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2.ドキドキとそわそわ

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プロローグ
1.男の役目

4月10日(4週6日)

先に自宅に帰ったと妻から連絡があった。今日は妊娠検査薬を使う日だった。まだ自宅に帰っていない僕は直接結果を知りたくて、帰ってから教えてと言って急いで自宅に向かった。
自宅へと帰った僕は玄関の扉を開けるやいなや妻に聞いた。


どうだった?


えっとねぇ、まずこの妊娠検査薬の見方はここに線が入れば陽性反応で…

検査薬の説明などどうでもよかった。昨日から自宅にあった検査薬の箱を見ていた僕は結果の知り方などとっくに知っていた。知りたいのはその結果だった。
でも妻の少しほころんだ顔を見て答えは想像できた。結果は陽性だった。


嬉しかった。まだ病院ではっきりと妊娠と診断されたわけではない。心音も確認できたわけじゃない。でも僕は喜んだ。妻も一緒に喜んだ。はっきりと診断されるまでは喜ぶのは早いのかもしれない。それでも喜んでいいよな。初めての子ども。なんだかそわそわした。

妊娠がわかったものの、さてどこの病院に行くかという問題になった。
車を運転しない妻。通える病院は限られてくる。駅に近くて信頼のできる病院。こんな時に便利なのはネットでの口コミ評価だ。

そう思って二人して産婦人科を検索したのだけれどこれが迷いに迷った。ある口コミサイトでは評判のいい病院でも、また別の口コミサイトでは評判が悪買った。もちろん利用者によっても担当される先生によっても良し悪しはあるのかもしれない。また口コミサイトは内部の人間が組織的に口コミを操作しているということも考えられた。そんなことを考えていると本当に評判のいい病院、安心できる病院がどれだかわからなくなった。


そこで隣の市に住む同級生の女の子に相談した。その同級生は高校時代のクラスメイトで今でも同窓会で度々顔をあわせる仲である。二児の母であるその子に相談することにした。


連絡を入れると開口一番におめでとうと言ってくれた。この時初めて二人だけのめでたいことと位置付けていた妊娠が第三者への情報に入った。僕はなんだか小っ恥ずかしくなった。夫婦二人だけの喜ばしいことだと思っていたのだが友人が心底嬉しそうにおめでとうと言ってくれるのはとても嬉しかった。

そしてその次にもっと嬉しいことを言ってくれた。今からグループラインでママ友に聞いてみると行動を起こしてくれた。わざわざそこまでしてくれるというのは本当にありがたかった。近くに親族がいないから頼れる知識がないと勝手に思っていたが友達がいた。嫌な顔をせず本当に善意で産婦人科の情報を集めてきてくれた同級生に感謝した。

翌日、産婦人科の予約をした。
市内ではないが駅近の病院で女の先生も勤務されているとのこと。僕も同行することにした。


次回は「初めての産婦人科」

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