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【今日のnote】新生ZAZENBOYSのLIVEを観て感じた、良いLIVEと良い文章の共通点。

 こんばんは、狭井悠です。

 毎日更新のコラム、43日目。本日は東京の赤坂からお送りしております。This is 狭井悠's column‼︎

 さて、昨日はZAZENBOYSのLIVEを恵比寿リキッドルームに観に行くということで、ボーカル&ギターの向井秀徳氏についてのコラムを書きました。

 ZAZENBOYSって何? 向井秀徳ってどんな人? という方は、以下のコラムを読めば、おおよその概要はつかめるようになっていますので、読んでみてくださいね。

 今日は、昨日の新生ZAZENBOYSのLIVEの感想と、良いLIVEと良い文章の共通点について、ちょっと感じたことを書いてみようと思います。


昨夜のリキッドルーム、ZAZENBOYSのLIVEはここ数年で一番最高だった。いや、本当に。

 結論、上記の見出しに尽きます。

 LIVE、最高やったんやで。

 昨夜のリキッドルームでのMATSURIセッション(ZAZENBOYSのツアーのこと)は、本当に本当に本当に、良いLIVEでした。

 感動した。ぶるぶるっと、武者震いするようなものがありました。個人的には、2014年の渋谷ラママでのTHA BLUE HERBとの2マン以来の満足感がありました。

 毎年、ZAZENBOYSのLIVEは必ず足を運んでいるのですが、長年観ていると、バンドそのもののコンディションみたいなものが、なんとなくわかるようになってきます。

 実は、ここ数年、ZAZENBOYSのコンディションはあまり良いものではなかったのではないかと、僕は認識しています。

 これは、長年、共にLIVEを観に行っている友人との共通認識なので、僭越ながら、以下に箇条書きにしてみます。

 同じようなことを感じていたZAZENBOYSファンの方も、中にはいるんじゃないかなあ。


・新しいアルバムを長年作っていないので、LIVEに目新しさがなかった

・バンドアンサンブルが精彩に欠けている時が、しばしばあった

・2017年に脱退したベーシスト、吉田一郎氏だけが大きな声でテンションをあげようとしている場面などもあり、から回って見えるときがあった

・向井秀徳氏がステージ上でお酒を飲みすぎている印象があった

・キワモノ系の雰囲気を出すMCや、ぐしゃっとしたセッションが多かった


 こんな感じでしょうか。

 ZAZENBOYSについては、15年間、結成当時からファンなので、熱を帯びていた結成直後の初期衝動的なサウンドから始まり、成熟期にかけてのMATSURIセッションの興奮を知っている手前、昨今のややマンネリ気味のLIVEには、どうしても細かいところで気になる点がありました。

 初めてZAZENBOYSを観た人であれば、あまり気にならない程度のこともあると思いますが、やっぱり思い入れの強いバンドなので、「なんかちょっと後味がよろしくないLIVEだったな」「観終わった後のドキドキ感が薄れてきているな」といったことは、気になってしまっていたんです。


 しかし!!!

 昨晩の恵比寿リキッドルームでのLIVEは、これまでの停滞気味の印象があったZAZENBOYSの空気をぶち壊す、強烈な鋭角サウンドが見事に復活しておりました。

 新しいベーシストとして参加した385 MIYAの重厚でぶっといベース、そこに絡まる柔道二段の繊細かつ野蛮なパワードラミング、カチカチと正確無比な時を刻むようにカッティングを続けるカシオメンのギター。

 そして何よりも、向井秀徳氏のリリックに想いを込めた力強い歌唱と、トーンにこだわりを感じさせる丁寧なギタープレイ、一曲一曲終わるたびに深々と頭を下げる謙虚な姿に、強烈に胸を打たれました。

 あれ、いつものZAZENBOYSのLIVEじゃない! と思いました。

 マンネリした演奏の雰囲気は一切感じられず、間延びするMCもない。

 まるで、NUMBER GIRLのLIVEのような刹那的なヒリつきではないか!


 そして、何よりも最高なのは、伝説的バンドであるNUMBER GIRL(ZAZENBOYSの前身)は、すでに解散してしまった過去の存在ですが、新生ZAZENBOYSはこれから、さらに僕たちを楽しませてくれる「今を生きるバンド」であるということです。



 繰り返される諸行無常、よみがえる性的衝動。

 向井秀徳率いる、新生ZAZENBOYS、ここにあり。


 僕は、この新しいZAZENBOYSの奏でるLIVEを直に観ることができたことを、とても誇りに思います。

 めっちゃ、パワーをもらった。ものごとに真剣に取り組むことの大切さを、脳天からブチ込まれた鋭角サウンドによって、身体で、心で、魂で理解させていただきました。

 最高!!! 乾杯!!!!!!!


新生ZAZENBOYSのLIVEに学ぶ、良いLIVEと良い文章の共通点について

 さて、ここからはちょっとだけ、物書き的な観点で、良いLIVEと良い文章の共通点について、思うことを簡単に書いておきます。

 今回、新生ZAZENBOYSのLIVEを観ていて、胸を打たれたポイントは、以下の3点です。

 そして、これらは良いLIVEに必要な要素でありながら、良い文章を書くことにおいても、共通して必要なものではないかと思うのです。


その1:謙虚であること

 今回の新生ZAZENBOYSのLIVEでは、楽曲が終わるたびに、向井秀徳さんは深々とお辞儀をし、観客に礼を尽くしていらっしゃいました。

 新体制になるにおいて、何か、向井秀徳さんの中で心境の変化があったのかもしれません。とにかく、以前感じたような惰性でLIVEをしているような印象がなく、LIVEのはじまりから終わりまで、一貫して謙虚だったのです。

 謙虚さというのは、にじみ出るものだと思います。謙虚な人の放つ音圧の心地良さは、ひとつひとつの音の積み重ねや、挙動の連なりによって、観る者の心にじんわりと沁み込んでくるもの。

 そして、これは良い文章にも共通して言えることだと思います。

 謙虚さに欠ける文章は、どことなく踏ん反り返っているような印象を受けますし、なんだか偉そうだったりして、読んでいてげんなりします。

 一方、謙虚さを持った文章は、読む者の心に沁み込み、何か大切なものを、置き土産のように残してくれるものです。


その2:丁寧であること

 今回の新生ZAZENBOYSのLIVEは、一曲、一音、一リリックをとても丁寧にプレイしている印象を受けました。

 バンドアンサンブルが、綿密かつ丁寧に推敲を重ねて生み出されたものであることがひしひしと感じ取れる、非常に説得力のあるプレイだったのです。

 こうした丁寧さというものは、文章を書くにおいても、同様に大事なことだと思います。音楽も、文章も、込めた想いが確実に、アウトプットされた楽曲や文面から醸し出されます。

 丁寧に書かれた文章は、やはり読んでいて心地よいものですし、一方で、雑な文章はやっぱり読むと疲れたり、時間を無駄にしたなとがっかりしたりすることが多いものですよね。

 丁寧なプレイ(書き方)って、本当に大事だよなあと、改めて思いました。


その3:真っ向勝負であること

 今回の新生ZAZENBOYSのLIVEで、一曲目にプレイされたのは、ファーストアルバムの最初の曲である「Fender Telecaster」でした。まるでバンド始動の初期衝動を思い出すかのような、挑戦的な選曲だと感じました。

 セットリストをTwitterにアップされている方がいたので、参考までに以下に引用させていただきます。

 そこから、往年の名曲が演奏されていくわけですが、今回のLIVEでは、奇をてらったMCや仕込みもほとんどなく、シンセサイザーのような飛び道具を使うこともなく、難解なセッションもなく、楽曲に向き合うかのごとき、真っ向勝負のバンド演奏でした。

 そして、そんな目の前で繰り広げられる真っ向勝負のLIVEに、僕は否応なく感動し、見事に鼓舞されたのです。

 文章を書くにおいても、この真っ向勝負という姿勢はすごく大事な気がします。

 自分の抱えている「書かざるを得ないこと」と向き合い、奇をてらうことなく、真摯にキーボードを叩くことで、本当に良い文章は生まれるのではないでしょうか。


 今回、恵比寿リキッドルームで体験した新生ZAZENBOYSのLIVEは、本当に多くの気づきを得た、素晴らしいものでした。

 僕はこれからも、ZAZENBOYSのLIVEに足を運び続け、向井秀徳氏のかっこのよろしいリリックと、カシオメンの正確無比なギタープレイと、柔道二段の躍動するハードコアなドラミングと、MIYAさんのぶっといグルーヴィなベースに、震え続けることでしょう。

 そして、この記念すべきLIVEで得た気づきを、僕自身もまた、自らの表現活動である「文章を書くこと」に活かし、たったひとりのMATSURIセッションをはなたれあげて(?)まいりたいと思います。(昨日のMCの真似です)


 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 明日もまた、この場所でお会いしましょう!

 みなさま、良き良き花金を。ぽんぽんぽん。

p.s.

 最後に、ちょうど週末なので、ZAZENBOYSの「WEEKEND」「FRIDAY NIGHT」を貼っておきますね。


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