うお

21世紀うまれ。ゆる〜く、短いお話を書きます🐟 書き始めたばかりなので、あたたかい目で…

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21世紀うまれ。ゆる〜く、短いお話を書きます🐟 書き始めたばかりなので、あたたかい目で読んでいただけるとうれしいです:) 特に恋愛小説がすきです

最近の記事

ひとりごと日記 | 乃木坂から池袋

乃木坂から池袋まで歩いた。 3時間かかった。 真っ直ぐ行けば2時間で着くのだが、 東京に来たからには渋谷の空気を吸っておかねば という謎の使命感に駆られ、つい。 今回意識したのは、なるべく地図のディテールを見ず、方向だけを確認すること。 直感を頼りに道を選び、だいたいの方向に向かって進む。 まあ都会だし。 大きい道があるから、そんなにぐにゃぐにゃした道を通る必要はない と思っていたのだが、 いつの間にか結構ディープな場所を歩いていた。 昔ながらの家がみっしり立ち並んで

    • ひとりごと日記 | イヴ・サンローラン展に行ってきた!

      12月11日 最終日、かけこみで国立新美術館に行ってきた。 乃木坂駅から直通の美術館。 かなり嬉しい立地。 私はファッションには明るくないのでこれまで見たことが無かったのだが、まずイヴサンローラン本人がハンサムすぎる。 たしか、入ってすぐのところに本人の大きな写真が飾られていて、清潔感のあるスーツに、シュッとした頬、それに加え上品な眼鏡がとても映えていた。美意識が高そう。 詳しくなくても、テンションが上がってしまうやつ。 自分だったらどれを着たいかな、とか考えながら見るの

      • ひとりごと日記 | 腰をおとせ!! 足を動かせ!! パンを食え!!

        バスの車内で朝ごはんを食べた。 パン。 サービスエリアのパン屋さんで、パンを買った。 普段は、スーパーで売っているようなパンを食べるのだが(もちろんあれも美味しいのだけど)、パン屋さんのパンはまた格別な美味しさがある。 作りたてだし。 2個買った。 これで、いくら歩き回っても大丈夫なカロリーを摂取できる👍 1つ目。クロワッサン 持った瞬間かるい。 食べなくてもわかる。これ絶対うまいやつ〜 口に近づけた瞬間、バターの香りがした。 期待大。 パクっ。 シャクゥ〜〜

        • ひとりごと日記 | よろしくハイウェイとショパン先輩

          今日は、ひさしぶりに早起きをした。 5時起床。早いっ 冬特有の、朝なのに空がまだ暗くて、脳が若干寝惚けているやつ。 私はあれが結構すきだ (それはたまにだから)。 今わたしは、高速バスに乗っている。 長時間移動。 いつもは新幹線を使うのだけど、今日はひさしぶりに。 高速バスも、なかなか楽しい。 新幹線に比べて、所要時間は約2倍になるのだが、本を読むのにちょうどいい。 着くのが早すぎると、あともうちょっと読みたかったのに!ってうずうずするから。 あとは、徐々に目的地に

        ひとりごと日記 | 乃木坂から池袋

        • ひとりごと日記 | イヴ・サンローラン展に行ってきた!

        • ひとりごと日記 | 腰をおとせ!! 足を動かせ!! パンを食え!!

        • ひとりごと日記 | よろしくハイウェイとショパン先輩

          ひとりごと日記 | 青。それと新宿から東京

          今日は、気持ちのいい快晴だ。 服の間をすり抜ける風もふわりと心地よくて、 小学生のころ、公園で嗅いだにおいがする。 なつかしくて、胸がきゅっとなるにおいだ。 そしてこんな日は、水族館に行きたくなる。 なんでだろうと考えて、 「海の青をそのままひっくりかえしたような色」 だからだ、と思い当たった。 頭のなかで勝手に、空の青に魚を泳がせている。 こんな日にしたくなることのもう一つに、 散歩がある。 風を頬に感じながら 足の裏の感覚を確かめながら 歩いて歩いて、どこま

          ひとりごと日記 | 青。それと新宿から東京

          ショートストーリー | さまざまな境目、僕たちのブルーム

          きっと、僕はやさしくない。 そして、いじわるでもない。 「褒められるといつも、悲しそうな顔するね」 「そんな顔してた?」 してたしてたと笑う彼女は、小さなホールケーキをナイフで切っている。 真っ赤なイチゴ、真っ白なクリーム。 真ん中に置かれた「5th Anniversary」と書かれた茶色いチョコプレートは、僕たちが出会ってから過ごしたすべての時間を、小さく祝福していた。 「本当は、嬉しいことじゃない?」 「そうなんだろうね」 「なんだか自分が、素晴らしい人間になった気

          ショートストーリー | さまざまな境目、僕たちのブルーム

          すきなアルバム紹介 | 聖子ちゃんと冬を丸かじりしよう!

          12月になった。 空気もツンと冷たくなって、あっという間に冬である。もう1年がおわるよ。はやいよ。 さて、季節の移り変わりとともに、生活のなかで変化するものがある。わかりやすいもので言えば衣服や、食べるもの。 それらに加えてわたしの中で変化するのが、 音楽である。 冬だから聴きたい曲。 車の中とか、なにかの作業中とか ちょっとしたときに冬の訪れを感じられる曲。 好きな曲はいっぱいあるけど、わたしの中で冬丸かじりみたいなアルバムがあって、今回はそれを紹介します↓ 松田

          すきなアルバム紹介 | 聖子ちゃんと冬を丸かじりしよう!

          エッセイ | 大阪alone

          「あ、いま自分が大人になったな」 と感じる瞬間がいくつかある。 初めてひとりで車を運転して無事目的地についたときも、小さい頃苦手だった生魚に挑戦してむしろ好きになったときも、そう思った。 ちょっと大人になった。 けど明らかにあ、これは今までの比じゃないな って思った経験もいくつかあって、その中のひとつが、去年の夏に行った初めての大阪ひとり旅だ。 わたしは小さい頃から、自分ひとりの力でなにかを成し遂げたという経験が、たぶんまわりの人に比べて著しく少ない(人生でいちばん言わ

          エッセイ | 大阪alone

          エッセイ | 染み出す空の色 、またはグレーとブルー

          空が好きだ。 普段写真を撮らないのに、 空だけは撮りたくなる不思議。 これは4年前の12月 12月だからもちろん寒かったけど、結構厚いアウターを着ていたから、頬や耳を掠める風だけがつめたかった記憶がある。 笑うとあったかくなるし。 4年も前のことをよく覚えているなってって思うけど、毎日繰り返されていた授業風景とか校舎の中よりも、大人になって友だちと学生時代を振り返ったときに、ギリ話に出るか出ないかくらいのなんでもない、でも記憶の中ですっごくきれいな風景として残っている

          エッセイ | 染み出す空の色 、またはグレーとブルー

          ショートストーリー | 私たちは金星を片手に

          人は多ければ多いほど、無色透明になる。 そう気付いたのは、つい最近のことだ。 「ふっ、なんか哲学の先生みたいだね」 初めて食事をしたとき、柊さんにそう言われた。 普段考えていることは、気を抜くと口をついて出るものなのだろう。 「あっ、ごめんなさい……私つい」 「いや、いいんだよ」 パスタを水で流し込んで、こっそりと彼を盗み見た。その表情には一切の曇りもなくて、ほっと胸を撫で下ろす。 そんな彼と今日は、何度目かの待ち合わせだ。 約束の時間まであと10分。 彼の姿はまだ

          ショートストーリー | 私たちは金星を片手に

          備忘録 10.07

          朝が来れば夜が来る。 そんな当たり前のことに、気付かなかった訳ではない。 ただ、僕は目を瞑っていた。 「ねぇ、次はいつ会えるの?」 柔らかい体が脇の下に潜り込み、少しキツイ、甘い香りが鼻腔をくすぐる。 あの子はもっと、優しい匂いだった。確か…… 「ねえ」 遠い記憶から現実に引き戻される、シーツが擦れる音。 「今、何考えてる?」 僕は返事をしないまま、窓の外にゆっくりと目をやった。 秋が、近づいている。 ・ ・ ・ 友達と遊んで、片手に収まるくらいの短い物語を書こうと

          備忘録 10.07

          [ショートストーリー] 鍵

          『鍵を、鍵穴に差し込む瞬間が好きなんだ』 夫は何の前触れもなく、そう言った。 『ズズッ、てさ。こう、伝わるかな』 「それは感触が好きってこと?」 水色が紫に変わり、夕方が夜になる。 その境目の空を、私は夫の沈黙を待ちながら眺めていた。 夜が近付いている。 『好きな理由は、うまく言えないけど』 「うん」 『自分は自分のままでいいって、思えるからかな』 感触より、気持ちの問題。 捻り出してくれた答えは、正直私にはよく分からなかった。 『ああ、じゃあ例えばの話。会社で叱ら

          [ショートストーリー] 鍵

          [ショートストーリー] 7日間の夏

          【0日目】 羽化前夜。 やっと始まりで、もう終わり。 空にぽっかりと浮かぶ、丸い月を見上げながら思う。 どう 生きていこうか。 暗い部屋の中でずっと考えていたけれど、やっぱり僕は、孤独の中で自分と向き合いながら生きられる質ではないようだ。 あたたかさを知りたい。 そのためにできることは、ただ一つ。 来る明日を静かに待ちながら、目を閉じた。 【1日目】 人通りの多い駅前。 降り注ぐ日差しが、痛いくらいに暑い。 眩しい。 肩慣らしに、少しだけ声を出してみたら意外と通る声が

          [ショートストーリー] 7日間の夏

          [ショートストーリー ] 夏祭りとヨーヨー

          「下手くそぉ」 急に頭上から振ってきた声に驚いて、もう少しで釣れそうだった赤いヨーヨーを落とした。 ビニールプールの水面が、ぐわん、ぐわんと大きく揺れる。 「なんか、ふっ。しけた顔してんね」 顔を上げると、幼馴染みの啓太が立っていた。 「暇なの? そんな顔してると客逃げるよ」 「別に好きで店番してる訳じゃないもん」 まったく、啓太は昔から余計な一言が多い。 「それにしても町内会の夏祭り、懐かしいなあ。俺らが子供ん頃はもっと賑やかだった気がするけど」 彼はそう言って、私に1

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          回顧 (ショートストーリー)

          ビルの屋上から見える景色は、遮るものが多すぎる。 無機質で大きいくせに、どこか頼りないこの街に、君はいない。 グレーの街並みに僕まで溶けてしまうような気がして、深いため息をひとつ吐いた。 「元気?」 携帯を開いて、ついさっき君から届いたシンプルなメッセージに目を落とす。 徐々に減っていく共通点が、会えない時間の長さを否応なしに感じさせて、胸が詰まりそうになる。 お互い意地を張るように、ぽつりぽつりと交わすメッセージが、今は二人を繋ぐ、脆く頼りない糸として、君と僕の間に存在し

          回顧 (ショートストーリー)

          [140字小説] サヨナラグレー

          歩道橋を上ると、いつもより空が近かった。 白を透かしたグレーが目に沁みる。 眼下に広がる景色は、少しだけ濡れていた。 気まぐれな雨に撫でられたらしい。 深く息を吸うと、冷えた空気の向こうに別れの匂いがした。 サヨナラ 何となく呟いた哀れな挨拶は、輪郭を持たないままグレーに溶けて、儚く消えた。

          [140字小説] サヨナラグレー