苦しくて、思わず一度再生ボタンを止めてしまう。

ああ、あのときのわたしが、ここにいる。

【あらすじ】
高校生の由紀は平穏な日々を過ごしていた。
ある日、中学からの同級生の綾が由紀に引越すと告げた翌日に突然亡くなる。
綾の死をきっかけに、クラスメイト達の人間関係にも思わぬ波

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【ある男】

あなたが何者であっても、愛しいんだって、叫べるだろうか。

【あらすじ】

私が私である、という証明を、私以外の誰ができるのだろうか。
福島の田舎に産まれ、人の少ない小学校に通い、そこそこに酷い中学時代を過ごし、誰かに嫌われることを一番恐れながら、自己顕示欲の強かった高校時代、怖いものしかないのに、目を逸らしていた大学時代……。
それぞれの時代の友人であっても、それを見守ってくれていた両親であって

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【マイ・ブロークン・マリコ】

私の骨は、どうかそんな、寒い土の中なんかに置いていかないで。

【あらすじ】
ある日、ブラック企業勤めのシイノトモヨ(永野芽郁)を襲った衝撃的な事件。
それは、親友のイカガワマリコ(奈緒)がマンションから転落死したという報せだった――。
彼女の死を受け入れられないまま茫然自失するシイノだったが、大切なダチの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、居ても立っても居られず行動を開始。包丁を片手に単身“敵地”へと

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【シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ】

たった一人で大切にしていたものを、あなたが大切だと言ってくれたから。

【あらすじ】
歌とダンスが大好きなお騒がせ水球チーム《シャイニー・シュリンプス》は、ゲイゲームズ出場のため開催地【東京】を目指す。…はずが、なんと乗り継ぎに失敗し、ゲイ差別が横行する異国の地で一晩を過ごすことに。
危険な街だと知っていながら、それでも楽しい時間を過ごそうと夜の街に繰り出すメンバーたちは、やがて大騒動に巻き込まれ

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【夏へのトンネル、さよならの出口】

失くしたものは、失くしたからこそ愛おしい。

【あらすじ】
ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
ただし、それと引き換えに……

掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。

これは、とあ

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【よだかの片想い】

自分を愛するのは、人を愛するよりも難しい。

【あらすじ】
自分と距離を置くアイコ。まっすぐ心に入ってくる飛坂。
近づくほどに苦しくて、遠のくほどに愛おしい――。

理系大学院生・前田アイコ(松井玲奈)の顔の左側にはアザがある。幼い頃、そのアザをからかわれたことで恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにしたルポ本の取材を受けてから状況は一変。本の映画化の話が進

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【死刑に至る病】

気付かない悪意に、食い殺されることのないように。

【あらすじ】

史上最悪の連続殺人鬼からの依頼―
それは一件の冤罪証明だった。
ある大学生・雅也のもとに届いた一通の手紙。
それは世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村からだった。
「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」。
過去に地元のパン屋で店主をしていた頃には信頼を寄せていた榛村の願いを聞き入れ、事件を独自に

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【明け方の若者たち】

青とピンクが混ざった嘘くさい空が、遠のいていって今日がはじまる。

【あらすじ】
「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間-。

東京・明大前で開かれた学生最後の退屈な飲み会。
そこで出会った<彼女>に、一瞬で恋をした。
下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり・・・。
世界が<彼女>で満たされ

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【流浪の月】

あの頃のわたしも、たしかに、もう子どもじゃなかった。

【あらすじ】
〈女児誘拐事件〉ふたりしか知らない、あの夏の〈真実〉。

帰れない事情を抱えた少女・更紗(さらさ)と、彼女を家に招き入れた孤独な大学生・文(ふみ)。
居場所を見つけた幸せを噛みしめたその夏の終わり、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となった。
15年後。偶然の再会を遂げたふたり。それぞれの隣には現在の恋人、亮と谷がいた。

この

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【余命10年】

たった10年しかない、その光の中で息をするなら、わたしはどうしたって好きな人の隣がいい。

【あらすじ】
数万人に一人という不治の病で余命が10年であることを知った二十歳の茉莉。
彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。
そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人。別々の人生を歩んでいた二人は、この出会いをきっかけに急接近することに——。
もう会っては

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【Coda コーダ あいのうた】

誰かの為に生きる自分も、自分の為に生きる自分も、すべて本当なのに。

【あらすじ】
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。
陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気

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【少年の君】

ずっと深いところで、きっとわたしは。

【あらすじ】

「君が、俺の明日を変えてくれた」
「君が、私の明日を守ってくれた」

孤独な優等生の少女と、ストリートに生きる不良少年。
出会うはずのなかった二人の邂逅が、過酷な日常に微かな光を灯す。

進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン。
全国統一大学入試(=高考)を控え殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め卒業までの日々をやり過ご

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