いろんなしあわせ、いろんないきかた
ホテルの仕事の前に蔦屋書店で早朝書店員をしていた頃のお話。
朝６時のお店のオープン作業をするメンバーは私より20〜30歳上の人ばかりだった。
きっと私はその人たちの娘さんや息子さんと同い年くらいで、同僚というよりも小娘として見られていたと思う。
まだ電気もついてなくて音楽も流れていない、太陽の光だけが差し込む朝の書店は静かでとても美しかった。
あの時期、愛してやまない蔦屋書店の電気をつけ、音楽のスイッチをオンしていたのは私だ。それだけで嬉しかった。
ある日、空き時間に業務連絡ファイルを読んでいると、女性のベテランスタッフさんが話しかけてくれた。
彼女は蔦屋書店のコンシェルジュの1人。専門は『暮らし』。暮らし関連の書籍の管理をし、イベントを考案している。
※蔦屋書店にはそれぞれの分野に精通したコンシェルジュがいる。
彼女はニコニコしながら尋ねてきた。
「ね！りこさんって何歳なの？」
「あっ、私２３です！！」
と答えると
彼女はぱっと顔を輝かせて
「あー！やっぱり！うちの娘と同い年やわぁ。」
と言った。
朝スタッフの中で最年少だった私は、シフトに入る度に可愛がってもらえた。この時期は職場にお母さんが4人くらいいる感じだったなぁ…
雑誌担当の方とは、表紙の韓国人アイドルを見てよくキャッキャと盛り上がった。
雑誌の付録をつけるのも書店員の仕事。
付録をつけながら他愛無い雑談を交わす時間もなかなか楽しかった。
※朝シフトの人はその日やってくる雑誌に膨大な量の付録をつける。売れなかった付録はもらえる
私がいた書店には、女性が多かった。
面白いことに、そこにいた多くの女性に書店員以外の肩書きやライフスタイルがあった。
彼女たちは、色んな生き方をしていた。
子育てをしながら主婦をしている女性もいれば
小さな雑貨屋さんを経営している女性もいれば
朝書店で働いて、その後グラフィックデザイナーとしてばりばり働いている女性もいた。
結婚はしているけど、子供を持たない選択をした人もいた。
バリバリのバックパッカーをしている人もいた。
みんなそれぞれの生き方をしていた。
（なぁんだ。ひとつじゃないじゃん。）
生き方って、いろいろあるじゃんと目の当たりにできた瞬間だった。
就活をしているとき
私は私ではなく
ただの黒いスーツを着た大学生Aになった気分で
すごく窮屈だった。
そんな環境で揉まれているうちに
いつしか、これしか方法はないのだ。
しかたないのだって思いかけてた。
でも、そうだよな。
色んな生き方が、あるんだよな….！！
自分に合ったものを選べばいいんだよな…！！
書店員を経験したかった理由は、自分が第二の家のように通っていた場所の裏側を一目見たいという好奇心だった。
望み通り、本はこういう風にやってやってきて、こういう風に並べられるのかぁ…ってことが知ることができた。
それ以上に知れて良かったことは、女性としての色んな生き様だ。
皆、それぞれの道を生きてた。
それぞれのライフスタイルがあった。
好きなものを選択していた。
それを知れたことは大きな収穫だった。
大学生の時に働いていたゲストハウスでも同じようなことを思った。
世界各国からお客さんがやってくるゲストハウスの中は、私にとって『生き方図鑑』のようなものだった。
自分の体と同じくらいの大きさのバックパックを背負ってやってきたアメリカ人のおじさん。
彼は家も車も売り払って世界を飛び回る旅人だった。
率直に旅費はどうしているのかと尋ねると
働きながら旅をしてるんだ
っていう、なんとも夢のある答えを聞くことができた。
えー、そんな人、本当にいるんだ！
って衝撃だったなぁ….
大学に進学する代わりに
旅をしている女の子もいた。
両親に
学校に行く代わりに旅をしなさい
って言われたそうな。
色んな景色を見て、人と出会う。
それが私にとっての勉強なの。
彼女はそう言って笑った。
眩しかった。
机にじっと座って問題を解くことだけが勉強じゃないんだなぁって知ることができた。
世界は広い。
選択肢も多い。
いろんな生き方、いろんな幸せがある。
この事実にどれほど救われたことか。
私は、私らしい生き方と私らしい幸せを
これから時間をかけて探していこう。
そう思うことができたのだから。
今窮屈な思いをしている人
悶々としている人
大丈夫。
道は1つじゃない。
あなたも一緒に
あなたらしい生き方とあなたらしい幸せを探してみませんか？☺︎
おしまい
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今日も読んでくれてありがとうございます！
最近は夜に恋人とハンターハンターを見るのが楽しみです。
今から炭酸飲みながら鑑賞会をします（笑）
よい週末をお過ごしください🍀
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