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『シェフは名探偵』を観る

ここのところ気がつくとこのドラマを観ている。
一話一話のエピソードがとても濃く味わい深い。
お店が地下にあり赤みがかった照明が使われた映像が続く。開放感のなさは得意ではないけれどそれでも繰り返し観てしまうのはなぜか考えていた。


1.人を描いている

舞台となるビストロのスタッフはもちろんのこと、登場人物たちも間違いを犯したりすれど善人を前提とした人間ドラマであること。

2.ミステリーである

人間関係のいざこざを謎として、それをシェフがお節介もとい優しさから謎解きし和解につながる構造がとても魅力的。

3.演者とスタッフがすばらしい

これは冒頭のテレ東名義によるnoteを読んでの感想だけれど原作をドラマ化する際の製作陣の努力や工夫に愛がある。
それに呼応するように演者のプロフェッショナルな仕事が光る。

*

私は本当に脂が苦手なので乳脂肪をふんだんに使うと聞くフランス料理は食べられる気がしない。下戸なのでワインもほんの一口しか飲めない。それでも「美味しい」と言ってみたくなる。シェフのやさしさに触れてみたくなる。この世には真面目に働く人たちがいると信じたくなる。
真面目にしていたって意味がないとは思いたくないけれど、やっぱり日々生活していると理不尽だと思うことが多々あって、心が重く暗澹とした気持ちになる。
そこで三船シェフの笑顔を見ると、安心するのだ。
金子さんや高築さん、志村さんたちのやりとりを見ていると平和だな、と思える。

ちょっとクセのあるカメラワークはくどいと思わなくもないけれど演出なので別によいか、となるし、西島秀俊さんが料理をする姿が大好きなのでもっと調理シーンを見られたら嬉しいのだけれどそこが重要ではないので致し方ない。

バンショーというか、ホットワインは昔職場の人にすすめられたことがあったけれどワインを買うことに抵抗があり作ったことも飲んだこともない。しかしこの作品を観て完全にアルコールを飛ばし、スパイシーな美味しいバンショーが作れるかな、とほのかに考えている。

少し日々のあれこれに疲れた時に観ると元気をもらえる作品、おすすめです。

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