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感想文集

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映画やドラマ、本など感想文まとめ *
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あまりにも不安定で予測ができない世界に

あまりにも不安定で予測ができない世界に

 萩尾望都先生の『半身』と『エッグ・スタンド』は小学生時分の私にはあまりにも難しい主題でした。

 二つの作品には生命の危機にさらされた人物が登場します。
前者は二人を引き離せば一方は助かるがもう一方は助からないと医師に宣告された結合双生児の姉妹。後者は第二次世界大戦中、ユダヤ系ドイツ人であることを隠しフランス人としてキャバレーで働きながら暮らす娘です。彼女にはユダヤ人狩りの魔の手が忍び寄ります。

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『Dear Evan Hansen』を観て

『Dear Evan Hansen』を観て

 この作品はミュージカル映画です。ミュージカル映画があまり得意ではないため果たして最後まで鑑賞できるのだろうか、と不安でした。しかし序盤で気付くのです、この感覚は身に覚えがある、と。
私はディズニー映画『アナと雪の女王』を思い出しました。アナ雪といえば雪の女王ことエルサの「レット・イット・ゴー」が有名ですが、エルサの戴冠式当日朝アナが歌う「戴冠式の日」も大好きな曲です。

 私は実写のミュージカル

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動画生活便り

動画生活便り

最近すきな動画というかYouTubeは息子ほど見ないのですがTwitterに流れてくる海外の俳優さんのおすすめ動画にはわりと共感してしまいます。

アン・ハサウェイ

ケイト・ウィンスレット

ジェニファー・ローレンスの動画もわりとよく話題にあがった気がしますが地味にリスニングの学習になるので、英語で話すインタビューなど最近は検索して見るようにしています。

あとはブリティッシュ・ベイクオフを作業

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『ゴーストバスターズ/アフターライフ』を観て

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』を観て

日曜日。日曜日といえば私の場合公休。平日を平和に過ごすためにある時間。すなわち掃除と洗濯、買い出しをする日。しかしそれはそれとして休みの主目的は「リラックスする」ことです。「リラックス」、それは精神と肉体の緊張をほぐし、ゆったりとくつろぐ、つまりは楽になること。「楽」、それは何の苦しみもない心身が穏やな状態。ちょっと今から山登りしようかくらい英気が溢れる状態まで整えば成功です。
 体の疲れを取るに

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This is Bialystocks !

This is Bialystocks !

 ドラマのエンディングテーマで耳にした時に誰かに似ているなぁ、と思ったのですが名前が出てきません。あとで大瀧詠一さんだ、と思い出します。でもあらためて大瀧さんの楽曲を聴くと似ていません。うーん、音楽に詳しくないためそもそも大瀧説は不確かですがサウンドに懐かしさがあったのです。小田和正さん、佐野元春さんの楽曲の軽快だけれど基礎がしっかりしているイメージ。バンドサウンドとはまた違う。
 ドラマを四話目

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『きみの町で』を読んで

『きみの町で』を読んで

国語の教科書に『カレーライス』という
お話があると子どもが言ってきた。
授業でやる前からうちで音読をして
こんなことは初めてだった。
教科書には「重松清 作」とある。
あ、あの有名な。でも私はこの人の作品は
読んだことがない。というか、私と子ども
二人とも活字を読むのが得意ではない。

教科書の中にはこの作品が収録された
短編集の紹介があった。
子どもはその本を学校の図書館で
借りてきた。
夏休み

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The Geat British Bake Offを気がつけば夢中になって見てしまった

The Geat British Bake Offを気がつけば夢中になって見てしまった

 暇さえあればブリティッシュ・ベイクオフを見ている。見られない時は聞いている。今も私の横で審査員ポールのコメントが流れている。
ちなみに私は審査員メアリー・ベリーと司会進行のスー&メルが出演するシーズン7までのみ見る予定であり、今二回目のターンに入ってシーズン3の本編が終わったところだ。
取り憑かれたように流しているので子どもがなぜそんなにずっと見ているのか聞いてきたほど。自分でもはっきりとは分か

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『Last Night In Soho』と『Promising Young Woman』を観て

『Last Night In Soho』と『Promising Young Woman』を観て

まずはエドガー・ライト監督作品を鑑賞。オープニングにはピーター&ゴードンの「愛なき世界」が流れ、主人公のエロイーズは新聞紙で作った手製のドレスを纏い踊ります。これがまたキュートでトーマシン・マッケンジーの可愛らしさ爆発です。
 本来作品は集中して最後まで観るところを時々何回かに分けて観ることがあります。今回もその予定だったのですがエロイーズが学校の寮を出て見つけた下宿先で迎えた最初の夜あたりから目

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『初恋〜お父さん、チビがいなくなりました』を観て

『初恋〜お父さん、チビがいなくなりました』を観て

原作があることも知らずに何となく観たのですが想像以上に良かった。
 東京郊外にある武井家。一家の主、勝が37才の時に建てた設定らしいので、ざっと築三十年ほど。年季が入っているけれど、妻有喜子がきれいに手入れしているだけあって、とても居心地が良さそうなお家。日用品と小物が並んでも清潔感のある玄関、レトロな雰囲気の残る台所、こたつカバーは編み物が趣味の有喜子の手作りかもしれない。
 映画を観る時に家具

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『As We See It』を観て

『As We See It』を観て

このドラマを観て亡くなった弟はいわゆる
自閉症スペクトラム
(Autism Spectrum Disorder : ASD)
だったのだろうなぁ、としみじみと感じました。
私もおそらく妹も発達に少々の問題を抱えて
いて、それなりに苦労しました。
母は保育士の有資格者だったので多少なりとも
知識はあったかもしれませんが、
三十五年以上前となると今よりも情報は
不足していたでしょうし、
周りの理解もな

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『コーダ あいのうた』を観て

『コーダ あいのうた』を観て

動物とこどもが出てくる作品はもれなく泣いてしまう率の高い私ですが、純粋な愛への耐性もなくなってしまったことが明らかになりました。この作品は様々な題材を描いていますが、私が一番反応したのは家族愛です。
父、母、兄は聾唖者であり、自分だけ耳が聞こえる女子高生である主人公が歌の才能を見出されるも家族の事業の手伝いもしなければいけないくだりは本当に見ていて辛くなりました。完全に板挟み。睡眠時間何時間だろう

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『シェフは名探偵』を観る

『シェフは名探偵』を観る

ここのところ気がつくとこのドラマを観ている。
一話一話のエピソードがとても濃く味わい深い。
お店が地下にあり赤みがかった照明が使われた映像が続く。開放感のなさは得意ではないけれどそれでも繰り返し観てしまうのはなぜか考えていた。

1.人を描いている

舞台となるビストロのスタッフはもちろんのこと、登場人物たちも間違いを犯したりすれど善人を前提とした人間ドラマであること。

2.ミステリーである

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『大豆田とわ子と三人の元夫』を観た

『大豆田とわ子と三人の元夫』を観た

ずっと気になっていたのです。

知らなかったのですが、
脚本の坂元裕二氏『東京ラブストーリー』
を書いた方なのですね。
当時観てました。
私は小学5年生。我が子と同じ学年。
よくあんな大人の恋愛ドラマ観ていたもの
です。
完治がリカに振り回されている様子に
ずっとやきもきしていた記憶しか
ありません。

あれから三十年。
子どもは別れた夫の家にお泊まりで不在。
一人きりの日曜日。
朝からドラマを観

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ドラマ版『きのう何食べた?』を語る

ドラマ版『きのう何食べた?』を語る

『きのう何食べた?』のドラマ版、
ご存知ですか?
私、大好きなんです。
原作は試し読みをしたのみで、
繰り返しこちらを観ています。

食べることは生きる上での基本。
しかし私は食べることが下手です。
上手な人は食材の美味しい食べ方を
知っていて、どんな味の組み合わせで
調理法で、というアイデアを無限に
考えられると思うのですが
そういう才能は全くありません。

また、量が食べられません。
心理的な

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