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エッセイ | 染み出す空の色 、またはグレーとブルー

空が好きだ。

普段写真を撮らないのに、
空だけは撮りたくなる不思議。



これは4年前の12月


学校の帰りに、
夕日がきれいだからみんなで海にいこう
ってなって、友だち何人かと一緒に


12月だからもちろん寒かったけど、結構厚いアウターを着ていたから、頬や耳を掠める風だけがつめたかった記憶がある。
笑うとあったかくなるし。

4年も前のことをよく覚えているなってって思うけど、毎日繰り返されていた授業風景とか校舎の中よりも、大人になって友だちと学生時代を振り返ったときに、ギリ話に出るか出ないかくらいのなんでもない、でも記憶の中ですっごくきれいな風景として残っているちょっとした思い出って、繊細だから覚えておきたいなと思う。
たぶん忘れたら一生掘り返されることはないし
なんだか儚いから。

それで、これが今日の空

重めのくもりだけど、最近にしては天気のいいほう


空を好きな理由として、
そのときどんな気持ちでも、そのままを吸い込んでくれるような感覚、というものがある。

うれしいとき、悲しいとき
同じ空を見ても、色や広さが違うように見える。そのままを映すから、わたしの情緒バロメーター。

くもり空なら、おなじグレーでも
白に近いグレーに感じる日もあるし、
限りなく黒に近いグレーに感じる日もある。

青空だってさわやかに映る日もあれば、
涙色に見える日もある。

「どっちとも捉えられる」
その境い目のなさが空だし、そこが癒されるなと思う。
人に対してなにか気持ちを伝えたいときって、
言葉にしないと伝わらないことが多い。
絵とかダンスとか、その人なりの表現はあるかもしれないけど、普段リアルタイムでなるべく齟齬なく伝えようと思ったら、やっぱり言葉が便利なのかなと思っていて
でも言葉にできない感情というものが、世界にはたくさんあって、それはもどかしいし、黒か白かで整理できないし、誰かに理解してほしいような、でも中途半端に解釈されるくらいなら理解されないほうがいいような、そんなことが、ある気がする。

でも空にはギャップがないな、と感じる。
もちろん人じゃないから、なにか言葉が返ってくるわけでも、やさしく抱きしめてくれるわけでもないけど、眺めるだけで自然と自分のなかで何かがカチッとはまって、急に答えがでるときとか、空の広さを前にして、ぜんぶ自分の一人相撲だったんだなって、知らぬ間にすっきりしているときがある。

キティちゃんに口がないのと同じように
見た人の気持ちが、そのまま投影される感じが心地よくて、すごく好きだ。
シンプルにきれいだし。



澄んでいる空気は、いいですね。
耳や鼻がツンとする、それもまた趣で。
風邪には気をつけたい。
皆さまも、お気をつけて。


おわり

*****


スキやコメント、ありがとうございます。
本当にうれしいです。

また、なにか少しでも感じたことがあれば、
そのお気持ちを残していただけたら、わたしは本当にしあわせです。

(今度こそおわり)

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