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恋人と別れました

だいぶ長かった恋愛に終止符を打った。とかっこつけて言っただけで、普通に別れました。

小学校の頃から好きな人と両思いになれて、たくさん愛情を貰えて嬉しかった。高校も大学も違うし大学になってからは関西と関東との遠距離で、お互い精神的に不安定なのもあって何度も付き合っては別れてを繰り返してた。彼から別れを切り出されることもあれば、私から言うこともあった。

そして最終的には私が別れる決断をした。彼にたくさん不満があって別れたはずなのに、しかも友達みんなに「別れた方がいいよ」としか言われないから別れたはずなのに、正直まだ心の片隅に彼の存在がこびりついているのが現状。

私にとっての彼の存在が大きすぎた。付き合う前までも含めたら10年以上の付き合いだったので、彼のことを少しも考えず生活出来るようになるのは、なかなか時間がかかるかもしれない。もしかしたら一生無理な気もしてくる。

大学生になってからはお互いの家によく泊まりに行っていたので、たった6畳の私の家の中だけでもむせかえるほど思い出が蔓延っている。皿洗いや料理をする度に後ろから抱きつかれて戸惑ってたキッチンとか、寝るつもりで布団に入っても話し出したら止まらなくて毎日修学旅行の夜みたいだったシングルベッドとか、2人で入るには狭かったお風呂とか、一緒にゲームセンターで取ったベッドの脇にいるカワウソのぬいぐるみとか、クローゼットの中の彼に会う時に着ていた大量の服それぞれとか、ピアス穴を開け合いっこしてから一緒に買いに行ったピアスとか、新刊が出る度に貸して感想を言い合ってた2人とも好きなマンガとか。視界に入るもの全てから彼との出来事が連想できてしまう。
地元に帰省した時もそう。なんとお互いの実家が自転車で5分くらいの距離にあるので、なんかもうどの場所を取ってもいちいち思い出が蘇ってきて苦しかった。挙げたらきりがないので割愛するけど。頭の中に蓋をして、さらに彼の存在を無理やり梱包して、脳の隅っこに押しやれたら、どんなに楽だろうか。

でも、今度こそこの恋愛に区切りをつけるって決めたからには、後ろばっかり振り返ったらだめだって自覚してる。

正直彼への不満なんて山のように出てくる。きっと彼も、散々困らせた私への不満なんていくらでもあるはずだ。でもきっと今でも彼の顔を見たら自然と笑顔になってしまうだろうな。彼の素敵だと思うところも、逆に情けないと思う部分も、私だけが知っている秘密も、まるごと全部独り占めしたかった。たくさんの幸せな時間を供給してくれていた。

ずっと一緒にいようね。もう遠距離は嫌だよ、社会人になったら同じお家に住もうね。疲れて家に帰ったら毎日あなたがいるって絶対幸せ。毎日目が覚めたらあなたの顔が目の前にあって。そしていずれは同じ苗字になりたいな。結婚願望も母親願望も特になかったけど、私はあなたとの子供だったら欲しいかなあ。お互いしわしわになっても一緒にいたいよ。同じお墓に入って、来世でも一緒になれたらいいね。

数え切れないほどたくさんの思い出があるし、今まで知らなかった感情も彼と一緒にいたら沢山湧いてきた。私の相談を聞いてくれていた友達はみんな「きっとすぐ忘れて良い彼氏が出来るよ!」と励ましてくれたが、結局彼との思い出は忘れたくないし消したくない。

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