徒骨独路(むだぼねどくろ)

詩や文章をできるだけ投稿しています。 枯れたら少し休みます。 https://tw…

徒骨独路(むだぼねどくろ)

詩や文章をできるだけ投稿しています。 枯れたら少し休みます。 https://twitter.com/Wasted_6one

マガジン

  • 日記

    文章の練習として日記を始めました 見たり見なかったり、好きになったりしてください

  • 短編・エッセイ

    日記以外の投稿をこっちに纏めています。 比較的頑張ってる寄りの文章ですので感想などもお好きなように、 え、いや、そんなに言わなくても…

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徒骨独路と申します、おやすみなさい。

文化的な何かを時々発露していないと収まらない。でも、自分でも己のそれが優れているとは特段思っていなくて、感情と共に腹の中に延々と貯め込んでいるような人間は成長すると嫌な自信をつけることがあります。所謂「自分は通用するのではないか」という類の根拠の無い自信は早めに折っておいた方がいい。 ここはそんな気持ちを言い訳に始めた「通用するのではないか」の溜まり場です。へし折ってやってください。 そして、初投稿の文章の書き出しとしてはそれなりに凡庸なものになってしまう自分の才能の限界

    • 【日記】12/7

       文章が書けなくなった。特に長いものを。  書けなくなったと言うと何か今まで上手くいっていた物がそうでなくなったニュアンスがある、しかし残念なことにそうではない。  元々遅筆だった私が無理ない程度に書く速度とアウトプット経験の少なさを改善しようとしたのがこのnoteであり日記なのだが、一週間日記に挑戦したところで理解したことがある。  「私、日記向いてね〜(笑)」  冗談ではなく、本当に笑ってしまうくらい向いていない。日常の中の取り留めのない要素を拾うまではいいのだ。

      • 【日記】12/2

        12/1、更新失敗。結果的に三日坊主となってしまったわけですが、5日目からまた始めればノーカンという話を聞いたことがあります ありますよね?ない?本当に?不安になってきたのでGoogleで調べます。あ、ほら、やっぱりあった。いやいや、分かってもらえればいいんですよ (閑話休題) 偉大なるGoogle先生でついでに調べたところによると、三日坊主というのは仏門の修行に耐えきれず三日で抜け出してしまうような根性の無い坊主の様子から来ている言葉らしい 後世で数百字の日記すら継

        • 【日記】11/30

          時給千円強のバイト代で口座が潤うのを見て、11月が終わるのを感じた 今年ももうあと31日しかないよ、と友人にLINEした後で自分で書いた事実に驚かされる あと31日!?短過ぎる。十一ヶ月間何もしてこなかった人間があと一ヶ月で何が出来ると言うのだろうか。体感ではまだ6月とかそこらだ それでなくとも既に遊びの予定が立て込んでいる。24日辺りから急に友人の付き合いが悪くなる不思議な時期が訪れるが、それまでは毎週しっかりとした予定が立ち、予定を立てていないだけの約束がその間を窮

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        • 日記
          5本
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          13本

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          【日記】11/29

          昨日から付け始めた日記が既に面倒くさいという感情に支配され始めている 文章を書くのは嫌いではない。ただ、家を出ずに天井を眺めているばかりの日に日記と言われても困るというのが正直なところだ 私が家を出ない時は大抵凄く寝ているか、凄くゲームをしているか、凄くご飯を食べているかの三択を過ごしている。そうやって何を成すでもなく死んでいっていることに危機感は無い。むしろ一生こうしていたい。日記を書くのには少し苦労するかもしれないが、変化の無い人生の方が私の性に合っていると感じる。

          【日記】11/28

          昨日見た手袋が今日も落ちている それを見て私は、世界が自分と同じくらいには優しくない事に安心した 銀杏並木の黄絨毯に横たわった茶革の手袋は持ち上げたらリスか何かが飛び出してきそうな風情があったが、それだけだった 「雨が降らなくてよかったね」 心でそう唱えると私は今日も手袋の横を通る 日々の生活で楽しかった事などはロクに思い出すことすらままならないのに、こんなどうでもいい情景ばかりが心に残る そして心に残っているからこそきっと、明日も同じ道を通るだけの勇気はない も

          【日記】授業を間違えた

           学部ごとに棟が決まっているわけでは無かったが、勝手にそんな印象を受けていた。 「この棟のこの教室で行われているのはこういう授業が多いよね」 そういった慣れからくる弛んだ思考が違和感を気付きにするまでの時間を引き伸ばす。  気付いたのは先生(別学部なので教授かどうかも分からない)の「皆さんは経済学部なのでお分かりだと思いますが」という発言が二回続いた時だ。その後も言われて通算四回、おそらく私だけお分かりでは無いことに腰を丸めながら経済の話を聞いていた。 その時点で教室

          【エッセイ】生活の隣人

           生きていると、気軽に命の危機を感じる。 例えばアパートの三階から窓の外を見ながら煙草を吸っている時、例えば包丁でやけに硬いジャガイモを刻む時、風呂に入った足の裏が石鹸の残滓を踏んだ時、何かがどこかに転べば俺は死ぬ事ができると何気なく思う。  誤解のないように言うと、特別に死にたいわけでは全くない。ただ、今は何の過不足もなく動いているこの生命は日常が孕んだ僅かな小石に躓けば簡単に止まる儚いものだと自覚する瞬間が確かにある。 それでも暮らしを止めることは出来ない。暮らしの

          【エッセイ】先読み能力 いらない説

          目の前に海がある。水着は持っていない。 持っていたとしても、海には入りたくない。 「今更海に入るとかは、ちょっと…」 海沿いに住んでいるクセにインドア派を気取っている私のような人間はこの時期になると大体こんな気持ちを抱いている。 しかし、「海が嫌いか」と問われると間違いなく「いいえ」が正しい。 私だって昔は人並みに海で遊んでいた時期を通ってここまで来ている人間だ。友人との相撲で海に投げ飛ばされ、財布やケータイが流されかけた思い出は宝物と言って差し支えない。 それでも

          【エッセイ】先読み能力 いらない説

          【短編?】会話の代替

          「いらっしゃいませ、本日は何をお求めですか」 「"逃避による幸福の可能性"を一つ。支払いは…"幸福の代替物の代替物"は使えたよね」 「はい、お使いになれます」 「いくつか見繕ってもらえるかな」 「かしこまりました、ではこちらの"藝術"などはいかがでしょうか」 「うーん、今日は頭を使わないヤツがいいな」 「では、こちらの"快楽"などはピッタリかと」 「ラインナップは、あぁ、うん、"愛"と"非致死性の毒物"の二つをもらおう」 「ほかにも何かお求めになりますか」

          【詩】陽はまた陰る

          朝と夜の境目のことを皆考えている 昼に対しては皆見向きもしない 月にばかり思いを馳せて 太陽を月を輝かせているだけの脇役に追いやる 私の前の道を、霧の中にある鉄路を照らすのは確かに太陽であったはずだ 今はもうその光に何か後ろめたさしか感じない きっと遠い昔、私は太陽を裏切った 向こうは気にしていない こっちはそうはいかない この霧の中では月の薄明かりは役に立たない 寝不足気味の目はそう呟いた もう昼の明かりには戻れない 夕暮れの中罪悪感に苛まれる日々には戻れない

          【エッセイ】背景の無い絵

          最近、絵を描くようになった。この文章の見出し画像がまさにそうだ。 上手とは言えないが、納得はしている。 別に何の節目というわけでもない。友人にこの話をしても「なんで今?」という疑問が飛んでくるが、きっかけなんてない。油絵なんていつ始めてもいい趣味の一つだろうと私は嘯く。 ただ、強いて言うなら、カンディンスキーなどの抽象画に始まり印象派、象徴主義 …などなど、ある程度自分の好きなものや影響を受けたものを自分で明確に言えるようになったのが大きいと思う。 自分という人間の中に

          【エッセイ】背景の無い絵

          【短編】煙火の妖精

           ライターを指に挟み、火が付いたばかりの煙草を片手に、空いた煙草の箱をゴミ箱に捨てた俺には妖精が見える。 目の前を揺らぐ親指ほどのサイズの妖精は靴で踏まれた花屑のようにくすんだ薄ピンク色をしている。俺が煙草を吸っている数分間だけ、妖精は姿を現す。灰が少し落ちた。  煙と共に現れ、灰と共に消える妖精は通った道に甘い香りを残しながら揺蕩い、そして香りだけを残して消える。消えた後の残り香も帯状に伸びていった後すぐに消えてしまう。香りの伸び切った先に妖精は居るのかもしれないが、辿

          【短編】竜も居る家

           家が貧乏だった。と言っても別に食事もままならないような極端なものではない。一桁の年齢の子供をして、他の子とは少し格差を感じる程だと言えば伝わるだろうか。  早くから唯一の肉親となった母親が朝から夜まで働き詰めだったので、友達が居なかった僕は学校から帰ると専ら家で飼っている小さな竜と二人で過ごしていた。  竜は僕を暇にさせてはくれない。流暢な会話が可能なほど知能が高い竜にとって狭い家は退屈なものでしか無かったのだろう。宿題をしていようが、食事を済ましていようが、竜は構わず

          【エッセイ】カスの日常

          本当に突然だが、私はカスだ。 軽い抑鬱、定期的な体調不良、ADD(最近はこの言い方をしないらしいが)など統合失調症の陰性症状お徳用詰め合わせパックのような人生を送るダウナー系のカスだ。 これは別に不幸自慢をしたいわけではなく、本当にかなり困っている。酷い時は食事や外出など生活の身動きが出来ない。 そんな自分にも、幸せなことに人並みに友人が居て、予定があり、暮らしがある。 友人には迷惑をかけ、予定には遅れ、暮らしが崩れていく。漠然と良くないと思いながら。何が良くないのかはよ

          【エッセイ】カスの日常

          【短編】藻屑

          目を開けると、青い空が広がっていた。 穏やかな波の音が聞こえてくる。 それもすぐ耳元で。 そう、すぐ耳元で波は鳴いている。 屋根のない青天井は少し赤みがかかり、エアーの入った合成繊維の布が作る床と気持ちばかりの壁は肌寒い風を全て通している。何かが入っている大きなリュックサックと、何本かは空の水のペットボトルがその部屋を彩っていた。 少しだけ、ほんの僅かに夢である可能性を考えて目を強く瞑る。少しだけ眼球が後ろに押し込まれて、また戻る感触があった。 もう一度試しても結果は同