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15.妊娠後期

前回までの記事はこちら
プロローグ
1.男の役目
2.ドキドキとそわそわ
3.初めての産婦人科
4.ママの成長記録
5.夫の役割
6.母子手帳
7.妊娠3ヶ月
8.マタニティブルーとパタニティブルー
9.安定期
10.胎動の確認
11.性別の確認
12.絵本と名前決め
13.マタニティ旅行の計画
14.マタニティマーク


9月27日(28週1日)

今日から妊娠後期に突入した。
妊娠した当初は長い道のりかに思えたが、あっという間に後期にまで突入した感じがする。

昨日、妻は病院が主催の母親カフェに行き、分娩室を覗いたり陣痛がきた時の呼吸方法を勉強してきた。最近はお腹の張りを時々感じているらしく、しゃがむのもしんどそうにしている。

また、珍しく出産の本を取り出しているなと思ってそのことを妻に話すと、出産が怖くなってきたと言っていた。今回このタイミングで母親カフェに行き、助産師の話を聞いたり院内の見学をすることによって妻の出産に対する不安が少し和らいだかのように見えた。

妻も僕も初めての経験でわからないことが多いから知識がないと不安になる。ひとつずつ不安要素を取り除いて払拭することが大事だと思う。


9月28日(28週2日)

兄夫婦からベビーカーをもらうことになった。ベビー用品を一式揃えるとなるとなかなかの金額になる。お腹にいる子どもには申し訳ないがおさがりを使わせてもらおう。

ベビーカーの種類にも安定性が良いものや、しっかりしたものがある。ベビーカーだけでなくチャイルドシートやベビーベッド、いちいちの商品に使いやすい使いにくいがあるので少し勉強しようと思う。

妊娠後期になり、妻のお腹はさらに大きくなり外出しにくくなるので今のうちに必要なものは買い揃えていきたい。




10月6日(29週4日)

妻が心配そうに子供の名前を読んでいる。どうしたのかと聞くと今日は少し胎動が少ないみたいだ。

病院からは31週目から胎動を数えるように言われていた。テンカウントと言って30分以内に胎動が10回起きれば赤ちゃんが元気に動いているという証拠になる。

胎動が著しく少ないとへその緒が巻きついていたりとなんらかの異常がある可能性があるのでその時は病院に行かなくてはならない。妊娠31週目にならずとも胎動が極端に少ないときは病院に連絡してくださいとのことだった。

昨日は元気にお腹の中で動き回っていた赤ちゃんが今日は二時間ほど前から胎動が感じにくい、そう言って妻は落ち込んでいた。調べてみると、この頃から赤ちゃんの成長に伴い子宮が狭く感じられるため、胎動が大人しくなるというものだった。

しかし、それでも目に見えないお腹の赤ちゃんが元気かどうかを探るのには胎動以外の方法はない。妻は何度もお腹をさすり、僕も名前を呼んでお腹をさすった。僕も心配になったが僕も心配すれば妻はもっと心配すると思って平気なフリをした。

妻が不安になればきっとお腹の赤ちゃんにもその不安が伝わるのではないかと思った。
しばらくすると、胎動を感じることができた。僕たちは胸を撫で下ろした。
明日は検診の日だ。きっと元気な姿をエコーで確認できると思う。



10月7日(29週5日)

検診に行った。昨日の胎動の件で少し不安だったがどこも異常がなかった。それどころか嬉しいことがあった。

前回の検診まで逆子だった我が子が今日は頭を下にしていた。逆子のままでは帝王切開をしなければならない。それは避けたかったことの一つだった。母子ともに健康に産まれることがいつも願っていることだった。

妊娠32週目までは逆子の人が多いと言われていたが内心不安だった。だから今回の検診で逆子じゃなくなっていたことはとても嬉しかった。昨日、胎動が少なかったのはその影響もあるのかもしれない。頭が下に行っていつもみたいに動き回ることができなかったのかもしれない。見えないところで生きていくための準備をしている。

先輩パパの話を聞くといつも「産まれてから大変やで」という言葉をもらう。きっとそうなんだと思う。お風呂もトイレも食事もなにをするにも親の力が必要だ。

だけれど赤ちゃんは日々生きるための努力をしている。お腹の中でも親の知らないところで生きるために呼吸の練習をしたり、体温調節の練習をしたりしている。

赤ちゃんではあるが一人の人間なのだ。手助けはしなければならないし、親として教えることも多いと思う。しかしそれ以前に一人の人間である。親として接する前に一人の人間として尊重したい。その気持ちを持った親子でありたいと思う。



10月11日(30週1日)

妻のお腹は随分と重そうだ。家にいる時も一つの作業をするたびに休憩をしている。あまり無理はしないで欲しいのだけれど、頑張り屋の妻は主婦として家にいるのだから「これが私の仕事」と言わんばかりになんでもこなそうとしている。

最近では湯船から上がるときがひどくお腹が重いと言っていた。適度な運動は大事だが無理はしてほしくない。家にいても階段や風呂場などは転びやすいポイントとなっている。

お腹が大きくなり足元が見えなくなったと同時に重心がとりづらくなっている。もう少し僕が積極的に家事に取り組まなくてはと思う。大丈夫という妻の言葉に甘えて、僕は家事をしなくなっていた。




次回は「産後の準備」

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