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「心の本性」ってどんなだろ??心、ココロ、こころ……。本「三万年の死の教え『チベット死者の書』の世界 ★4,5

「現代人は、死から遠ざかろうとするあまり、生の意味を見失っている。チベット仏教が伝える人類数万年の叡智をたよりに、生と死の境界線にわけ入った、生きるための思想的冒険。カラー版」

1996年 中沢新一

死の現実に触れることこそが、真理へのいちばんの近道だ。

三部構成で、第一部は「チベット死者の書バルド・トドゥル」を簡易化した物語(NHKのSP番組用に作ったのが始まり)。第二部、三部は、チベット死者の書に関わる歴史や人物など、なんやかんやが深く詳しく。

この第一部が、本家と比べると非常に分かりやすく、言葉の解説もすぐ下に詳細が載せられていて、見やすく助かる。ただ簡易化されているので、物足りないと感じるところもあるかもしれない。

本家と合わせてこちらも読むと、当然だけど理解が深まる。なんとなく分かった気になれる。たぶん、深い部分までの理解には至ってないと思うけど。でもまあ、これくらいでもけっこう十分かなー。

バルド・トドゥル
裸の状態にある心の本性を見て、そこに出現する静寂と憤怒の神々をとおして、自らによって解脱する」という大きな密教体系に組み込まれた「バルドにおいて耳で聞くことによって解脱するという書物」という意味。

死後も、耳の機能は働いているらしい。そこで死者に向かって「解放」への導きとして、これが語られると。でも、脳が働いてなかったら?意味あるのかな?言葉が、ただの音だけになりそうだけど。

バルド中有では、「ものすごい光や色彩や音響を体験する」と。それから様々な幻影が惑わしてくるようだ。それでも恐れてはいけない、心を乱してはいけないと。光の意味を理解できなくなるから、一体となれないから。

実際これらを体験したら、どんななんだろう。やっぱものすごく恐怖を感じるんだろうか。そんな時は、一心に「観音菩薩の慈悲にすがる」と。あと確か、自分の守護尊イダムのことを強く想え、と言っていた気がする。

木造千手観音坐像(京都・三十三間堂)Wikiより。

真理はけっして美しいだけでなく、世俗意識にとっては恐怖をかきたてるものでもある、というのがチベット密教の認識。
人は優しい、美しいものには心ひかれて、恐ろしい、醜いものには嫌悪感や恐れを抱く。しかし、それは現象の本質を見ることが出来ないことから生まれる、執着にすぎない。人の胸にあるときは美しく優しい静寂尊も、大脳に行くと恐ろしい憤怒尊に姿を変える。幻影は絶え間なく、その姿を変えていく。そのどれにも、執着してはならない。この憤怒の神々も、私たちの本質。

自分の守護尊というのは、生前に夢告やラマに教えてもらうらしい。気になるなー、守護尊はどちら様なんでしょうーか。(いなかったりして…!?)なんとなく、荼枳尼天ダーキニーが気になるけど。

様々な幻影が惑わしてくるらしいが、どうやらここには、「輪廻の罠」があるようだ。「輪廻する世界は、罠と誘惑でできている。生き物はその罠の網につかまってしまいやすい」。解脱の道は難しそうだ。

そして解脱できなかったら、最後に六道(神仏、阿修羅、人間、動物、餓鬼、地獄)のどこに生まれ変わるか決めるようだ。やっぱこの中だったら当然、神仏世界がいいよなー。もう他はいいわー。

六道
・天上の神々の世界、白い薄明かり。
・阿修羅の世界、赤色。
・人間世界、青色。
・動物世界、緑色の薄明かり。
・餓鬼の世界、黄色の薄明かり。
・地獄世界、煙のモクモクとした薄明かり。
(阿修羅界と人間界の順番が気になる。他のとこでは、神仏界の次に人間界になってるけど、ここでは阿修羅界が次にきてる)

解脱かー、なんかめっちゃハードル高そうだ。全然無理な気がする笑 ていうか、輪廻から解放されたらどうなるのかの記述が無いような。どうなるん?もうそんなんは言葉で説明するのも難しそうだけど。

まあどうせ、次も何かしらに転生するんだろうけど。嫌だなー。無限転生地獄。人間界も、良いことはもちろんあるけど、飽きちゃった気もするし。でも良い方なんだろうな、六道の中では。それに感謝か。

今回、人間界に生まれた理由とかあるんかな?何となく「輪廻の罠」に流されてきただけか?分からんことだらけだ。謎だらけTheWorld。なぜに根本的な所が分からないのか。不思議だな。

死ぬことが、たんなる悲しみではないのと同じように、生まれることは、それだけで、喜ばしいことではない。
生と死の向こうにある、心の本質を知ることができたら、その生には意味があったということになるし、それができなければ、無意味なことを積み重ねたことにすぎないだろう。
「心の本性」に触れている人生を送るなら、その生命活動は瞬間瞬間に意味を持つ。

生きている間にすべきことは、自分の心を成熟に向かわせることだけ。

どうやら、自分の大本である「心の本性」を理解することが重要そうだけど……なんかよく分からないな。どうすればいいのか。生きてるときは、心の成熟を。うーん……。どーにも、具体的な教えが必要だな。

第二部、三部にも興味深いことが多数あった(LSD、アメリカインディアンの幻覚性植物、アボリジニの青空見つめる修行など)が、長くなってきたのでもう書くのはやめることにする。END.

「誕生の時には、あなたが泣き、全世界は喜びに沸く。死ぬときには、全世界が泣き、あなたは喜びにあふれる。かくのごとく、生きることだ」インド人の言葉。



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