インド物語-アグラ④-

画像1 タージマハルからほど近い白壁の南欧風のホステルにチェックインした。屋上にはレストランがあってビールが飲めると聞いた。蒸し暑い砂塵にまみれた日に喉を潤したビールは、毛穴を広げて全身に豊かな活力を漲らせた。本当に冗談抜きで。黒く硬い鉱物のような鼻くそを、自分の見慣れた鼻という山あいのトンネルから毎日ひたすら掘り続けている私たちに労働のあとの喜びを思い出させてくれた。ありがとう、ビール。麦芽の偉大さが国境を越えた瞬間だった。どんな世界遺産よりもこの一杯こそが私に生きている喜びと実感を与えてくれる、気がする。

サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。